怪獣に学ぶ

「キミは明日、怪獣と戦っていただきます」

もしもこんなふうに宣戦布告をされれば、約束の時間までに準備をすることができる。

相手の攻撃をかわす盾を選び、こちらから仕掛けるための武器を買い、長旅に備えて食糧も調達する。
お金も、必要ならば揃えるかもしれない。

だけど実際に、こんなことはない。いや、怪獣と戦っていただくことじゃなくて、宣戦布告のこと。

「来週これだけの記事をお願いします」という依頼に対して、わたしたちができることと言えば、パソコンや本でリサーチをしたり、ワードやメモ帳なんかにカタカタ入力したり、誤字をチェックしたり、そうしてできたものを納品したりすることくらいだ。

盾もない。武器もない。

ライターに、怪獣の例のような「宣戦布告」は巡ってこない。

めぐっては来ないけれど、いつも、試されているのだ。だから、つねに武器を用意しておかなければならないのだ。いつでも闘える、そんな準備をしておかなければならないのだ。

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