#26調剤報酬の算定☆調剤料☆「1剤」の考え方 調剤薬局事務向け
▼以下の文章は動画内容を文字おこししたものです。
////////////////////////以下、動画内容/////////////////////////////////////////////
突然ですが、問題です。
(問1)
内服薬の調剤料は、1調剤につき算定できる点数で受付1回の処方につき3調剤を限度に算定できる。(○か✖か?)
(問2)
注射薬の調剤料は、処方箋の受付1回につき3調剤を限度に算定できる。(○か✖か?)
(問3)
外用薬の調剤料は、1剤につき算定できる点数で受付1回の処方につき3剤を限度に算定できる。(○か✖か?)
それでは答え合わせです。
正解は問1~問3まで全て×となります。
簡単に解説しますと
問1の文章は内服薬ではなく外用薬の調剤料の説明で、外用薬の調剤料は1調剤につき算定できる点数で受付1回の処方につき3調剤を限度に算定できる。ことになります。
問2の注射薬の調剤料については、前半部分の処方箋の受付1回につき算定できる点数という所は正しいのですが、調剤数に関わらず受付1回につき算定するので「3調剤を限度に」という後半部分が誤りになります。
それで問3の文章は内服薬の調剤料の説明で、内服薬の調剤料では、1剤につき算定できる点数で受付1回の処方につき3剤を限度に算定できる。ことになります。
今日の動画では問題文にも出てきました「1剤」「1調剤」の違い、考え方について実例も交えながらお話していこうと思います。
#23の動画でお話した受付回数の考え方の時と同じように 「1剤」「1調剤」の考え方は、調剤報酬を算定する上で必要となる調剤料を学ぶ際に必ず必要な知識となります。
実際に調剤報酬点数表を見ますと「調剤料」の各欄に「1剤につき」「1調剤につき」「受付1回につき」それぞれ何点といった形で記載されておりますので重要性がわかっていただけるかと思います。
今回の動画を見ることで冒頭の問題にでてきた「1剤」や「1調剤」の違いも理解することができると思いますので是非最後までご視聴していただき今後、学ぶことになる調剤料の基礎知識を身につけていただければと思います。
このチャンネルでは調剤薬局事務の勉強をこれから始めるかたや実際に薬局勤務している初心者の方に向けて情報をお伝えしていきます。
先ほどのような問題の解説動画も今後増やしていければと考えていますので是非チャンネル登録お願いします。
それでは早速いってみましょう!
「1剤」とは?
出来るだけ簡単に説明しますと、「1剤」とは、内服薬の調剤料を算定するときに使う基礎となる単位のことです。
それで、この基礎となる単位のことを”所定単位”と言ったりします。
この「1剤」というのは内服薬の調剤料を算定するときだけにでてくる言葉なのですが、実務においてはおそらく一番使われるのが内服薬の調剤料だと思いますので調剤事務の方にとってはとても大事なキーワードです。
・「1剤」についての【基本事項】
まず、最も重要な考え方として
●処方箋の受付1回につき、服用時点が同一であるものを「1剤」とする。
それで、服用時点が同一であるという例としては「毎食後」「朝夕食後」「就寝前」などがあげられます。
つまり、薬を飲むタイミングが同じ場合は「1剤」と考えます。
また、薬が2種類以上ある場合でも服用時点が同一であれば「1剤」となります。
こちらは具体例をあげて後程説明しますのでまずはこのまま動画をご覧ください。
繰り返しになりますが、(●処方箋の受付1回につき、服用時点が同一であるものを「1剤」とする。)これが最も重要な考え方です。
ただし、例外として次の場合は服用時点が同一であっても別剤(つまり2剤以上)となります。
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【例外】
① 配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合
② 内服用固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤等)と内服用液剤の場合
③ 内服錠とチュアブル錠又は舌下錠等のように服用方法が異なる場合
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000114871.pdf 別添3 調剤報酬点数表に関する事項 <通則> 1 ... - 厚生労働省 より抜粋
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①の配合不適というのは、2種類以上の薬剤を混ぜ合わせたときに化学変化をおこして患者さんの服用に支障をきたす可能性がある組み合わせのことです。例えば、薬の効果が弱まる、臭いが発生する、固まる、沈殿する。。。などが挙げられます。
こういった場合は混ぜずに個別に調剤して調剤報酬算定上も(1剤)ではなく別剤として算定します。
②についてはそのままですが、内服用固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤等)と内服用液剤の場合は基本的には混ぜずに個別に調剤し別剤とします。
③については、通常内服錠は水やぬるま湯と一緒にそのまま飲み込む薬ですが、チュアブル錠は嚙み砕いて服用しますし舌下錠は舌(ベロ)の下で溶かして服用しますので服用方法が異なります。こいった場合も1剤ではなく別剤とします。
それで、1剤について基礎的なことをお話するのに参考となる文章が
厚生労働省の調剤報酬点数表に関する事項〈通則〉というのがPDF形式で
ありました。原文を載せようかとも思ったのですが、難しく感じる方もいるかと思いますので僕なりに一部抜粋させてもらいながらここまでお話ししてきました。
一応、原文が載っているURLは動画の概要欄にありますので、必要な方はご覧いただければと思います。
ここまで簡単にまとめますと、基本事項として服用時点が同一である場合は「1剤」とする。。。のですが、例外として大きく分けると3つある。ということになります。
以上の基本事項と例外を元にして具体例を見ていきましょう!
