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ぼくのかんがえたさいきょうのおおもりせいこBEST

2月12日にリリースされました大森靖子さん、メジャーデビュー5周年記念ベストアルバム、その名もセルフタイトル「大森靖子」。全44曲。3枚組。

「ああ、もう出てたんか。いやァめでてェな」と、すっかりリリース事情に疎くなった元CDショップ店員がトラックリストを確認したわけですよ。ベストアルバムってえのは、ファン投票だったり本人が選んだり、はたまたアーティストサイドと揉めたレーベルが勝手に選んじゃったりしますよね。大森さんのは特に明記されてないのでアーティストサイドで選んだようなのですが、さて面倒くさいファンがだいたいガヤるパターン「なんでこの曲が入ってないんじゃあああああ」が見事に発動したわけで、それもそのはず、

俺の1番好きな曲と4番目と5番目と6番目に好きな曲がはいってない!

のはさすがに無いと思い、noteを書き殴っている次第です。ぐおー!


※2015年に好きな曲BEST10をやったときのblog。


大森さんは悪くないですよ?エイベックスは悪いかもしれません。
僕が納得いかないだけなんです。

【大森靖子ベストアルバム選曲に納得がいかない理由】

・3枚組44曲はボリュームが多すぎる。
・ベストアルバムはせいぜい2枚組程度までに納めるべきだ。
・「君と映画」「新宿」あたりの初期名曲が入っていない!
・俺は「コーヒータイム」が死ぬほど好きだ。だのにだのに。
・この曲、ベストアルバムに収録するほど?って曲がかなりある。

というわけで勝手に2枚組30曲に再構築し直した「俺が選ぶ大森靖子ベストアルバム」だ。これをAppleMusicで勝手に編集して聴くことにしたい。

正規盤トラックリストはベスト特設サイトにて。


こちらが渾身の俺盤トラックリスト。

Disc1
1.ミッドナイト清純異性交遊
2.絶対彼女 feat.道重さゆみ
3.生kill the time 4 you、、♥
4.非国民的ヒーロー
5.愛してる.com
6.IDOL SONG
7.勹″ッと<るSUMMER feat.あの
8.ZOC実験室
9.draw(A)draw
10.絶対絶望絶好調
11YABATAN伝説 feat.生ハムと焼うどん ※
12.さっちゃんのセクシーカレー
13.ノスタルジックj-pop
14.イミテーションガール
15.きゅるきゅる

Disc2
1.マジックミラー
2.TOKYO BLACK HOLE
3.死神
4.オリオン座
5.PINK
6.魔法が使えないなら
7.音楽を捨てよ、そして音楽へ
8.新宿 ※
9.コーヒータイム ※
10.君と映画 ※
11.エンドレスダンス
12.ハンドメイドホーム
13.呪いは水色
14.夏果て ※
15.さようなら ※

※マークつけたのが正規盤未収録曲


曲順も含め完璧なやつができた。思い残すことはない。

Disc1は大森靖子がもつ「ポップな毒素のようなもの」をアウトサイドに放出し、アイドル・シーンとも相通じるようなガーリーな楽曲を中心にまとめ、Disc2は逆にインサイドにこもった「ダークな呪いのようななにか」を漂わせる楽曲でまとめた。
必然的にDisc2は初期の弾き語り曲が多くなった。陽と陰とは一概にはいえないけど、まあそんな感じでチョイスしてみた。

Disc1については正規盤と同じく「ミッドナイト清純異性交遊」で始まるのはまったく正しいと思う。大森靖子の代表曲といえば「ミッドナイト」だろう。うちの嫁さんもこの曲だけは好きだ。MVには橋本愛がでてる。


続く「絶対彼女」も鉄板だろう。正規盤には道重さゆみさんfeaturing Versionとオリジナル版の計2曲収録されているが、個人的には道重さんfeat版に大きな意義を感じたのでこっちだけにした。道重さんに捧げられた「ミッドナイト」から、道重さんをfeaturingした「絶対彼女」への流れだけは外せない。


3曲目から少し変えた。「生kill the time 4 you、、♥」はいまMy Favorite10をやったら絶対に入るような曲で、大森さんのPOPサイドの髄を体現したような名曲だ。


