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GⅠオークス(優駿牝馬)の有力馬考察

前回記事およびレース結果について

こんにちは、りゅうきです
先週投稿いたしましたこちらの記事『GⅠヴィクトリアマイルの有力馬考察(東京マイルコース攻略法実践編)』はもうお読みいただけましたでしょうか?最終的に考察を終えての有力馬候補とレース結果はこんな感じでした

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と、なんと最終候補馬から4頭上位独占しまして自分でもビックリしたのですが笑、2着に入った10番人気の⑧ランブリングアレーなどお読みいただいた方々にとって少しでも馬券の参考になっていればと思います。まだ読んでないよーて方はお目を通していただけますと今回の内容もなお一層ご理解いただけるのではないかと思いますし、来るGⅠ安田記念も同コースで実施されますのでぜひともご一読を・・・m(_ _)m

では早速今週末行われます、GⅠオークス(優駿牝馬)のレース考察を独自の『東京芝コース攻略法』などを踏まえながら行っていきたいと思います。

東京コース攻略法とは?

まず最初に『東京コース攻略法』とは何ぞや?から説明しておきますと、この春の東京開催時における東京芝コースの特徴・考え方を加味した攻略法になっておりまして、先週までの傾向を基に今回のオークスでもこの攻略法で攻めれば予想や馬券検討にて好結果が得られるのではと考えました。その攻略法は主に『トラックバイアス』『ブラッドバイアス』の観点から見ていきたいと思います。

ではまずは一つ目

1.『トラックバイアス』を見極めろ!

トラックバイアスとは馬場の内・外の有利不利など馬場状態による偏りやクセのことを表しますが、先週までの東京芝コースの馬場にはどういった傾向だったかというと特に先週はBコース替わり初週でややインコース有利、先行馬有利に運ぶかと予想されましたがフタを開けてみると明らかに最後の直線インコースを通ってきた逃げ・先行馬が意外と踏ん張れず、道中中団から後方に構えて最後の直線真ん中より外側のコースを通ってきた差し馬の方が好成績でした。このことはヴィクトリアマイルを制したグランアレグリアが4角10番手で直線半ばを一気の追い込みで勝利し、同じような位置取りから差してきたランブリングアレー、マジックキャッスルが2、3着になったことからもよく分かり圧倒的に差し馬に有利な馬場傾向だったと言えるでしょう。このレースの過去20年を見てみましても先行して勝った馬は17年のソウルスターリングと04年のダイワエルシエーロの2頭のみでオークス自体もほぼ毎年差し馬に有利なレースなっていると言えるでしょう。そこで今回の出走馬の中から道中は中団から後方に構えての差し競馬で実績のある馬を挙げてみますと

【中団からの差し競馬で実績のある馬】
②スルーセブンシーズ(ミモザ賞1着大外一気
③パープルレディー(ゆりかもめ賞1着)
④タガノパッション(スイートピーS1着
4角8番手
⑦アカイトリノムスメ(クイーンC1着4角5番手、赤松賞1着4角9番手)※
⑨ユーバーレーベン(フローラS3着4角10番手フラワーC3着4角8番手
⑩エンスージアズム(フラワーC2着4角6番手
⑫ミヤビハイディ(3歳1勝クラス1着4角6番手
⑬ファインルージュ(フェアリーS3着4角7番手
⑮アールドヴィーヴル
(クイーンC2着4角10番手
⑱ステラリア(忘れな草賞1着
4角6番手

と、上記10頭が該当し中でも「」印が付いている馬は同じ東京芝コースで行われたレースで好走した実績がすでにある5頭になりますので現状の馬場傾向にあった馬と言え要チェックです。そしてトラックバイアスからの流れで次に重視したいのがこちら、

2.春の東京芝コースは『持ち時計』&『上がり時計』を重視!

