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音楽作成

1.はじめに

そもそも音楽と呼ばれるものがいつから始まったかというと確かなことは分かりませんが、

・動物の声を真似することから始まった

・歩いたり、石器を作ったりするときのリズムから始まった

・遠くに音を伝えるときに使ったものが楽器になった

などが考えられますが、確かなことは分かっていません。

今回は音楽の歴史をざっくりとみていきたいと思います。

2.古代の音楽

・メソポタミアの音楽

 世界で最も古い文化の一つであるメソポタミア文明の遺跡ではハープや笛、太鼓などを演奏している人の姿を刻んだレリーフ(浮き彫り細工)が発見されていますが、楽譜は残っていないため、どんな曲を演奏していたかはわかりません。

・古代エジプトの音楽

 エジプト文明ではすでに紀元前3000年前から儀式や祭りの時に盛んに音楽が演奏されており、ピラミッドからも様々な楽器が見つかっており、壁画には象形文字で書かれた楽譜も残されています。

・古代ギリシャの音楽

 ギリシャでは紀元前1000年ごろから音楽が盛んに行われており、教育においても哲学・文学・体育とともに重んじられていた。また、音楽の理論的研究も行われ、音階やリズムの種類が整えられました。さらに、この頃から合唱隊が結成されておりオペラを生み出すきっかけになりました。

3.中世・ルネッサンスの音楽

5世紀頃から15世紀頃までの約1000年間、キリスト教が幅広く信仰されておりキリスト教会を中心に発達していきました。

 教会には人々が集まり、神を褒め称える歌を歌うようになりました。6世紀の終わり頃にはローマ教皇のグレゴリウス1世は各地の聖歌を集めて形を統一しました。これはグレゴリオ聖歌と呼ばれています。グレゴリオ聖歌は、最初は歌詞の上の天夜戦で歌い方を示しているだけでしたが、やがて横に線を引くようになり、本数も4本に増えたことで正確な音の高さを表せるようになりました。

 9世紀頃にはオルガヌム(1つのメロディーにもう1つメロディーを重ねて歌う)という方法が生まれました。そして、幾つものメロディーを重ねる多請声音楽が発達していきました。

4.バロックの音楽

 17世紀から18世紀にかけてバッハ・ヘンデルなどが活躍した頃で器楽曲が発達し声楽曲も大編成になりました。

 そもそもバロックという言葉は、形の悪い真珠という意味でした。なぜそのように呼ばれたかというと昔のルネッサンスの芸術と比べて、型式から抜け出した自由な表現をするようになったからでした。

・合奏協奏曲

 弦楽器を中心にチェンバロ(撥弦楽器…ギターなどと同じ仕組み)を加えた編成で、合奏と独奏が交互に演奏される合奏協奏曲が出てきました。

・オペラ

 16世紀末に、フィレンツェの貴族の家に集まった詩人や音楽家たちが古代ギリシャ劇を真似て作った音楽劇から始まりました。17世紀に入ってからフランスやドイツにも広まりました。

代表者としてバッハをあげておきます。

・バッハ  1685〜1750

 宮廷や教会の音楽家として勤め、オルガン奏者として、また作曲家としても優れた才能を持ち、カンターラ(楽器の簡単な伴奏がついて独唱、重唱、合唱する声楽曲)・オラトリオ(宗教的な物語を表す声楽曲)・協奏曲・管弦楽曲などの様々な種類の曲を作曲し、ヘンデルと並んでバロック音楽を完成させました。のちに音楽の基礎を作ったことから「音楽の父」と言われています。

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5.古典派の音楽

 18世紀中頃から19世紀はじめにかけて、ウィーン(オーストリア東部の都市)を中心にモーツァルトやベートーベンたちが活躍していた頃で、それまで主に宮廷や教会のものであった音楽を一般の市民も聴くようになり、弦楽四重奏や協奏曲盛んだった時期を古典派といいます。

 古典とは、ここでは古い書物という意味で、特にギリシャ・ローマの文芸を指し、17世紀頃から文学の分野でギリシャ・ローマの文芸のもつ調和のとれた形式の美を見習おうとする運動が起こり、美術や音楽の分野にもこの考え方が広まりました。古典派という言葉は芸術全般に使われています。

