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⑼ 11月7日最後の診察②

診察が終わり

ありがとうございますと伝え
外していた帽子を手に取り
ドアを開けると、

次の順番は さっきの顔見知りの方だった。

とっさに持っていた帽子を
急いで被りたかったが
上手くいかず、
その場で看護師から採血の説明があったので
あたふたしたまま、無理やり被り直す。



説明にありがとうございました と言って
顔も上げられず
そそくさと立ち去る自分が
やっぱり少し 情けなかった。





採血に向かうと
ここ最近 立て続けに何日も、
何回も打ってできた
針の跡とアザをみて
担当になった看護師さんが労ってくれた。




結果を待つ間、彼に電話をかけようと思い
1階まで降りて自動扉を出た。

外は季節外れの温度で、
日差しが暑かったので陰を探した。






一通り報告すると、
彼は自然排出に全然納得出来ていなかった。
私が家にいる事が心配のようだ。

私の気持ちはそういう段階になかったので
医師と同じ説明と、
彼に伝わる言葉ををプラスし
また終わったらかけます と言って切る。


さっきから やたらと喉が渇いていたので、
院内のコンビニで
すごく久しぶりに
冷たいカフェオレを買い、
一気に飲み干す。

冷たい+カフェインという
少し罪悪感のあるものを

飲める、えーい飲んでやる、飲んだんだ
というこの複雑な気持ちは
私にしか分からないだろうなぁ。



クールダウンし 再度診察に向かった。




血液検査の結果は分かってるのとほぼ同じだったが、せっかくなので
体質的にも気になる鉄の数値を聞く。
私の曖昧な伝え方で
聞きたかったフェリチン値はわからず、
赤血球の数値は35で正常だそうだ。




今はまだ、いつなんて分からないけれど、
これからは
小さなことでも 聞きたい事を
誰にでもはっきり聞けるようにする。

流されず、私の意思を大切にすること
をしたいなと
こんな事だけど 思った。



今は聞き返すような そんな気力は無いので、
ありがとうございますと言って
診察を終えた。


ちょうど良いタイミングで連絡があり、
外に出て そのまま
彼の迎えの車に乗り込んだ。

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