劇団道学先生『梶山太郎氏の憂鬱と微笑』感想※ネタバレあり

劇団道学先生 旗揚げ25周年記念公演
『梶山太郎氏の憂鬱と微笑』

ただ生きるということが、こんなにしんどいのは、人間だけだろうな。それはきっと、過去の栄光をもう一度手にしたい、お金や夢を勝ち取りたいという欲望を、人はいつまでも抱き続けているからだと思う。そういう意味では、邪念を持ちすぎていない、田中真弓さん演じる主婦が、1番充実しているように見える。呼吸してるだけで幸せを感じられるようになれば、もっと単純に気楽に生きられるのにな。

田中真弓さんは、ルフィのときとは声が全然違って、本当にどこにでもいる主婦を演じられていたのが印象に残っている。

妻が居なくなるかもしれないと知り、仕事も、支えてくれる人も失いそうになったときの、梶山太郎の涙は切ない。

生き方の違う12人、それぞれが抱える葛藤は切実なものだが、笑えるシーンが多々あって、重くなり過ぎない展開が楽しかった。最後に皆で歌うシーンは、しんみりした空気を前向きにする役目を果たしていて、とても良いなと感じた。

最後まで読んでいただきありがとうございます。 これからもいろいろな作品・体験に触れ、日々の活力にしていきたいなと思います。よろしくお願いします。