自己分析・他者分析と振り返り(後編)

前編では、自己分析の考え方や、長期の振り返りの中でサイクルと流れを捉えて未来へ活かすということについて、お話をお聞きしました。

今回は他者分析についてお聞きしていきます。


自己分析と他者分析の違い

前回は自己分析と長期の振り返りについてお聞きしました。今回は他者分析についてお聞きしたいです。

自己分析ができてきたら、同じ様に他者分析を行うんです。やってみると、恐らく自分よりも圧倒的に情報量が少ないんですよね。細かい日々の移り変わりもサイクルも分からないことが多いと思います。ですが、例えばこれまで自分が会ってきた20代の男性を振り返ると、共通項もあると思います。「出会って最初は仕事の会話になることが多いな」や「社会に出て将来どうするかも悩みがちなポイントだな」、「今忙しくなる前に遊んでおこうと考える方もいれば将来の為に自分のスキルを磨こうと考える人もいるな」などです。更に色んな人に会っているとよりパターンを知ることができるんですよね。それを収束させていくと、前回扱った類型論のパターンの様に使い勝手の良い6つ、7つという風に分けられるかと思います。

あるあるのパターンを覚えていく

収束させて分類していくときに、あるあるのパターンを覚えておくと便利です。例えば、長男としてのよくあるパターン、末っ子としてのよくあるパターンなどです。また、お兄ちゃんが真面目だと下の子は比較的自由になる、逆に親の愛情が末っ子に集まるとそれはそれで不自由になることもある、という様なイメージです。

日々人と会っていく中で、先ほどの様に共通項を抜き出してパターンをつくっていきます。そうしたら、つくったそのパターンを意識しながら、目の前の人と話してみます。その時に、半分はパターンに当てはまるかもしれない、もう半分はパターンには当てはまらないかもしれない、という慎重さを持ちつつ見ていくことが大切です。そうして更に分析しながら、サイクル、パターンを見つけていくと、予測して未来に活かすことができます。

その人とどんな関係になりたいか、分析の「狙い」を持つ

分析するにもやはり目の前の人とどんな関係になりたいかが大切です。例えば、「目の前の人と仲良くなりたい」と思った中にも「気楽に話せるようになりたい」もあれば「フラットな関係をつくりたい」などもありますね。その一つ一つに気楽になる為のパターンがあり、フラットになる為のパターンがあります。一緒に遊びに行くやお酒を飲む、敬語をやめてみるなど色々なパターンがあります。他者分析に関しては、特に全てを分析しだすときりがないんです。覚えられるかどうかも怪しいですよね。分析量を減らす為に、「この人とどんな関係になりたいんだっけ」ということを考えて、「気楽に話せるようになりたい」と思えば、その為の分析を行えば良いんです。

それ以外でも、「この先輩に仕事を任せてもらいたい」というのもよくありますね。その場合、まずは、その先輩の仕事に対するこだわりや願望を知ることや、後輩への期待を知ることから始まるかと思います。この様に目的ごとに分析に違いが出てきます。

分析を進める中で「こんな言動、対応をするとこの人の信頼をひどく裏切ってしまう、本人は裏切られたと感じるんだ」というパターンを知っていくことになると思うのですが、そうすると先ほどの「気楽に話せるようになりたい」というパターンと大きく知る情報が違ってきますね。という様に、自己分析と他者分析には違いがあり、他者分析に関しては「狙い」が特に重要になります。自己分析、自分に詳しい能力は未来ずっと生きると思うのですが、他者分析に関しては全部が全部ではないことが多いので、絞れる要素を残しておくのが大切です。

初めて行うことに対する自分の反応で自己分析が進む

外部の刺激への反応という観点は自己分析にも活かすことができます。「自分が外部からの刺激にどう反応するのか」は外部がないと分かりません。例えば、こんなに腹がたつ人に会ったのは初めて、という方はすごく面白い経験をしているんです。その他にも、初めて行うスポーツや初めて行うアクティビティ、初めていく場所で新鮮さを感じるのは、外部からの刺激により自分に関する新発見もあるからです。

内観をする際も、「ああいうタイプの人にイライラしがちだな」や「会話スピードにイライラするんだよな」の様なものが出てくるときは、自分の外側に対して自分がどう反応しているかを見ると良いです。ですから、自己分析といえども自分の外側のこととセットになるんですよね。例えば、部活でキャプテンや部長になった理由も、メンバーが違えば違う可能性もありますよね。「あのメンバー、あのシチュエーションでは自分は正直にやりますと言うんだな」であったり、「あのメンバーよりも強く感じるメンバーがいれば、さすがに押しのけてはやらないな」という感じです。他者関係が重要で、同じシチュエーションでもメンバーが違えば違う結果になる、誰かとの関係でその人自身があらわになるということがあります。

他者分析は自己分析よりも複雑になる

この他者関係も踏まえて、他者分析を行うと分析が更に進みます。
例えば、「あの先輩に信頼して仕事を任せてほしい」と思った時に、その人が信頼して仕事を任せている人とそのケースを見させてもらうととても良い分析になります。任せているタイプは「きっちり期限守る人が多いな」や「返事が大きい人が多いな」や「失敗を笑い飛ばせるタイプが多いな」の様な感じで、その人そのものだけを見ていても難しいのですが、その人がどんな人にどんな対応をしているかのパターンを掴んでいきます。
こう考えていくと、他者分析が複雑になりやすいのはそのパターン数が多いからです。

自分の見えないところでも関係性はあるので、「仕事では厳しいけれど、家の中では甘えん坊かもな」など、その辺も推測する必要性も出てくるので、他者分析は難易度があがるんですよね。

ただ、事例もその辺に転がっていますから分析しやすさはあるかもしれないですね。
という様な形で、自己分析、他者分析、短期の振り返り、長期の振り返りも「狙い」が大切ということと、「効果のあるパターンをどれだけ自分で掴んでいるか」が大切なんです。


ありがとうございます。

自己分析・他者分析に関しても「狙い」を持ちながら「効果のあるパターン」を見つけるために日々実践していきます。

今回もありがとうございました!





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