春の東京開催の芝コースは一年を通して一番状態もよくタイムの出やすい高速馬場になることが多いです。そんなことからも出走馬のこれまでの経験値とも言える『持ち時計』『上がり時計』は馬券につながる重要なファクターとなります。ではそれぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

『持ち時計』
とは今まで出走したレースで出した走破タイムのことで、今回は次項でお話しする『ローテーション』の項目でも好相性の『芝1,600m及び芝2,000mの持ち時計』を重要視し、出走メンバーの芝1,600mと2,000mの持ち時計を速い順で挙げてみますと、

【全場芝1,600m 持ち時計 ベスト5】
1位:⑪ソダシ 1分31秒1(阪神)
2位:⑬ファインルージュ 1分31秒2(阪神)
3位:⑦
アカイトリノムスメ 1分31秒3(阪神)
4位:⑮
アールドヴィーヴル  1分31秒8(阪神)
5位:①ククナ  
1分31秒8(阪神)
【全場芝2,000m 持ち時計 ベスト5】
1位:⑱ステラリア 1分58秒0(阪神)※上がり最速
2位:⑤クールキャット 1分59秒4(東京)
3位:⑰スライリー 1分
59秒6(東京)
4位:⑨ユーバーレーベン  1分
59秒6(東京)※上がり最速
5位:⑥ウインアグライア  2分00秒0
(東京)

と、まず芝1,600m 持ち時計の方は桜花賞を勝利した⑪ソダシの叩き出した走破タイムがコースレコードだったため今回出走しない2着馬を除く上位6着までのタイムがそっくりそのまま上位ベスト5になり、NHKマイルカップの勝ち時計が1分31秒6だったことソングラインが2着だったことを考えると桜花賞は相当レベルの高い一戦だったことが分かります。となると桜花賞でソダシ以下の着順だった馬は力関係的にも他に狙える要素がないと逆転は難しいと言えるでしょう。

次に芝2,000mの持ち時計ですが、上位5頭中4頭が1分59秒台の時計を持っており、先々週、先週と相変わらずの高速決着でしたので今回も同様に速い時計が出ると考えるならば1分59秒台の時計を持っているこの上位4頭の中から好走する馬が出ても不思議ではないでしょう。さらに⑱ステラリアと⑨ユーバーレーベンは次で述べるそれぞれのレースでメンバー最速の上がり時計で走っておりこの距離でもしっかり最後まで走ることが期待できる2頭と言えるでしょう。

次にここでいう『上がり時計』とはゴール前3ハロン(600m)の合計タイムのことでよく出馬表や出走表に記載されていたり、競馬場での掲示板で表示されていたりします。

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この『上がり時計』は何を意味しているのかというと前述通りゴール前3ハロン(600m)の合計タイムのことなのでこのタイムが速いと「最後までバテずに伸びた」ということに値します。さらによく’メンバー中最速’のような言い方や表現をすることがありますがこれは、

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のように、最近のネット系の出馬表であれば上記画像のように上がり時計表示に色付けがしてあってそのレースでの「出走メンバー中何番目に速い上がり時計だったか」が分かるようになっており、netkeiba.comさんなら速い順に黄→赤→青の順で表記してあり、競馬ラボさんなら速い順に赤→青→橙の順で表記してあって非常に分かりやすく便利です。この『上がり時計』は同じ距離のレースで34秒台で走る場合もあれば35秒台で走る場合もありもちろん同じレースであれば速いタイムにこしたことはないのですが、違うレースで同距離であれば特にそのタイム自体にそんなに意味はなく「出走メンバー中何番目に速い上がり時計だったか」の方が重要であると考えます。

NHKマイルカップやヴィクトリアマイルの週の東京芝コースの時計を見てもらえればお分かりになる通り、現状の春の東京芝コースはかなりの高速決着馬場でもちろんほとんどのレースで『メンバー最速の上がり時計』を計時している馬が馬券圏内に来ており、特に決着時計も速いということでレース自体がミドルからハイペースで流れても最後速い上り時計で走ることが求められる馬場と言えます。そこで今回の出走メンバーでミドルペース以上で流れた近走またはオープンクラスのレースにて『メンバー最速の上がり時計』を計時した馬を見てみると

