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レンタサイクルからシェアサイクル、そして電動キックボードへ

自動車免許を持っているくせに車を運転しない典型的なペーパードライバー(ゴールド)です。今思うと取得する時間と金があるのなら他のことに費やしたかったと思う反面、熱海での免許合宿2週間は色々とおもろかったので後悔しているわけでもない。

都内在住だから車なんて必要ないというのが運転しない理由として大きいけど、地方への旅行中でもレンタカーを借りることは一切しない。いちいち駐車場を気にしなければいけないこと、小回りが聞かなくなること、お酒を飲めないことがストレスだし、なにより辺鄙なところであっても時刻表と睨めっこしてローカル線やコミュニティバスを駆使するほうが性に合うのだ。

だけどコミュニティバスすら遠っていないところに行きたいときもある。そんなときは、レンタサイクルである。

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はじめてレンタサイクルを利用したのは大学の卒業制作で映画を作ったときだった。この映画は少し変わったもので、女友達との旅行をひたすら撮影・膨大な素材を編集したもの。今でいうとVlogというのかもしれない。そんなぬるいものではなかったけれど。

10日間の旅行で2日もチャリを漕いだ。1回目はチャリダーならだれもが知っている瀬戸内海サイクリング定番のしまなみ街道の隣の「とびしま街道」。今治から呉を繋ぐコースである。2回目は五島列島の福江島の山道を無理やり一周した。カメラを片手に漕いでおり、さらに雨まで降り出して大変な思いをしたことを今でも覚えている。映画撮影だったので移動手段というよりは演出要素が強かった。

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次にレンタサイクルを利用するのは記憶の限りだと映画撮影の2年後、石巻サイクリングである。これはコミュニティバスが通っていないところに行きたくて移動手段として使用した。だけど漕いでいるうちに、ただ目的地まで直進しているのが退屈に感じてセルフポートレートするようになった。自撮りは今でも趣味のひとつと化しており、旅行に行くとほぼ絶対に撮影するに至る。こうして悪趣味が誕生した。

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「ストゼロドライを飲めばとりあえず解決する」ように、「チャリを漕げば旅行がなんとなく引き締まる」という感覚を持つようになった。意識的にチャリを導入するようになり各地で乗り回した。これはビワイチ(琵琶湖一周)したときの写真。手段を超え、自転車を漕ぐことそのものが目的となったのである。


ただレンタサイクルは旅行中に限った話である。そこで、この喜びを日常で享受することができないかと思ったとき、コロナ禍で急速にサービス拡大したシェアサイクルが目に付いた。半日から一日などの単位で利用するレンタサイクルとは違い、分単位かつ貸出・返却ポートを選ぶことができ手軽に利用できる。

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江東区・森下から錦糸町まで鉄道だと276円かかるところ、140円で移動。なおかつ観光までできてしまう。これは日露戦争の戦没者の慰霊碑。電動アシスト自転車なので疲れることもなく、ワーケーションに似ているけれど都内でも「スキマ観光」が流行る予感。なお、シェアサイクル業界は右肩上がりであり、ある企業のデータによるとここ2年で利用者が3.5倍に拡大しているという。


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日本では法整備が追いついていなくて浸透していないけど、都内をはじめとする一部地域では電動キックボードLuupがサービスを展開している。小型特殊自動車扱いなので運転には自動車免許が必要だけど、利用可能地域ではヘルメット着用なしで乗車できる。ただし平地での最高速度15km/hなので移動するには自転車のほうがよっぽど便利。これこそ「乗ることそのものがアトラクション」であり、移動手段として浸透するにはまだ先になるのではないかと思う。

LUUP立ち上げた岡井さんの思想が興味深いので、最後にご紹介します。

現状、日本の交通システムは、いわば“大動脈”であるJRなどの電車やバスはは充実していても、“毛細血管”のようなラストワンマイルの移動手段がないんです。僕らはその“毛細血管”となるものを作り、電車だけでは解決できない課題に向き合うつもりです。
引用)https://www.fastgrow.jp/articles/luup-okai

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