「うどんZONE」2022年6月22日(水)
みなさんは「ゾーン状態」というものをご存知だろうか?心理学的には「フロー」とも呼ばれている状態。バスケ漫画『黒子のバスケ』では「ゾーン」が鍵となっており、私個人ではそこで初めて知ったと思う。
ゾーンが何か。まぁわかりやすく一言で表すなら「超集中状態」のことだ。ゾーンはアスリートによく起こるのだが、その状態に入ったとき人は「集中力が極限まで高まる」「感覚が研ぎ澄まされる」「疲れにくくなる」「高揚感」などの効果を得ることができる。
まぁ、なぜ俺がこんなに親切に説明しているかと言うと、今俺がそのゾーン状態に突入しているからだ。
フードコートでうどん食べてるだけなのに。
はっきり言って意味が分からない。何がきっかけになったのかは分からないが心当たりがあるとすれば味に集中しようと思ったからかもしれない。
などと思索に耽りながらうどんを啜る。麺のコシ、出汁の風味、ネギの香り、天かすの食感、七味の辛味。すべてを五感で感じる。出汁が食道を通って体を流れるのが手にとるようにわかる。時間がゆっくり流れる。自分がどのような状態にあるか客観視ができる。フードコートの雑音はいつのまにか静寂へと切り替わっていた。隣の男子高校生の会話もまるっきり聞こえちゃいない。ただ、うどんを啜る音だけが耳元で響いている。全ての集中が味に注がれる。
でもなぁ〜!ただうどん食ってるだけでゾーンに入られてもなぁ〜!!讃岐の本場のうどんとかならまだしも、フードコートの○亀製麺のうどんだもんなぁ〜!いや、めちゃくちゃ美味しいけどさぁ!でも○亀製麺なんだよなぁ。
「すべての店で粉からつくる」「うどんであなたを驚かせたい」「うどんで日本を元気に」
ほら、こんなにも丸亀製麺のキャッチコピーがすらすらと出てくる。だってゾーン状態だから。
なんかもう腹立ってきたな。ゾーンってアスリートの人が試合中になるもんだろ?めちゃくちゃ練習した努力した末のゾーンだろ?なんで俺がうどん食っててなるんだよ。俺吹奏楽部だし。人生初のゾーンこれ?うどんで?フードコートってもっとこう周囲の会話も雑音も楽しむものだろ。何も聞こえねぇわ、もう。味に集中しすぎて。
ちょっと調子が良すぎて思考がフル回転しているが、まだ数秒しか経っていない。ゾーン状態だもん。まだ食い始めたばっかりなんだが、これうどんを食い終わるまで続くとしたらどうすればいいんだ。全身でうどんを噛めという天からの贈り物か?
このままゆっくりと時間が流れるなら、体感時間で1時間ほどすればうどんを食べ切れると思う。1時間ずっと全身でうどんを感じながら。これもう新手の拷問だろ。ゾーンは続く。
つらつらと何書いてんだ?
日記
うどん自体は本当に食べた。うどんを食べてるとたまに(ほんとにたま〜に)「自分がいま食堂にいて、うどんを啜っている」と客観視、俯瞰できる瞬間がある。事実の再確認に過ぎないのだけど「悟った!」みたいな感覚に近い。なんでだろうな?アレ。
与謝野晶子の音MADを大量に投稿している人がいて震撼している。一体与謝野晶子の何なんだ。音MAD自体がやけに良質なのも「墓荒らし」タグがついているのも「投稿者は与謝野鉄幹の亡霊か?」と言われてるのも「与謝野晶子は肉声を残したばっかりに人力ボカロにされた」と言われてるのも全部面白い。
日記終わり。さようなら。
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