②スルーセブンシーズ(前走2走前ハイ
④タガノパッション(前走ハイ※東京コース
⑨ユーバーレーベン(3走前ミドル

⑮アールドヴィーヴル(2走前ミドル
※東京コース
⑱ステラリア (前走2走前ミドル※東京コース

番外編
桜花賞(ミドルペース)の上がり時計ベスト3
1位
サトノレイナス(32秒9)
2位 ①ククナ(33秒2)
3位 ⑬ファインルージュ(33秒7)

とこの上位5頭が速い上がり時計を計時していることが分かり、中でも⑱ステラリアはデビュー以来6戦中5戦でメンバー最速の上がり時計を計時していて、同じ東京芝コースで行われた2レース共にこれまたメンバー最速の上がり時計を計時しており、同じ東京コースで上がり最速を出している⑮アールドヴィーヴルと④タガノパッションの2頭を含め今回のメンバーの中では現状の東京芝コースの高速決着馬場はもってこいのタイプだと思われます。番外編で記しました桜花賞でのメンバー中上がり時計2、3位の①ククナと⑬ファインルージュの2頭も今回1位のサトノレイナスが出走しないのでこちらも有力候補に挙げても良いかも知れません。

そして先ほど距離別の持ち時計のところで出ましたローテーションの話しを次でしておこうと思います。

3.好相性のローテーションを見極めろ!

オークスへ向けての臨戦過程としては主に桜花賞までに賞金を加算して桜花賞に出走しておくか、それ以外のトライアル戦で優先出走権を獲得して本番に出てくるかの二通りあり、過去20年馬券圏内60頭中57頭が前走桜花賞組』もしくは『前走芝2,000m組』のどちらかで95%を占めます。このデータがあったので前段の項目で『芝1,600m及び芝2,000mの持ち時計』を重要視したのですが、さらにその前走桜花賞組』中でも馬券圏内に来るには条件がありそれは『桜花賞3着以内』または『桜花賞1番人気馬』または『OP勝利馬もしくはトライアル権利馬』に限られてきます。そこでまず今回の出走メンバーでその前走桜花賞組』で『桜花賞4着以内』または『桜花賞1番人気馬』または『2走前重賞3着以内』の条件をクリアするのは、

【『前走桜花賞組』で条件クリアする馬
①ククナ桜花賞6着、アルテミスS2着※上がり時計2位
⑦アカイトリノムスメ(桜花賞4着、クイーンC1着)
⑪ソダシ(桜花賞1着
⑬ファインルージュ
桜花賞3着)※上がり時計3位
⑮アールドヴィーヴル
桜花賞5着、クイーンC2着
⑩エンスージアズム(桜花賞8着、フラワーC2着

と、前走桜花賞組からはストライプ以外の6頭がデータ上クリアしてきました。この前走桜花賞組』はローテーション的には一番信頼度の高い臨戦過程で唯一上位3頭独占を過去何度もしている黄金ローテーションと言えます。特に桜花賞当日の人気が2番人気だった馬の3着内率が高くさらに2番人気で桜花賞を勝った馬は過去20年で7頭が該当し、昨年のデアリングタクトを始め、アーモンドアイ、ジェンティルドンナ、スティルインラブがオークスを勝利し後に牝馬3冠馬にもなり、オークスに不出走だったラインクラフトとグランアレグリアもその後のGⅠ馬で、唯一馬券圏外だった2011年のマルセリーナでも僅差4着と抜群の成績を上げており、今年それに該当する⑪ソダシも臨戦過程的には勝ち馬候補の筆頭と呼べる存在で、他の桜花賞組もレース自体持ち時計も優秀(※前項参照)でレベルの高いレースでしたので3歳牝馬間での力関係的にも他の臨戦過程組よりも上位に評価して良いと思います。

