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「ダイの大冒険」における"mother"

90年代の週刊少年ジャンプ黄金期の名作「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」が28年ぶりにアニメ化され、放送が開始されている。放送時間は土曜の朝9時30分。流されるCMやタイアップ等からも、モロに「小学生男子向けアニメ」として作られているのが判るのだけど、恐らく30%くらいは30年前の小学生が視聴しているのではないか。たぶん。わかるよ同士。


んで、「30年前の小学生」のひとりであるところの自分も、ガッツリのっている次第である。

ちょいちょいブーイングを垂れたくもなる箇所もあるものの、序盤の山場である「アバンvsハドラー」からの「ダイvsハドラー」はさすがにクオリティも高く、胸熱でございました。

最新6話ではみんな大好きワニのおっさんこと獣王クロコダインも登場し、早速、のちの自らの役回りを予告するかのような解説キャラっぷりを披露。このワニ、めちゃくちゃ喋る。


さて、本題。

今回のアニメの主題歌は1991年アニメの「勇者よ急げ」ではありません。


マカロニえんぴつというバンドがOPもEDも担当しているのだけど、ED曲にちょいと違和感・・・というか「なぜだ?」と思ったのでとりあえず文章にして放り投げておきたい。


この曲。

なんで「mother」なん??

原作を熟読している人なら、「ダイの大冒険」における「母」と言われてパッと浮かぶキャラ及びエピソードは少ないと思う。強いて挙げるなら、ヒュンヒュンことヒュンケルに「・・・聖母だ・・・」と言わしめたマァムであろう。慈悲深い包容力と、芯の強さ(と、主にポップを殴り飛ばすパワー)を併せ持つ、16歳にして「パーティの肝っ玉母ちゃん」ともいえるキャラクターである。あとはなんだ。ダイの母親であるソアラは既に亡くなっていて、エピソードは多くはない。ポップの母・スティーヌも登場するが、ポップ周りなら父・ジャンクとの関係性のほうが丁寧に描かれている。ううむ。他にはマザードラゴンくらいか。マザードラゴンな・・・

そう。「ダイの大冒険」において、「母」及び「母と子」が描かれることは殆どないのである。もともと女性キャラが少ないということも多分にあるのだけれど。


対して、「父と子」の関係性・エピソードは作中にあふれんばかりである。

その対決から和解まで特に濃密に描かれた主人公・ダイ&父・バランはもちろんのこと、ダイ&育ての親であるブラス、ポップ&厳格な父・ジャンク、序盤の泣きどころであるヒュンケル&養父・バルトス、リンガイアの北の勇者・ノヴァ&バウスン将軍。

そして、アバン&アバンの使徒たちにおける「父子の関係」も見出すことができるだろう。それゆうたらポップ&マトリフも?あそこはちょっと違うかな。

魔王軍サイドに目を向けてみても、妖魔師団長・ザボエラ&その息子ザムザの哀しい父子関係が描かれている。しかも、かなりの話数を割いてね。




うーん。これらの事実を並べてみて、改めて思う。


fatherならわかるんだけど、motherなんだよ・・・・なぜなんだよ・・・

「mother」の歌詞はこちらなんですが。

帰る場所はね 変わってゆくけど
なあ母さん、僕は守る人を変えたりしない
あなたは何て言うかな
ときより弱気で ちっぽけで
迷うことにも迷う僕に、何て言うかな
探していた今日と違って
落ち込んでしまう僕を笑うのだろう

はい。めっちゃ母さんに向けて書いてるし、何か含んでる感じもしない。


これはこれはもしかしてだけど、まさかそんなことはないと思うのだけど、マカロニえんぴつの楽曲のなかで(適当に)エンディングっぽい曲を選んだだけではないのか?と疑念を抱きつつも、「ダイの大冒険」ならmotherよりもfatherだろ・・・という違和感は拭えないのである。

あ、曲は良いと思います。




それにしても、2020年を生きる小学生男子に「ダイの大冒険」はどう響いているのだろうか。完全に「鬼滅の刃」に持ってかれちゃってるんじゃないかと推測してるんだが、少数派でもいい、勇者ダイと仲間たちの物語が何かしら心に響いてくれればいいよなあと祈りつつ、締めます!!


原作も読んで欲しい!傘でアバンストラッシュをキメてくれ!

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