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KOVE 450 RALLY 試乗記


KOVEというバイクブランドを知った。
珠峰凯越机车 KOVE MOTO
凯越(カイユエ)がKOVEで、珠峰Jiangmen Summit Motor Co., Ltdが親会社らしい。

http://www.newzf-ky.com/EN/about.aspkovemoto.com
https://cn.kovemoto.com

よくわからないが、いずれにせよ、中国資本の企業がダカールラリーで完走できるバイクを作って、世界中に市販を開始している、ということだ。
アメリカでは、先行してPRを行っており、どのコンテンツを見ても高評価だ。




実際に埼玉のオフロードヴィレッジにて試乗会があったので、乗ってみた。
私は、20数年前キャンパスオフロードのイベントで3−4回オフロードコースを走った経験があり、昔はそれなりにオフロードは走りこんでいたが、1995年に河原でドリフト走行中、ハイサイドを喰らって、左膝下を複雑骨折してからは、本格的なオフロードは走っていなかったのだ。
ひさしぶりのオフ車だったが、車体が軽く、とても乗りやすかった。エンジンもおっとりしていて、ducatiのような回せ、回せというような声は聞こえず、安心してコースに入ることはできた。コースで試乗をしたい訳ではなかったが、ナンバーがないので、仕方ない。

試乗は1回10分でしたが楽しかった

試乗会といっても貸切ではないので、隣にバンバン子どもたちがレーサーで駆け抜ける中、コースを走った。
轍もギャップも10年ぶり以上だが、こけることなく楽しく走れた。R1200GS,NORDEN 901, Desert Xなどアドベンチャーの本気っぽいマシンの試乗を公道でした経験はあるが、正直、自分の腕でオフロードコースを走れる気は全くしなかった。
しかし、公道が走れないから仕方ないが、このサーキットコースでの試乗で、KOVE 450(フォーシクスティと海外では呼ばれている)は破城なく私を土ぼこりの楽園に連れて行ってくれた。
昔DT200Rのフルモデルチェンジで出た3ETに乗っていた。これが、サスがよく、へたっぴでもジャンプできる優れものだったので、その時以来の”このマシンすげー”感を味わうことができた。
エンジンは、フラットで、アクセルを捻るとビューンと回転が伸びるが、Ducatiのムルティなどの気を失ってしまうような強烈な加速はなく、オフロード初心者が楽しめるレベルの加速感だった。
また、コーナーのふかふかのサンドでも半クラを使わず、トコトコ抜けることができるほど、ゆるいエンジン特性で、昔乗っていたSERROW225を思い出して、思わずニヤリとしてしまった。もちろん、低重心でサスの性能が立派なので、ギャップでも、素晴らしい追従性を見せ、難なく、やり過ごすことができた。

10分の試乗の時間はあっという間に終わり、息を切らせながら受付に戻った私は、もう一度午後の試乗の予約をした。
お昼は妻が作ってくれたおにぎりを荒川の土手で、富士山を眺めながらほおばった。

簡単なバイクはつまらない、でも凄いバイクは疲れる。気軽に林道に入って行って、行き止まりだったらサッと引き返せる。そんなバイクで且つ、行き帰りの高速が楽、そんなバイクを探していた私のとって、このバイクはとても魅力的に思えた。
R1300GSは300万円もするのである。
その半値以下で、オフロード性能はそれ以上のバイク。気になって、ハスクやKTMを調べてみたら、250でもKOVE450より高いではないか。。。

日本でのビッグオフの市場はほとんどなく、テネレ700でも国内流通は200台とのこと。果たして、このKOVE450がどこまで認知を受けるか、わからないが、本格的なオフロードバイクを公道で楽しみたい人に新たな選択肢が増えたことはとても素晴らしいことだと思う。

1回の輸入でコンテナに詰める量を考えれば、最初のロットがそれほど多くないことは容易に想像できるが、きっとオフ好きの皆さんが多いに歓迎して、ビッグオフのジャンルが復活もしくは、新しく始まることを期待しています。
海外のレビューは概ね好評です。やっぱりこの安さは無敵。


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