次に『前走芝2,000m組』ですがこちらはある程度レースも限られていて前走が『フローラS組』または『忘れな草賞組』のどちらか(前走皐月賞組も買いだが今回は出走馬なし)で『フローラS組』は3着以内、『忘れな草賞組』は3番人気以内で1着馬のみが本番での買い条件となっており、今回の出走メンバーから当てはまる馬を見てみますと、

⑤クールキャット(フローラS1着
⑨ユーバーレーベン(フローラS3着
⑰スライリー(フローラS2着
⑱ステラリア (忘れな草賞2番人気1着)

と、ここではパープルレディーのみ該当せず買い条件からは外れることになります。さらに前走1,800m組もわずかながら馬券圏内に来ていましてそれも「スイートピーS連対馬」のみで今年の出走馬からは

④タガノパッション(スイートピーS1着

の、④タガノパッションのみが該当し勝ち時計も上がり時計も優秀なのですが3月デビューで今回が早くも年明け4戦目で前走から中2週とこの時期の3歳牝馬にはかなり厳しいローテーションとなっておりさすがに疲れが心配されます。

圧倒的に相性の良い『前走桜花賞組』以外からはこの上記5頭のみ馬券圏内には要注意の存在といえますが、過去20年で3着以内に『前走桜花賞組』が1頭も入らなかった年は1度もないことから上記5頭の中から軸馬にした場合、特に3連系馬券の相手には『前走桜花賞組』を必ず1頭は選んでおいた方が良いと思われます。

4.当日のブラッド(血統)バイアスにも要注意!

ブラッド(血統)バイアスとは血統による開催当日の偏りとかクセ、有利不利のことを表しますが、こればっかりは当日の傾向があるのでここではそもそもの東京芝2400mのブラッドバイアスを基に考察を重ねていきます。そこで2019年1月1日以降の東京芝2400mのブラッドバイアスを分析し、産駒の着回数や勝率・回収率をまとめたものを見てみますと、

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と、やはりこのコースはディープインパクト産駒が着回数で1位、勝率・回収率でも3位でキズナ産駒が勝率・回収率で1位、着回数でも9位と圧倒的に赤枠の『ディープインパクト系』が強い舞台で、産駒がデビューした以降のオークスの結果を振り返ってみても過去10回中ディープインパクト産駒が3着以内に11頭も来ておりこのレースにおいて最も馬券に直結する血統要素と言えるでしょう。次いで緑枠の『トニービン内包系』と紫枠の『ステイゴールド系』が3頭ずつ該当とこのあたりも向いているコースとも言えますね。

そしてBコース替わり初週だった先週の東京芝コースのブラッドバイアスはどうだったかというと、まず日曜日16日は時々小雨が降る程度でコンディションとしては全レース良馬場で実施され、オークスと同距離で行われた7Rでは1、3着馬がディープインパクト産駒で、ヴィクトリアマイルも3着までディープインパクト産駒が上位独占、他のレースでもディープインパクト系3頭が2勝2着1回と好相性で、前日の土曜日でもオークスと同距離の10R緑風Sでは2着馬がディープインパクト産駒で、1,800m、2,000mの2レースでもディープインパクト産駒が2勝と『ディープインパクト系』が両日合わせて11レース中8勝2着5回3着2回で勝率70%複勝率も40%超えと相変わらず圧倒的なブラッドバイアスが効いている状態でちょっと雨が降ったぐらいでは逆らえない状況でした。そこで改めて今回の出走メンバーから『ディープインパクト系』を挙げてみると、

『ディープインパクト系』
①ククナ(母父ディープインパクト
③パープルレディーディープインパクト産駒
⑦アカイトリノムスメ(ディープインパクト産駒
⑧ハギノピリナ(父ディープインパクト系
⑩エンスージアズムディープインパクト産駒
⑬ファインルージュ(父ディープインパクト系
⑮アールドヴィーヴル
(母父ディープインパクト
⑰スライリー(母父ディープインパクト
⑱ステラリア
(父ディープインパクト系

