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UFC ファイトナイト オーフレイムVSサカイ

【圧倒的な横綱相撲 ヘビー級の迫力】
9月5日(現地)に行われたメインカードについて。
あのオーフレイムがランキング9位のサカイをKOで下した。
最近、国内のライト以下、主にバンタム級の軽い階級に目を慣らされていたので久しぶりに「ヘビー級もやっぱりいいな。一発一発に重さもあるし迫力がある」
と思い、魅了された。
またセミメインでもサンプルーがメニフィールドをカウンター一閃で沈めた。
メジャーリーグとしての幅を見せつけた神回を振り返りたい。

PRIDE時代からのスター。雰囲気はランカー随一

3か月振りの試合となるアリスターは入場時から落ち着きを放っていた。
ウォルトハリス戦でかなり被弾してダメージも残っているはずだがそこはモンスター、体の張りから仕上がりの良さが見て取れた。
解説の宇野薫氏の「少しふとりましたか。ポチャッとしてますね」の発言で世論を仕上がりは微妙にまとめていたが私は調子の良さを見て取れた。

完璧なゲームメイク。ヘビー級で培ったスタミナ

1R2Rとサカイの軽快なフットワークパンチをガード越しに受け続け、印象とジャッジは3R中盤までサカイを支持していたように見える。ただ怖いくらいに、パンチによってはもろに被弾していたはずだが、本人は冷静にゲームメイクに努めていたことが振り返ってわかったことだ。
試合は3R後半のテイクダウンからオーフレイム側を支持し、強烈なパウンドを打ち込み続ける。すごかった。そして4R序盤に疲弊したサカイにとどめのTDからの強烈肘、パウンドでKO勝ち。
息ひとつ乱さずにハーブディーンの勝ち名乗りを受けるその姿がこの試合を物語っていた。
「ムエタイ、ボクシング技術を駆使しスタンドで攻勢をかけるサカイをガードで交わし、相手が疲弊してくる5R制の終盤にかけて自分のMMAで相手をうつ」が彼のゲームプランであっただろう。
サカイはキャリアで5R制はほとんど経験していないこともこの計画を実行した要因であると思うし、アリスターのヘビー級におけるスタミナ力も後押ししたように思う。
僕らが知っているPRIDEミドル級時代のもやしみたいな、がりがりですぐにガス欠する彼はもうどこにも残っていない。

パウンドと肘で鮮血に染めるのは伝統

それにしてもだ。相手を引き込むようにして倒すTDスキルと、ガードポジションからでもダメージを与えるパウンドの精度は圧巻だった。
無観客ならではの激しい音がそれを物語っていた。
既視感を覚えたがそれは昔からヘビー級でヒョードルやハリトーノフらが得意としていたパウンドでの戦慄KOのようなものだと思う。
今回に限定してそれが語られるわけではないし、よくあるフィニッシュといえばそうなのだがどこかオーフレイムのフィニッシュは感慨深くさせられてしまった。

今後のヘビー級について

ますます面白くなってきた同階級だが、キャリア集大成として戴冠をオーフレイムが目指していることは言うまでもないだろう。
最近のボーゼンストライク戦が運の悪さによるとも見て取れる敗戦であることを考えるとなおランキングはカオス化してきているように思う。
圧倒的な力と実績のガヌーとフレイズが上位にいるわけだが、オーフレイムは彼らへのリベンジなくしてタイトルマッチがあるわけではないだろう。
とすると次節この二人のいずれかへの再戦が画策されるのか。
順当ならば次期挑戦権はガヌーにあり、ミオシッチVSガヌー2の可能性が高いがミオシッチはコーミエとの闘いを終えたばかりで、タイトルマッチがすぐに行われないであろうことを考えるとガヌーはランカーの誰かと拳を交える可能性も考えられる。

神格化されてきたミオシッチに対しての挑戦も(オーフレイムに限らず)見たいところだがガヌーVSオーフレイム2やフレイズVSオーフレイム2とかも、今日の結果によってさらに期待が高まったし是非見たい。
個人的にはオーフレイムのストーリーを追いたくなったし、負けても名勝負を造りつづけてきた彼のキャリア終盤の戴冠を見届けたい、そう思わせるファイトナイトラスベガスであった。

PS:
サンプルーも見事でした。ペレイラのショーマンシップも見事。
彼らも中量級~ヘビー級ということで、日本もこの階級が盛り上がればなおよいと思った次第。

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