シェア
熱にうかされた太陽の周りを地球が回転をし始めるて何億回目。地平線から太陽が顔を出し、飢えた鳥がけたたましく鳴きわめきながら森から街へと飛びたつ早朝。地表には地獄の釜から漏れだしたような生ぬるい風が這い、コンクリートロードの上で朽ち果てているしゃれこうべがケタケタ笑いながら転がっていく。ここは特に筆頭とするモノのないありふれた田舎町。 ◆ とあるボロアパートの204号室にその男は住んでいた。外見は30代なかば、ボサボサの髪にほったらかしの無精髭。首元がたるんだ水色のパジ