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間取りの考え方~敷地いっぱいに建つ家『狭小住宅』

アラフォー女性建築士の『さわ』です。
主に関西で住宅を設計しています。

今週は仕事で書いた間取り図について書いていこうと思います。

私がよく間取りを書いたり建築するエリアは関西エリアでその中でも大阪は事務所もあるのでよく建築するエリアです。

大阪でも大阪市内は本当に今土地が無く、あっても狭い土地が多いです。
最近よくあるご依頼は
この土地で住宅建ちますか?
どれぐらいの間取りになりますか?

と言った間取り作成です。

地域によってはそんな小さな敷地に家建てるの???とびっくりされるような敷地もあります。

今回はそんな小さな敷地に書いた間取りです。

敷地条件

敷地面積:約13坪
道路幅員は約5mと11mの角地です。
用途地域:第一種住居地域
容積率:200%
建蔽率:80%(大阪市は準耐火構造又は耐火構造にする事で80%まで可能です)

間取り図

先にお伝えしておくと間取り図としての良し悪しは置いといてになります。
まずは敷地に対してどれぐらいの大きさのものがはいるか、その上で住宅として成り立つ間取りになるのか。
それを最優先に作成しています。

3階建て狭小住宅

延べ床面積:82.74㎡
建築面積:32.78㎡
建ぺい率:76.97%
容積率:194.27%

建ぺい、容積率を見ても敷地にいっぱい。
さらにいうと敷地が角地で変な深めの隅切りのある敷地なのであまり木造では構造体力的によろしくない斜め壁も利用して本当に敷地いっぱいの間取りです。

これほど敷地いっぱいに建てられた要因は接道の道路幅員が11mとかなり幅広いので今回は先週に書いた記事のように斜線の影響が3階建て程度なら無いに等しいからです。

あとはそのボリュームの中でいかに部屋数を取って使いやすい間取りを書くか。

売主さんからすると最低限でも3LDKは欲しいとのこと。
1階にビルトイン駐車場ととると残る部分は水回りにするか部屋にするか。
水回りにしたら2階LDKは広くなるがその分3階で3部屋とらなければいけないです。

また今回はこの斜め壁がやっかいで、1階に水回りを持っていきたくても水回りのように既製品の設備を入れる部分に斜め壁はデットスペースでしかありません。

それらの理由から1階に1室、2階に水回りはほぼ確定でした。

いい間取り??

こういう間取りを書く時はとにかく面積を確保する事。
部屋数を確保する事。
そればかりを考えるので使いやすさは二の次。
さらにデザインなんて全く考える余裕なし。

しかし結果はなんとかLDKは狭いけれど3LDK取れて且つ収納も十分とれた間取りになったので売主さんからは『いい間取り』と言われます。

この場合の『いい間取り』とはこの敷地条件に対して『十分売れるいい間取り』ということでしょう。

自分でこの間取りを書いて自分で皮肉を書くのですが・・・
それって果たして本当に『いい間取り』なんでしょうか??

さいごに

こんな敷地でも活用できる間取りを書けと言われたら考えるのは得意な方です。
過去にこんな仕事ばっかりして鍛えられましたからね。

こんな敷地でも家建てられるの??と思う敷地があれば一度ご相談いただければ考えさせていただきます。

しかしそれが『いい間取り』かどうかは人それぞれという事もご了承ください。
これが間取りを書いている中で感じる私の葛藤ですね。

さて今週の土曜日はかなりバタバタしていて更新が遅くなりました。
色々間取りに関して考える事もありますが、よかったらまた来週覗きに来てください。

今週もありがとうございました。

左巴建築設計事務所 さわ。

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