と、以上9頭が該当しディープインパクト産駒自体は3頭のみで意外と少ない印象ですが勝率・回収率で1位のキズナ産駒が3頭など『ディープインパクト系』に該当しないソダシにとってはライバルのディープインパクト産駒サトノレイナスが不在とは言え桜花賞に引き続き好敵手揃いのメンバー構成と言えるでしょう。

ただ今回は芝2,400mという距離とうことで、先週までの芝1,600mを基準としたモノとは少し違った傾向が見えてきます。それは東京芝2,000mを超える距離になると突如現れる上記の血統要素『ステイゴールド系』トニービン内包系』『Roberto内包系』の3系統です。上記の東京芝2400mの血統分析でも紫枠、緑枠で表記した2系統に最近ではある種牡馬の出現によってここに新たな『Roberto内包系』が入ってくるようになってきました。それは「エピファネイア産駒」で昨年のこのレースの覇者デアリングタクトに菊花賞2着馬アリストテレス、先日の皐月賞を勝ったエフフォーリアなどがそれに当たり、エピファネイア自身も日本ダービー2着にジャパンカップ1着など東京芝2,400mでは抜群の相性を誇っていました。『Roberto内包系』は元々ダービー馬ナリタブライアンやウオッカに代表されるブライアンズタイム系がこの東京芝2,400mコースに強い血統で最近では先ほどのエピファネイアを代表とするシンボリクリスエスやグラスワンダーを経由する『Roberto内包系』産駒も台頭してきて距離が伸びてこそ狙いたい血統の一つとなってきました。

そこで先週日曜日16日にオークスと同距離芝2,400mで行われた7Rを見てみますと、1,3.着馬は先程記したとおりディープインパクト産駒だったのですが1着馬の母父が『Roberto内包系』のブライアンズタイムで、2着馬も同じく『Roberto内包系』のスクリーンヒーロー産駒と『ディープインパクト系』と併せてほぼこの2系統で上位独占した結果となりました。この日は他にも1,600mではありますが5Rの3着がエピファネイア産駒でメインのヴィクトリアマイルの2、3着馬どちらの母父もシンボリクリスエスと開催が進むにつれこの『Roberto内包系』が馬券圏内に入ってくるようになってきています。そこで今回の出走メンバーで『Roberto内包系』の馬を見てみますと、

『Roberto内包系』
②スルーセブンシーズ(母系Roberto内包
④タガノパッション(母系Roberto内包
⑤クールキャット(父Roberto内包
⑥ウインアグライア
(母系Roberto内包
⑨ユーバーレーベン系・母系Roberto内包
⑪ソダシ(父(父Roberto内包
⑫ミヤビハイディ(父Roberto内包
⑮アールドヴィーヴル(母系Roberto内包
⑯ニーナドレス
(母系Roberto内包

と、以上9頭が該当し中でも距離不安が囁かれるソダシは実はクロフネ自身が『Roberto内包系』でさらに母系に『Kingmambo系』が入っていて叔父シロニイも芝長距離で好走実績ありと血統要素だけを見ると実はにあまり気にしなくても良い構成になっています。そしてその前日土曜日にもオークスと同距離芝2,400mで行われたレースがありそれが10Rの緑風Sで、既述通り2着馬はディープインパクト産駒だったのですが1、3着には紫枠の『ステイゴールド系』のオルフェーブル産駒が入っておりしかも1着馬は母系に『Roberto内包系』、3着馬の母系には緑枠のトニービン内包系』とこの距離特有の血統要素を含んだ馬たちの好走が目立ちました。そこで今回の出走メンバーで『ステイゴールド系』トニービン内包系』の馬も挙げておきますと、

