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このご時世、路地裏に転がる別に死体なんて珍しくない。 それは誰でも知っているし勿論俺も知っている。何しろこの一週間で三体の死体を見たんだ。こんなことは日常茶飯事だ。前の戦争で世界中の大都市が破壊された中、奇跡的に破壊を逃れた数少ない都市のひとつ『ニューサンジェルス』には日々世界中から多くの人間が入り込み、同じぐらいの数の人間が死んでいく。だからこれぐらいがちょうどいい。 俺もいつか、この都市でくそったれな死に方をするだろう。例えばゴミだらけの路地裏とか、底の見えない