神聖かまってちゃんの「の子」と共演した「非国民的ヒーロー」を経て、「愛してる.com」「IDOL SONG」、ゆるめるモ!(当時)のあのちゃんを迎えた「勹″ッと<るSUMMER」「ZOC実験室」までは大森靖子の最重要キーワードである「アイドル」を意識した流れ。こっから「YABATAN伝説」につなげても良かったかもしれないが、「ZOC」からの「draw (A) drow」でいきたかった。

「愛してる.com」MVは可愛い女の子たちがひたすら「愛してるよ」と言ってくれるすごいブツ。決してお前に言ってるわけじゃないけど。


Disc1ラスト3曲はメジャー1stアルバム「洗脳」からになった。流れで言えばやっぱり綺麗にまとまるもんだ。「きゅるきゅる」はメジャーデビュー曲なのにあんまり人気がない気がする。この曲を聴いた僕の感想は「ああー。メジャーだあ、ああーメジャーだなあ(こういうのやりたかったんだろうなあ)」でした。


Disc2に移ろう。
オープニングは「マジックミラー」。ポップに振り切れすぎた「洗脳」に戸惑っていた僕は、この曲ですっかり引き戻された。

当時blogにこんな文章書いてました。
我ながら結構いいこと書いてたので再掲する。

もし、大森靖子が1998年にデビューしていたら、・・・・果たして椎名林檎のようにシングルを100万枚売って時代の寵児ってやつになって、音楽ファン以外にも名が知れて、15年以上もカリスマとしてシーンに君臨し得ただろうか?「たられば」の話は意味がないのかもしれないけれど、2015年のいまだからこそ、大森靖子は大森靖子として存在し得るのかもしれないんです。まず最初に思ったのが「大森靖子、こんな曲も書けるのか・・・!」ってこと。鋭くって、四方八方にササクレだっていて、歪んでるんだけど、美しくって優しい。
優しいんです。そう、すごく優しい。
迷えるひとの脳天を電撃のようにつらぬくこの曲は、多くの人を救うだろう。大森靖子史上、最高の曲と言い切ってもいいと思う。僕はこの「マジックミラー」がものすごくものすごく売れて欲しいと思ってるし、オリコンチャートの1位をさらって欲しいしMステ出て欲しいし100万枚くらい売れて欲しいけど、残念ながらなかなかそれはとても難しい話だろう。うーん、厳しいよな。現在の日本において、彼女みたいな人が「誰もが知るポップスター」になるような、そんな絵は見えてこない。
一般的知名度があるとは言えないアイドルが届いちゃう「日本武道館公演」は実現するだろうと思ってるけど、大森靖子の世界は毒素がありすぎるし、でもそれ無くしちゃったら大森靖子じゃないし、存在自体はポップなんだけど、やっぱりマイノリティに向かい合ってしまっている。
1998年だったらどうなの?2015年だから届かないと思うの?
でも、もがきながら「君がつくった美しい世界をみせてあげる」って歌う大森靖子に、このMVに登場するティッシュ配りのお兄さんやAV女優さんやオカマさんみたいに、恍惚の表情を浮かべて、時には涙を流すひとには大切な大切な宝物になるでしょう。
届いてますよ、大森さん。その覚悟。 生きてるって楽しいことだよ。

ちなみに未だ日本武道館公演は実現していません。理由は知らない。

続く「TOKYO BLACK HOLE」ではまた、新しい世界を開いていたけど、この曲はとにかく歌詞がいい。

 「水風船の爆弾で僕がこの街を壊すはずだった」
 「僕の裸が君を想って捩れる動画が あいつから届いたんだってね」
 「ボロボロになっていく 神様になっていく君が」
 「最初から希望とか歌っておけばよかったわ」

何度目かの降参をしましたね。


そして「死神」「オリオン座」を経て、「PINK」から始まる初期弾き語り楽曲ゾーンです。基本的に2013年以前ですね。懐古厨は褒められたもんじゃないが、やっぱりこの頃だよなあという思いもある。


「きゃりーぱみゅぱみゅ みんなのうたは誰のうた?」と歌い出す「新宿」はやっぱり歌詞がまずいとされたのだろうか。いくらなんでもこの曲が収録されないのはあり得ないと思った。インディーズ2nd「魔法が使えないなら」からインディーズ3rd「絶対少女」あたりの時期まで、彼女の代表曲のひとつだったはずなのにな。