『ステイゴールド系』及び『トニービン内包系』
②スルーセブンシーズ父系ステイゴールド
③パープルレディー(母系トニービン内包)
④タガノパッション(母系ステイゴールド系
⑨ユーバーレーベン父系ステイゴールド
⑫ミヤビハイディ(母系トニービン内包)
⑭ストライプ(父系トニービン内包)
⑮アールドヴィーヴル(母系トニービン内包)
⑯ニーナドレス(父系トニービン内包)
⑰スライリー(父系ステイゴールド

と、以上9頭が該当しその中で④タガノパッションは一見血統表を見ても『ステイゴールド系』?と思う方もおられるかも知れませんが母母キャッチザゴールドがステイゴールドの全妹という血統ということもあり今回挙げさせていただきました。

ここまで東京芝2,400mコースに特化したブラッドバイアスを見てきましたが
上記の表中で「」マークを付けた訳はそれぞれの項目に当てはまった回数を表しており1頭だけ『ディープインパクト系』『Roberto内包系』トニービン内包系』の3系統を持った馬がいることが分かります。それは⑮アールドヴィーヴルで、まず母父が『ディープインパクト』でさらに母母系に『Roberto系』のシンボリクリスエスとトニービン』まで内包していて、父も日本ダービー馬のキングカメハメハで近親に日本ダービー3着馬のアドミラブルとブラッドバイアス面からは今回の出走メンバーの中では特に東京芝2,400m向きの1頭と言えるでしょう。そしてこのブラッドバイアスが週中の雨の量や土日のレースで本番までに荒れてきて少しでも時計のかかる馬場傾向に偏ってくると『ステイゴールド系』『Roberto内包系』向きの馬場になり、この両方を持っている②スルーセブンシーズ、④タガノパッション、⑨ユーバーレーベンの3頭は土日の馬場傾向次第では要注意の存在と言えるでしょう。

※追記(5/22 21時)

本日5/22(土)の開催終了時点での傾向を見ていると、本番と同じ2400mのレースはなかったものの東京芝コースはメインのメイステークスを含め6レースありましたがその内ディープインパクト系が4勝、この日最長の距離だった2,000m戦の5Rや4Rがディープインパクト系が1~3着まで上位独占、1,800mだったメインのメイSもディープインパクト系のワンツーと相変わらずの『ディープインパクト祭り』状態は続いているようで、中でもキズナ産駒が3勝と⑱ステラリア⑬ファインルージュあたりは要注意ですね。さらにそれ以外では『Roberto内包系』トニービン内包系』・『Kingmambo系』が上記のディープインパクト系にプラスして入っているとより良い傾向になってきているので①ククナ⑦アカイトリノムスメ⑮アールドヴィーヴルあたりも面白い存在になってきてきますね。

最後に今回左回りのコースということで『左回りコース適正』も念の為見ておきたいと思います。今回の出走馬の中から左回りコースで2勝以上もしくは重賞レースで3着以上の実績のある馬を挙げてみますと、

左回りコース実績』のある馬】
①ククナ(0.1.1.0)アルテミスS2着
③パープルレディー(2.0.0.0)
④タガノパッション1.0.0.0)スイートピーS1着
⑤クールキャット
(2.0.0.0)※フローラS1着
⑦アカイトリノムスメ
(3.0.0.0)※クイーンC1着
⑨ユーバーレーベン(0.0.1.0)フローラS3着
⑪ソダシ1.0.0.0)アルテミスS1着
⑭ストライプ(2.0.0.0)※クロッカスS1着
⑰スライリー(0.1.0.0)フローラS2着
⑮アールドヴィーヴル(0.1.0.0)クイーンC2着

と、以上10頭が該当し中でも⑦アカイトリノムスメは重賞のクイーンC勝ちを含む東京芝コース3戦3勝と抜群の左回りコース適正を見せており、前走初の右回りの桜花賞で最後の直線内にモタれたことからもサウスポーと受け取れることから、今回の出走メンバーの中で『左回りコース適正』において信頼度の高い1頭と言えるでしょう。

