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【不便?】新大阪駅はなぜ大阪駅から離れた場所に設置されているのか。

新大阪駅は東海道新幹線の終点、そして山陽新幹線の中心駅。さらには西日本最大の都市大阪の玄関口として機能しています。

地図を見てみると、新大阪駅は大阪の中心地梅田から離れた位置に設置されているのが分かる。なぜ新大阪駅、そして新幹線は大阪の中心に乗り入れていないのでしょうか。

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↑地図を見てわかる通り新大阪駅は淀川を挟んで梅田駅の北側にあります。

新大阪だけでなくその先も考えて

大阪の新幹線駅設置案は3つありました。1つは中心部に立つ大阪駅に隣接して駅を作る案(1案)。2つ目は大阪駅の少し北側にある梅田貨物ターミナル付近に駅を作る案(2案)。そして最後の案が、現在新大阪駅のお隣にある東淀川駅に隣接するもの(3案)でした。

新大阪②

1案と2案は既に大阪の中心として発展していた梅田に駅を近づけることができるという大きなメリットがありました。しかし、現在この場所には新幹線の駅はありません。メリット以上に大きなデメリットがあったのです。

まず新幹線建設にあたっての前提として新大阪より先、現在の山陽新幹線を延伸する計画がありました。もし、梅田に駅を設けるとなるとその北にある淀川を2回渡る必要があります。

新大阪③

もし大阪駅付近を通った場合の予想ルート

もしこのルートを採用した場合には、建設費が高騰する上に新幹線のスピードアップが阻害されるということが考えられました。

さらに大阪駅周辺の用地確保も難しいということで、デメリットの方が大きいということが分かります。

そこで3案である「東淀川駅に隣接」が優勢になってきました。東淀川駅は戦前に存在した幻の新幹線案と言われる「弾丸列車」の新大阪駅予定地として開設され、東海道新幹線計画当時も国鉄がそこに用地を持っていました。

また、大阪側も当時田畑が広がりのどかな風景が広がっていた淀川以北の地域を開発していきたいという思惑を持っていたようです。

両者の考え方が一致した3案を中心に、新幹線大阪駅は設置されることになりました。結局、当初予定地の東淀川駅ではなく、少し南に新駅「新大阪」を建設することに決定します。

山陽新幹線を岡山、博多方面に延伸するにあたってすでにあった貨物線「北方貨物線」に並行させる方が用地確保が容易だとされたためです。

新大阪④

現在の山陽新幹線は北方貨物線と並行するように西に向かっているのが分かる。

大阪の中心から少し北にある新大阪駅。もしも西へ延伸される計画がなければ、存在しなかった駅かもしれない。

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