新しい日常

覚えやすいのと、なんだか前向きになれそうだという理由から、123の日に結婚しました。
あまり日々の出来事を文章にする習慣がないのですが、良い機会なので書いておきます。

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婚姻届けを出しにいく道すがら思い出していたのは、何か特別な日の出来事ではなく、日常だった。
一緒に住むリビングで囲む食卓の景色が浮かんだ。

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彼女は、歌うように、話す。
そこに、喜怒哀楽を豊かにのっけてくる。
楽しいことは踊るように身振りを添えて話すし(実際よく踊る)、哀しいことは眉をハの字にして本当に哀しそうにする。
華美なものよりも、日常の何気ないものに対して喜びを見出し、慈しむ。

本を読んだりしながら、「へぇ~」とかながら返事をした日には、視界に勢いよく飛び出してくる。画角いっぱいに乗り出してきて、「ちゃんと聞いて!それでね、それでね!」と話すようすは少女のようだ。

感情の起伏があまりなく、凪の状態が多い僕にとって、それはとても新鮮で、見ているだけで楽しい。

結婚という形式にはとらわれていなかったのであまりこだわりはなかったんだけど、今はとてもよかったと思っている。

幼いころに父を亡くした僕にとって、お義父さんが出来たことはめちゃくちゃに嬉しい!
僕の仕事にも興味をもってくれていろいろと聞いてくれる。
立て続けに質問がきたり、尽きない話を聞いていると「やっぱり似ているなぁ。」と少しにやにやしてしまう。
お義母さんはまた、歌うように話す。
細かなことまで気遣ってくれて、無条件に優しい。
ちょっと心配性なお義母さんに心労をかけないように、夫婦仲良くやっていこう。

責任やプレッシャーを感じることもなく(たまには感じろという声が聞こえてきそうだけど)今はただ新しい家族が出来たことが嬉しい。

そして最後に、母より一日でも長く生きなければならない。
大切な人を無くした経験はもう十分だろう。

そんなことを考えながら迎えた1月23日。
独身最後の今日、なにしようか?と彼女に聞くと、「2人で良く食べに行ったパン屋さんへ行こう。」と返ってきた。

日常を大切にする彼女らしいな、と思いながらパン屋へと向かった。


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