【1/28】ポプテピピックという前衛芸術

『ポプテピピック』というアニメが分からない。

ぜんぜん面白くないのになぜか繰り返し視聴してしまう

これはなぜでしょうか。

ハフィントンポストの記事は見どころが比較的丁寧に解説されているように感じますが、それでもあまり意味が分かりません。

私がポプテピピックを見た時の印象は、一般的なアニメや映画を視聴したときに発生する「楽しい」とか「感動した」といった物ではなく、なんらかの未知に対峙したときの知的好奇心の方が近かったです。つまりこれは一般的なアニメとは異なるなにかであり、少なくとも娯楽作品ではなくアニメを題材にした芸術のような物であり、鑑賞する行為そのものも言葉では表現できない概念なのです。

かつてビデオゲームがすべてファミコンと呼ばれていたように、ポプテピピックは未だポプテピピックと呼ぶしかなく、これを表現するタクソノミーを未だ持ち合わせていないのは21世紀の日本語の敗北なのです。

なにが面白いのかまったく理解できないのに、なぜか笑ってしまう。1回視聴すると再放送が付いてくるのに、それでもさらに繰り返し視聴してしまう。このときの私の気持ちを答えよみたいな国語のテスト問題を作成できるほどに日本語が進化するには、あと数百年を要すると思います。

中学校の合唱コンクールしか知らない人が、世界レベルの合唱団のコンサートに行って北欧系の合唱曲をはじめて聞いてポカーンとする時のような気持ち。

清少納言や紫式部をツタヤに連れて行って暖かく幸せな気持ちで一杯になれる魔法少女アニメとか甘酸っぱい三角関係を描くハートフル学園ラブコメディを見せた時の状況に近いと思います。古文単語には「マミる」「Nice boat.」とか存在しないので、「あなや」「いとあはれ」とか言いながら返却期日まで繰り返し見るんだと思います。知らんけど。

劇中に唐突にスーパードンキーコング2のパロディが入るのも意味が分からないのですが、ちゃんとディディーのサングラスとディクシーのポニーテールも再現されていて感心します。面白さは分からないのですが、感心します。

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