 代表者としてモーツァルトをあげておきます。

・モーツァルト  1756〜1791

 宮廷の音楽家の息子として生まれ、5歳でピアノ曲を作曲しています。音楽の「神童」とたたえられ、あらゆる音楽の形式や音の響きを使いこなして上品ですっきりした美しさのある音楽を作りました。35歳の若さで亡くなりましたが、数多くの曲を残しています。

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6.ロマン派の音楽

 音楽家が自由な立場で個性のある音楽を作り、それまでの形式にとらわれないで自由に作曲しました。これをロマン派の音楽といいます。

 ロマン派という言葉は、中世の騎士の物語のような恋愛や空想、夢そして冒険を内容とする物語「ロマンス」に由来しています。作曲者たちは芸術上のいろいろな事柄のうち、特にロマンチックなものに光をあてて、輝かしい作品を作りました。

・詩と音楽の結晶 リート

 古典派の頃までは歌曲というとオペラ・オラトリオ・カンタータが歌われる声楽を指していました。ロマン派の時代になると作曲家が詩人の詩をもとに、人生の喜びや悲しみ、そして理想までも表そうとする芸術的な歌曲に成長させました。これをリートと言います。

 代表者としてショパンをあげておきます。

・ショパン  1810〜1849

 子供の頃からピアノの才能を持ち、ピアノ作品を集中して作曲し、それらは独特な装飾音や自由にゆれるテンポで表されていて、「ピアノの詩人」と言われています。代表作: ピアノソナタ変ロ長調「埋葬」、前奏曲「雨だれ」

他にもこの時代には多くの作曲家が生まれました。

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7.国民楽の音楽

 自分の国の古い伝説・歴史・風土・国民感情を強く表そうとしたり、民謡・舞曲などをもとに芸術的な音楽を生み出しました。特にロシア・ボヘミア・北欧で盛んになりました。

 代表的な作曲家としてチャイコフスキーがいます。

・チャイコフスキー  1840〜1893

 ヨーロッパ風の洗練された音楽を作り、ロシアの豊かな民族性とヨーロッパの技法を結びつけ、叙情性あふれる曲を残しロシア最大の音楽家と言われています。代表曲: バレー組曲「白鳥の湖」「くるみ割り人形」、交響曲第6番「悲愴」

8.近代・現代の音楽

 光や風、海など自然から受ける印象を色彩豊かに表現する印象派の音楽が現れ、美しい感覚の世界を広げました。今までの長調と短調に代表される調整を持たない無調の音楽や十二音音楽が生まれました。

 さらに新しい音楽を求めて、電子音楽やミュージック・コンクレート(音響、録音技術を使った電子音楽)などが現れました。

 代表的な作曲家としてハチャトリアンがいます。

・ハチャトリアン  1903〜1978

 自分の生まれた地方の民族音楽を取り入れ、民族的で力強いリズムに溢れる音楽を作りました。代表曲: バレイ組曲「ガイーヌ」、「ピアノ協奏曲変ニ長調」

 また2000年代に入ってくると誰でもパソコンで好きに音楽を作れるようになりました。さらに2007年にはヤマハが開発した音声合成システムvocaloidにより複数の女性の歌声を合成したバーチャルアイドルキャラクターの初音ミクが生まれ、ニコニコ動画をはじめとする動画投稿サイトに次々と投稿されたことで人気に火がつきました。初音ミクを皮切りに年々多くのボーカロイド曲が作られています。

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9.昔と今の音楽の違い

 昔の音楽は、どこか予定調和でした。これは聞いていて心地よく自然なリズムの音楽です。一方で近年の音楽は不安定で、不調和の要素が多く盛り込まれています。これは変則的なリズムや歌詞が多くなっています。そうした曲が流行する原因は「現代人の脳が変化を求めているから」ということが挙げられます。どちらが良いかというのは人それぞれですが、不調和的な音楽は脳への刺激が強くストレスになりやすいので、たまには昔の曲を聴くのもいいかもしれません。

 

 

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