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#1 日本の財政破綻

 岸田政権が退任することが決まり、総裁選真っ只中!多くの候補者が出る中、その候補者の区分法として、財政再建派と積極財政派とに分けることができます。財政再建派は、日本の財政は切迫しており、このままで財政破綻をしてしまうため、国の最優先課題は、財政再建という意見!日本の国債発行残高は、2024年度末には1,100兆円に上ると見込まれており、国民一人あたりⅠ千万円を超える借金を負っているという主張です。
 しかし、この主張は本当に正しいのでしょうか。まず、経済学的視点からすると、マクロ市場では、リスク要因に対しては保険の制度が整っており、各国が発行する国債が債務不履行(デフォルト)になるリスクに対してはCDS(Credit Default Swap)という保険制度が世界的に普及しています。世界主要20ヶ国の5年国債のCDSレートを比較してみると、最もレートが高い、つまりデフォルトリスクが高い国がトルコで、逆に最もレートが低いのがスイスです。日本は、イギリスと同レベル、アメリカ、カナダ、フランスなどよりも低いレート、つまりデフォルトリスクはないと市場は判断をしているのです。財政破綻の主張は、20年以上前から展開されてきているのですが、今までその懸念が顕在化したことはないのです。
 もうひとつ会計学的視点からも、デフォルトリスクは低いと言えます。会計学では、貸借対照表で企業や国の財政の健全性を判断します。負債の金額の大きさだけで判断するのではなく、その負債に対比される資産の額を見て、負債の金額がより資産の金額が大きければデフォルトリスクはないと判断をします。企業や国の規模が大きくなれば、負債の金額は当然大きくなります。その金額だけをみてデフォルトリスクが高まるというのであれば、会社や国の財政規模が高まれば高まるほどデフォルトリスクが高くなるという結論になってしまいます。問題となるのは、大きくなった負債以上に資産の金額が大きくなれば何の問題もないのです。貸借対照表は、企業においては作成が義務化されていますが、近年は国や司法自治体でも貸借対照表を作成・公表しています。そのデータを見れば、日本国は、負債の金額以上に多くの資産を保有しており、貸借対照表上でも健全なのです。ということは、日本の財政状態は、危機的な状況ではないということです。
 今の日本、財政健全化を目指すために国民に切り詰めた生活を求めるリーダーを選出するのか、それとも経済成長を優先して活性化させる政策を行う新たなリーダーを選出するのか、重要な岐路に立ちそうです。

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