考察を終えての有力馬候補

ここまで大きく分けて4つの項目で有力馬候補を見てきましたが、結局のところ⑪ソダシは買えるのか買えないのかが一番の焦点だと思います。ここまでの考察を読んでいただけたら分かると思いますが、結論からも申しますと軸馬としては「買い」だと思います。ただこの記事投稿時点では頭で買えるかとなるとそれは・・・です。なぜなら考察1、2で記してきました「レース自体がミドルからハイペースで流れても最後速い上り時計で走ることが求められる馬場」で道中中団から後方に構えて最後の「直線真ん中より外側のコースを通ってきた差し馬」が圧倒的に有利な現状の東京芝コースで近3走の内容を見る限りどちらの条件にも合致しない脚質・戦法の馬だからでグレナディアガーズやレシステンシアと同じ競馬してしまっては勝てないことになります。これを覆すとすれば「内過ぎない枠に入りレースは道中いつもより後ろめ中団に構え最後直線の追い出しもいつもより我慢する競馬をする」もしくは「馬場が思ったより渋って最後の上がり時計のかかる馬場になった」場合のみ頭もあると考えます。これは枠順の運や主戦吉田隼人騎手の手腕、本番までの天候・馬場状態にかかっていると言え、枠順は6枠11番とまずまず良いところに入ったのでこれはクリアとして、あと鞍上の吉田隼人騎手は前述の5/16のオークスと同距離だった7Rで騎乗して馬場の真ん中を後方から伸びて僅差3着と馬場状態を⑪ソダシのために計った感があり騎手の手腕もクリアしているではと考えるとあとは本番までの天候・馬場状態だけでこちらも天気予報を見ていると着々と2冠へ近づているようにも思えます。

ではその⑪ソダシを負かすことのできる逆転候補はどの馬になるかといいますと⑨ユーバーレーベン、⑮ステラリアの前走桜花賞ではない別路線組2頭と、前走桜花勝組から⑮アールドヴィーヴルの計3頭を挙げたいと思います。この3頭は考察1、2のミドルからハイペースで流れても最後速い上り時計で走ることのできる差し馬で、本番まで年明け3戦目で臨む考察3の『ローテーション』も文句なく考察4の『ブラッドバイアス』面においても⑪ソダシ以上に東京芝2,400m向きの血統背景である点を考慮すると、⑪ソダシが今まで通りの正攻法の競馬をして先週までの馬場傾向通りであるならばこの3頭に逆転の目があると思います。ただそれはこの3頭に共通して言えることですがレース当日大幅な馬体減がないことが大前提となりますので当日の馬体重は要チェックです。

馬券的には考察2の『持ち時計』の欄で述べたように桜花賞自体が相当レベルの高い一戦だったことを考慮すると、別路線組は全く相手にならないことも考えられることから⑪ソダシ軸に桜花賞上位組の⑬ファインルージュ、⑦アカイトリノムスメ、⑮アールドヴィーヴルのディープインパクト系の3頭を加えた『桜花賞組上位独占』も十分有り得うると思われますし、そこに桜花賞と同じ1、2着だった阪神JFを評価してその2頭に次ぐ3着だった⑨ユーバーレーベンも加えて良い1頭だと思います。そしてあと1頭、馬場が渋ったり荒れてきたりして最後上がり時計がかかる馬場になった場合の荒れ要因として先に挙げた⑨ユーバーレーベンと同じく『ステイゴールド系』『Roberto内包系』の両方を持っている②スルーセブンシーズを挙げておこうと思います。

といったところで東京芝コース攻略法から考えるオークスの有力馬考察を長々と書き綴ってまいりましたが前作以上のボリュームになってしまい申し訳ございません。この記事が今後のオークス、日本ダービーの馬券検討のなにかの参考になれば幸いです。ではまた時間と機会がありましたら主にG1レースの考察や回顧などをしてみたいと思います。

ここまで長文お読みいただきまして誠にありがとうございましたm(_ _)m


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