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#33自家製剤加算(後編)

///////////////////以下、動画内容////////////////////////////

皆さんこんにちは、チャンネル運営者のSATOUです。

今回は自家製剤加算の後編として実際の処方例を交えながら前編でお伝えしきれなかった部分の補足やちょっとした応用編についてもお話していきます。

特に実務において役に立つこともあるかと思いますので、是非最後までご視聴いただけると嬉しいです。

それでは、早速本編に入りましょう!

まずは次の処方例が自家製剤加算を算定できるかどうかを考えてみます。

(例3)
マイスリー錠10mg 0.5錠
1日1回 就寝前 14日分

処方内容の通り 0.5錠 とありますので医師の指示に基づくと判断します。

続いて割線の有無ですが、次の絵をご覧ください。

マイスリー錠10㎎添付文書

こちらはマイスリー錠10mgの添付文書の中に記載されている組成・性状の一部分です。
剤形の所に割線という記載がありますので割線ありの錠剤です。

最後に【例外】の1つ目● 調剤した医薬品と同一剤形及び同一規格を有する医薬品が薬価基準に収載されている場合

に当たらないかを確認しますとマリスリー錠10㎎を半錠にした医薬品と同一剤形、同一規格を有する医薬品としてマイスリー錠5mgという医薬品が存在します。

こういった場合は、例外1にあたりますので自家製剤加算を算定できません。

また、マイスリー錠5mgにはジェネリックも多数存在しています。先発品だけではなくジェネリックでも同じ成分で同じ規格がある場合には自家製剤加算を算定できないので注意が必要です。

続いては、自家製剤加算の算定ができる例として実際に処方例と調剤報酬点数表をみながら具体的な算定の方法をみていきます。

(処方例1)

Rp1)
カルブロック錠16mg 1錠
1日1回 朝食後 30日分
※上記粉砕

こちらの処方例は#32の動画で自家製剤加算を算定できるものとしてお話しました。

それで、処方例1の場合は用法の部分から内服薬であることがわかります。
また、剤形は錠剤を粉砕しているので散剤としてみるのが適しているかと思います。

次に調剤報酬点数表を確認しますと

自家製剤加算

内服薬の錠剤や散剤は表の一番上の部分に当たります。
それで、点数の所をみますと※印20点とあります。

内服薬の自家製剤加算は7日またはその端数を増すごとに点数が増えますので、内服薬の場合は投与日数も確認する必要があります。

一度、処方例に戻りまして、、、Rp1)の投与日数は30日分ですので、、、

30日分÷7=4.28 で切り上げて5と考えます。
20点×5=100点が処方例1の自家製剤加算の点数となります。

少し復習になりますが、、、

処方例1の調剤料もみてみますと

内服薬2020改定後

ご覧のように内服薬の調剤料は77点です。

それで先ほど計算した調剤料の加算である自家製剤加算の点数は100点でした。
それで調剤料の加算点数をレセプトに記載する際には略号も記載します。
自家製剤加算の略号は赤丸の部分となります。(自)


ですのでレセプトに記載する時は

画像6

調剤料の欄に77
加算料の欄に(自)100

以上のように記載することになります。

続いて処方例2を見ていきますと

(処方例2)
Rp1)
ワーファリン錠0.5mg 0.5錠
1日1回 朝食後 10日分
(予製剤を使用)

こちらの処方例も#32の動画で自家製剤加算を算定できるものとしてお話しました。

それで、処方例2で予製剤を使用したものとして計算してみます。。。
まずは、用法の部分から内服薬であることがわかります。
また、剤形は錠剤で投与日数は10日分です。

次に調剤報酬点数表を確認しますと

自家製剤加算

内服薬の錠剤は表の一番上の部分に当たります。
それで、点数の所をみますと※印20点とありますが、今回は予製剤を使ったものとしますので、その右側にある()内の点数4点を計算で使います。

内服薬の自家製剤加算は7日またはその端数を増すごとに点数が増えます。処方例の投与日数は10日分でしたので、、、

10日分÷7=1.42 で切り上げて2と考えます。
予製剤の場合は()内の4点を使うので
4点×2=8点が処方例2の自家製剤加算の点数となります。

それで、通常の自家製剤加算の略号は(自)でしたが予製剤の場合は(予)
となります。

参考書によっては略号の書き方が四角で囲まれた、、、このような形で書かれていることもありますが、僕の薬局でレセプトをプリントアウトするとカッコ書きで記載されているのでこの動画では(自)や(予)という形で統一させていただきます。

資格試験などでは問題文に従う形にすると良いのかと思っています。
先ほどの処方例2に戻りまして「予製剤を使用」などといった記載が問題文に含まれるはずですので見逃さないようにして計算する必要があります。

処方例1と処方例2では、内服薬の点数についてでしたが、それ以外の頓服薬や液剤、外用薬に分類される薬品に関してはそれぞれ点数が固定されていますので投与日数や回数にかかわらず1調剤につき決められた点数を算定することになります。

例題として最後に処方例4を見てみましょう

Rp1)
A細粒        0.5g
B液         5mL 
1日2回朝夕食後  3日分(混合する)
(A、B両成分を含有する液剤は薬価基準に収載されておらず、ABの混合は配合変化などの問題がないものとする)

まず、注目する点としては(混合する)という部分です。
この場合、A細粒という粉薬だったものがB液と混合することで、剤形が粉から液剤へ変わることになります。

薬の剤形が変わるような調剤をした場合でも自家製剤加算が算定できます。
その際、最終的な剤形に注目してA細粒とB液を混合してできた薬品は液剤として考えます。

自家製剤加算

ですので、調剤報酬点数表を確認しますとRp3の場合は内用薬の液剤にあたり45点を算定することができると考えます。

以上が自家製剤加算の具体的な算定例となります。

最後に補足について

(補足)

自家製剤加算の錠剤を半分に分割する際には添付文書で割線の有無を確認した方が確実です!というお話をしてきましたが、、、

一応、添付文書とは?医薬品に添付されている、使用上の注意や用法・用量、服用した際の効能、副作用などが記載されている書面のことです。
実際の商品(写真)の箱を開けますと必ず中に添付文書が入っています。

それで、いまご覧いただいているのはワーファリン錠の添付文書です。
それぞれの添付文書の製剤の性状のという項目をみますと、剤形の部分に(割線入り)という記載がありますのでそちらで割線の有無を確認することができます。

時々、錠剤の見かけ上は割線があるように見えても実際はただの模様で割線ではないとする薬品もあるのでちょっとマニアックですが、注意が必要です。
有名な所ですとメイラックスという錠剤は割線模様があるけど実際は割線ではないという見方をするようです。

自家製剤加算の半錠分割については割線無しでも算定できる!とする見方も今現在はあるようなのですが、この動画では基本事項である割線ありの場合についてお話させてもらいました。

おそらく資格試験においては割線ありの基本だけ抑えておけば問題ないのではないかと個人的には思っています。
また、実務においては自家製剤加算を取るかどうかを自分で判断するのが難しい場合には調剤した薬剤師の方に判断を任せてしまうというのも一つの方法かもしれません(笑)


それでは今回は以上となります。

最後までご視聴いただきありがとうございました。


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