そして未だにいちばん好きなのがこの曲なんだ、「コーヒータイム」。インディーズ1stに収録。ベストには収録されなくても仕方ないとは思っていたけれどね。この曲で埼玉西武ライオンズファンの大森さんは「あたしがチャンネルまわした途端に岸が打たれたらどうしよう」と歌うのだけど、そんな岸はいま楽天にいる。

いい曲すぎて泣く・・・


そしてこの曲が収録されていないのも納得がいかなかった「君と映画」。MVには橋本愛や蒼波純ちゃんが出てくるんだけど、これは松居大悟監督の2015年作品「ワンダフルワールドエンド」のワンシーンなのです。「ミッドナイト清純異性交遊」も同様。「ワンダフルワールドエンド」は下北沢まで監督の舞台挨拶を兼ねた上映を見に行った。良かったなあ。男がクソなんですけど、最終的に良いエンディングだった記憶。主題歌は「呪いは水色」。

「君がコンビニまでの道 何度あたしを振り返った あたしの幸せ」というフレーズはラヴソング史上最高級のすばらしさだと思う。


ラストの3発「呪いは水色」→「夏果て」→「さようなら」はちょっと重すぎたかもしれないし後味が悪いかもしれない。でもどうしても「さようなら」で終えたかった。この「さようなら」も正規盤には未収録なのですが、初期では大抵ライヴのエンディングにフルアカペラで披露してたんです。マイクすら使っていない時もあったかもしれない。いまはどうかわからないが。さいごにこんなのぶっ刺されたら死ぬでしょ。余韻で斬られたい。

2016年にもやっていて嬉しいな。


そして、ベスト盤特設サイトにずらりと並んだ錚々たる関係各氏からのコメントを読んで欲しい。大森靖子の熱量に中てられた人々が感謝だったりお祝いの言葉を連ねていて、そしてひとつひとつに丁寧に返信する大森靖子。関係性がみえてきて、愛が溢れているしグッとくる。
特に旦那さんとのやり取りはめちゃくちゃよかったなー。

ささやかながら大森さんとの出会いの話を。

2013年だった。当時の僕はなんらかのきっかけで大森さんを知って、youtubeで楽曲を聴き漁り、1か月くらい経っていてもたってもいられなくなって直近のライヴを探した。ちょうど同時期に気になってたふぇのたすも一緒に出るライヴがあったので、チケットを確保。2013年11月15日、下北沢GARDENだった。しかもそのライヴいま考えれば凄まじくて、確か一発目に大森靖子。2バンド目にそれなりに知名度があったROACHってバンドが出て、3つ目にふぇのたす。トリが当時メジャーでやってたHAPPY BIRTHDAYでした。HAPPY BIRTHDAYはいまはラッパーとしてやってるあっこゴリラがドラムを叩いて、ねむきゅんソロに楽曲提供した坂口喜咲さんがボーカル&ギターだったバンド。(自分のなかでは永原真夏さんのマブダチであるあっこさんとねむきゅんの友人である坂口さんが組んでたユニットと、大森靖子さんとふぇのたすが一緒に競演していたというとんでもないライヴだったのです。あとから思えば:余談)

大森さんのライヴはyoutube動画や前評判通りに素晴らしくって、ラストの「さようなら」で完全に射抜かれた自分はふらふらと物販に。当時リリースされたばっかりだった「大森靖子と来来来チーム」名義のアルバム「ポイドル」を購入。すると物販のお姉さんが「・・・サインもらいます?」と。ふっとみるとライヴを終えたばっかりの大森さんがいるではないか。固まる僕に快くサインしてくれた大森さんは、ライヴ中の鬼気迫る表情とは裏腹にほわんと穏やかで優しくびっくりしてしまった。シャイボーイなもんでいくら好きでも接触ができない性分なんだけど (だからアイドルの握手会とかも行ったことがない)、あのときは強引に接触させられてしまったな。

でもよかったと思ってる。

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半月後に渋谷o-nestにこれ観に行った。最高だった。ポイドルはいいぞ。


まあ「文句かよ」ってくらいにいろいろ書き殴ってしまったけど、久々にライヴを見たくなってしまったから結果オーライではなかろうか。やっぱり好きだよなと再認識できる良い機会だった。

大森靖子さん、メジャーデビュー5周年とベスト盤発売、本当におめでとうございます。まだまだやってね。





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