【基本事項】(服用時点が同一であれば「1剤」)
(例1)
Rp1)
A錠 3錠 1日3回毎食後7日分
Rp2)
B散 3g 1日3回毎食後7日分
例1のようにRp1のAという錠剤の服用時点は毎食後でRp2のBという散剤(粉薬)の服用時点も毎食後で同一となります。例1のように処方番号が分かれていてる場合でも服用時点が同一ですのでこの処方は「1剤」ということになります。
実際に調剤を行う際に2種類以上の複数の薬剤をそれぞれ個別の薬袋に分けて調剤を行っても「服用時点が同一」であれば「1剤」として考えます。
(例2)
Rp1)
A錠 3錠
B散 3g 1日3回毎食後7日分
Rp2)
Cカプセル 2C 1日2回朝夕食後7日分
続いて例2の処方を見ていきましょう。。。
Rp1については2種類の薬剤が記載されていますが、服用時点毎食後で同一ですので「1剤」と考えます。Rp2の用法の部分、つまり服用時点の部分をみますと朝夕食後ということでRp1の毎食後とは同一ではありません。
ですので、Rp2)はRp1とは別剤となりこちらも1剤と数えます。
Rp1で1剤、Rp2で1剤なので、この処方例は合計で2剤ということになります。
ここまでが基本事項にあたる処方例となります。
次に内服薬の調剤料を算定する際には【例外】の部分にも注意を払う必要がありますので【例外】にあたる処方例を見ていきましょう!
(例3)
Rp1)
A錠 3錠
B散 3g 1日3回毎食後7日分
Rp2)
Dシロップ 3ml 1日3回毎食後7日分
まずは例の3番目の処方内容をご覧ください。調剤料の算定の場合、まず最初に注目して欲しいのが服用時点になります。
Rp1とRp2の両方とも毎食後ですので服用時点が同一なので1剤と考えるのが基本事項でしたが、、、
先ほどご覧いただいた【例外】の②を思いだして頂くと
② 内服用固形剤(錠剤、カプセル剤、散剤等)と内服用液剤の場合
この場合は服用時点が同一であっても別剤として考えます。
②の部分にありますように、錠剤と散剤は内服用固形剤になりますので
Rp1のA錠とB散は内服用固形剤ですが、Rp2のDシロップ 3mlは内服用液剤にあたるので別剤として考えなければいけません。
内服用固形剤と内服用液剤の違いを見分けるコツとしては、まず薬剤名の部分に○○シロップ、であったり××内用液といった薬剤名から判断することと、もっと簡単に見分ける方法として「ml」という単位に注目するのが良いと思います。
例の3で言いますと、Rp2のDシロップの右側にある3mlという単位の部分で内服用液剤であることが判断できます。逆にRp1の単位、錠とかg(グラム)とかカプセルと記載されているものは内服用固形剤として判断することができます。
それでこの処方例は例外の②にあたりますので、Rp1は内服用固形剤、Rp2が内服用液剤ですので服用時点が同一ではありますが、Rp1で1剤、Rp2で1剤、合計2剤であることがわかります。
続いては【例外】①の処方例を見ていきましょう!
まず、初めに例外①の内容を見返しますと
① 配合不適等調剤技術上の必要性から個別に調剤した場合
↑
この場合は服用時点が同一であっても別剤として考えます。
このことを頭において処方例4を見ていきますと、、、
(例4)
Rp1) デパケンシロップ5% 8mL 1日2回朝夕食後7日分
Rp2) ペリアクチンシロップ0.04% 15mL 1日2回朝夕食後7日分
※デパケンシロップとペリアクチンシロップは配合不適
まずは先ほどと同じようにRp1.2の服用時点を確認します。
どちらも朝夕食後となっており、服用時点は同一ですが※印にもありますようにデパケンシロップとペリアクチンシロップは配合不適にあたりますので
それぞれ別剤として考えます。
ですのでこちらの処方も先ほどと同じように服用時点が同一ではありますが、Rp1で1剤、Rp2で1剤、合計2剤であることがわかります。
最後に【例外】③の処方例を見ていきましょう!
今回も例外③の内容から見返しますと
③ 内服錠とチュアブル錠又は舌下錠等のように服用方法が異なる場合
↑
この場合は服用時点が同一であっても別剤として考えます。
このことを頭において処方例5を見ていきますと、、、
(例5)
Rp1) シングレアチュアブル錠 5mg 1日1回就寝前7日分
Rp2) アレジオン錠 10㎎ 1日1回就寝前7日分
処方例5を見ていきますと服用時点は就寝前で同一ですが、
チュアブル錠と内服錠は服用方法が異なりますので別剤として考えます。
以上、ここまで【1剤】の考え方を実際の処方例を元にみてきました。
今回1調剤の考え方までお話したかったのですが、またまた動画が長くなりそうなので次回の動画でお話しようと思います。
大事なことなので何度もお話しますが、内服薬の調剤料を算定する上で【1剤】の考え方はとても重要ですので今回お話した基本事項と例外①②③については是非覚えて頂ければと思います。
それでは最後までご視聴いただきましてありがとうございました。
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