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お城のトビラ

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日本各地のお城を収録。現存天守から復元・復興天守に大名庭園といろいろ。
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2024年3月の記事一覧

妹島和世さんと小笠原家書院・資料館 【SANAA】 長野県飯田市

なんでこんな所に?という不便な場所にあるカッコいい建築(器の役割を果たしてないモノはちょっと違うけど)。 例えば建築家のキャリア初期の作品(依頼主をあまり選り好みできない?)で、後に建築家の知名度が上がるケース。 もしくは予算充分の変わった依頼主が、どうしてもその土地に建てたくて著名建築家に依頼するケース。 ココ小笠原資料館は後にビッグネームとなる建築家の手による建物ですが、その土地にとって必然性のある要素を選択した結果です。   信濃の国(長野県)は室町時代に小笠原氏が守

蒲生氏郷と千利休そして龍造寺 茶室麟閣・興徳寺 福島県会津若松市

東北は冬だと自走派には行きにくい場所。天気が良ければ可能かもしれませんが、防寒フル装備の長距離はいろいろ疲れます。雨ならそれほど問題にしませんが(気分は多少下がる)。 東北にはかつて大藩が幾つかあり、幕末まで存続した地域には独自の文化が根付いています。今回の会津編ではあまりメジャーとは言えない人物を中心に。(ただし夏の話)   福島県の旧国名は陸奥。ざっくりしすぎか広すぎたのか、現在は青森、岩手、宮城、福島の4県に分かれています。そして福島は浜通り・中通り・会津と3つの地方

山内家土佐入り 前章 【掛川城・油山寺】 静岡県掛川市・袋井市

日本各地に残るお城。地域のおすすめ観光地として各メディアで取り上げられています。江戸時代(以前のモノもあり)に築かれた現存天守のあるお城は12城。お城好きにとっては別格扱いのお城で、国宝か重要文化財指定されています。だいたいハシゴのような階段を上るコトになります。 明治以降に多くの天守が取り壊されますが、太平洋戦争で焼失してしまった残念なお城(名古屋、和歌山、岡山、広島等)もあります。 そして戦後に地域のシンボルを再び的なカンジでコンクリート造りのお城が量産されました(資料館

土佐山内家巡礼 高知城・県立歴史博物館・山内家宝物資料館 高知県高知市

「遠流の地 土佐」。佐渡や隠岐といった離島と同じく、重罪の流刑地のことです。京都から遠く離れた地へといういわゆる島流し。死罪に次ぐ重い刑です。知ったのは高知県立歴史民俗資料館での特別展(現地には行けなかったので後日図録を入手)。ちなみに律令制では東日本の常陸、安房、伊豆(現在の茨城、千葉、静岡)も遠流の対象地域でした(源頼朝の配流地といえば伊豆)。過去にはそんなネガティブな土地だった高知。 一般道を使って高知を目指すと、どのルートも気持ちいいワインディングが続き楽しめます。た