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ラピッド・スピード・ストーリーズ

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ハイテンポな痛快娯楽パルプ小説集。派手なアクションが多め。メインコンテンツ。
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2020年6月の記事一覧

なんでも屋は燃え尽きない 二日目後半

三本目の煙草を吸い終わった後も、状況はたいして変化していなかった。 俺は相変わらずカウンターの影にしゃがみ込み、銀行強盗達は各々の仕事に精を出し、客の半分は不安そうに辺りを伺い──スマホを禁止されているから禁断症状が出ているのだ──残りの半分は雑誌を読むか寝るか、俺みたいにボケっとしている。 そして、仮称ヤエ爺さんは待合所の椅子におとなしくして座っている。 「おじいさんって何してる人?」 隣でおとなしくしているヤエに聞いた。 「毎日家にいて、盆栽の世話したりお茶飲んだり

なんでも屋は燃え尽きない 二日目前半

翌日はとても爽やかな目覚め。 やかましい着信音も、やかましいお子様/ヤエと言うなの亡霊のわめき声もない、至って平和な一日の始まりだった。 「おはよう。さあ、早く私の依頼を済ませて頂戴」 平和な一日が終了した。 ここは、たちの悪い悪魔が笑う街、ロストエンジェルス。 自分に活を入れ、シーツを身体からのけて、ベッドから立ち上がり、軽いストレッチで身体のコリをほぐす。まあ、爽やかな目覚めであることは変わりがない。 最後に大きな伸びをした時、昨日と同じように宙に浮いているヤエと目

ぴ~すふる その9

前回のあらすじ カフェイン(???/今は犬)のアジトにタロー(少年/人)と マッドも博士(青年/人)、おまけでユッキーちゃん(ユキコ/人)が集まった。 次に行っちゃう 初めから =>[カフェインのアジト] 「……ということです」 「なるほど。それなら……ということかな?」 「はい……それが……」 「ふむふむ……」 「暇だぜ」  タローはサイダーを呷った。視線の先、脱出船の前でマッドも博士とカフェインが話し込んでいた。  あの後(前回冒頭または前回末尾)五分程経過した