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ラピッド・スピード・ストーリーズ

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ハイテンポな痛快娯楽パルプ小説集。派手なアクションが多め。メインコンテンツ。
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2018年1月の記事一覧

バウンティハンター・キル・タケダ

1 「あんた、キル・タケダだよな! 殺ってほしい奴がいるんだ!」  この街唯一の酒場で、スマッホをいじりながらのんびりとしていた俺の前に薄汚れた小僧は開口一番そう言った。 「人違いだ小僧、さっさと失せな」俺は顔も見ずに言った。 「違ってないよ! ほら」そう言って小僧は、手に持っていたスマッホの画面を俺に見せた。それはハンターズギルドの公式HPで、登録者一覧の中にいる俺が表示されていた。  〈キル・タケダ〉ピストルとニポントウを使うバウンティハンター。早打ち。不誠実。腕

バウンティハンター・キル・タケダ   ズンビー・パニック・ナウ!

1 「aghhhhhhhh!」BANG!俺は扉の影から飛び出してきたズンビーの頭をリボルバーで撃ち抜いた。ズンビーは緑色の脳を撒き散らしながら倒れた。俺はリボルバーを構えたまま酒場の中に入りクリアリングをした。「クリア!」「OK、後ろも大丈夫だ」俺の後ろを警戒していた男が返事をしながら室内に入り扉を閉める。 男の名はダニエル。このビズンシティの保安官らしい。このズンビーだらけの。いや、少し前まではズンビーなんていなくて、皆が平和に暮らしていたらしい。当たり前だ、ズンビーな

ザシキワラシ・バーサス・トイレットガール

「やってやるよ!このメスガキ!xxxxしてxxxxした後にxxxxしてやる!」  俺はびしょ濡れで、ガキがいた最上階の窓に中指を立て吠える。あのメスガキ、この俺をコケにしやがって。絶対に不幸にしてやる。窓の向こうではそんな俺を嘲笑っているかのように水柱がゆらゆら揺れている。舐めやがって。  事の始まりは少し前。ファッキンストーカーメリーとの死闘で拠点を失った俺は新たな壁と屋根がある拠点を探して当てもなくぶらぶら歩いていた。小学校の脇に差し掛かったところ、突然大量の水が降り