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中小企業が描く成長戦略とは? / 『ストラテジー&イノベーション』第3章の要約
大学院で作成したレポートをnoteに記録していきます。
守秘義務に関わる内容があった場合は、該当箇所を書き換えて掲載する事があります。
テキスト『ストラテジー&イノベーション』第3章の要約。
A4用紙1枚程度、記述形式は自由、ファイル形式はword。
(2023/5/13 提出)
『ストラテジー&イノベーション』
第3章 成長戦略
構成
4つの節からなっており「成長戦略としての多角化」「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」「PPMに関する知識」「M&Aと戦略的提携」の順となる。
章の最後に、ケーススタディとしてファーストリテイリングの成長戦略を取り上げている。内容
この章は、企業にはなぜ成長が必要なのかという解説からはじまる。
具体的には、成長することには6つの経済性がありコスト低減効果があるというメリットが説かれている。
それでは企業はどのように成長戦略を描くかという事に関しては2つのツールが紹介されている。1つ目が製品・市場マトリックスであり、2つ目がPPMである。
どの製品にどれだけ資源を割り当て、その製品の置かれた競争の環境を分析しどの市場に注力するのかという事に焦点が当てられている。
第1回目の授業で学んだポジショニング学派の考え方に近いという印象を受けた。
第3節までは内部成長に焦点が当てられているが、最後の第4節では合併や提携など外部に成長を求める方法について解説されている。疑問・質問・現実との相違点
①成長の経済
成長の過程がコストの低下に繋がると解説されている。しかしPPMにおいては市場成長率の高さは使われるキャッシュの多さに直結するとなっている。
前者は企業全体のコスト、後者は1つの製品または製品群についての事で同一視出来ないことは理解した。
そうは言っても企業が成長段階にある場合、得てしてその製品群も花形商品や問題児が多くなるのではないだろうか。また、特定の製品の広告宣伝費に関わらず、企業のブランディングのために成長のためにはコストが余計にかかるように感じる。
成長そのものに経済性があり、成長という過程がコスト低下に直結するという事が感覚的に受け入れがたい。
②製品・市場マトリックス
テキストにおいて、製品および市場の切り口について「現在」「新規」という表現がされていることに違和感を覚えた。
「新規」に対してであれば「既存」、「現在」に対してであれば「未来」という対比の方がしっくり来る。言葉の使い方についてそこまで厳密に考える必要はないのか、それともあえて「現在」「新規」という対比が用いられており、その点まで考慮する必要があるのか判断しかねている。
③PPMの横軸
今回の成長戦略(特にPPMの活用)については自社製品を持っており、一定程度の市場シェアがある企業が対象となっているように感じた。
しかし、自社のようなITベンダーだったり、建設業、運送業など、国内の中小企業は大手企業の下請けであり、単独の企業にのみ納入していたりという事が少なくない。
こういった企業では、市場シェアを指標にすることは難しいと感じた。
製品の取捨選択や製品への資源投入量を能動的に決める自由が少ないような中小企業がPPMを活用して成長戦略を描く場合に、横軸を利益率などに置き換えて活用できないだろうか。
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