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ラピッド・スピード・ストーリーズ

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ハイテンポな痛快娯楽パルプ小説集。派手なアクションが多め。メインコンテンツ。
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2020年5月の記事一覧

なんでも屋は燃え尽きない 一日目

「残念だけど、楽しいお遊びもこの辺にしておこうかな。僕も色々忙しいんだよね。何でも屋君、死んでも化けて出ないでくれよ」 豚野郎は下卑た笑みを残し部屋を出ていった。 残されたのは俺だけ、聞こえてくるのは俺の息遣いのみ。静かなもんだ。 死刑囚が座らされるようなイスに座り続けているせいで尻が悲鳴を上げている。しかし、両手は肘掛けに手錠でガッチリ。両足も何かで固定されているせいで動くことができない。ガチャガチャ。ほらな? それじゃあ、大声で助けを叫ぶか? まあ、無駄だろう。豚野

ぴ~すふる その8-2

前回のあらすじ 『マッドも博士』 いつも白衣を着ているもやしメガネ。殆どの時間を自室にこもり、変なものを作っていて、その事をよく街の子供たちにからかわれている。 HPの上限は低いが、マイナスになってから粘るタイプ。 次に行っちゃう 初めから  ユッキーちゃんは、背を崖に預けて、手足を前方にだらしなく伸ばしている。頭から垂れた麦わら帽子が顔を隠している。凡庸な表現だが、陶器のように白い──日焼け止めを塗っているのでどれだけ日に当たっても焼けていないのだ──肌は、土と汗で汚れ

ぴ~すふる その8-1

前回のあらすじ 小難しい説明パート(二回目)でした。 次に行っちゃう 初めから 「博士、おい博士。……だめだ、完全に伸びてる」タローは┐(´д`)┌のポーズをとった。  カフェインは心配そうに、直立不動体制で仰向けに倒れていて白目向いて気絶しているマッドも博士を見た。「申し訳ありません」 「カフェインのせいじゃねーぜ」とタロー。 「ねえ、あの銀色のやつ何? ──あっ、わかった! 空とぶ船ってやつね! これで、他の世界から来たんでしょ! ちょっと、私も乗りたいんだけど、もし