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「開運」について日々考える

占いを提供する側も提供される側も、占いというものに触れる時、必ずどこかで「開運」というキーワードを耳にすると思う。
私自身も、相談者様から、
「お金欲しいです、金運上げる方法ってありますか」
とよく尋ねられる。

結論からいうと、「開運」とは、「自分が変われるかどうか」だと私は思う。

したがって、
「これやるとお金がボコボコ湧いて来る」
「あれやっとけばモーマンタイ」
みたいな都合の良いものはない、が私の見解となる。

具体的に説明しよう。
「金運の開運」と「自分の変化」がどう組み合わさるのか。

ぶっちゃけ、「お金ないっす」と占いを受けにくる人は、実際にはお金はあるのである。
対面占いの相場は、占いの館などの大手では大体30分3000〜5000円くらいだろう。
つまり、それくらいのお金を占いという娯楽サービスを受けるために使える余裕があるという事だ(配信サイトでの占いなど、相場を大きく下回る金額で占いを提供している場合は別)。
3000〜5000円もあれば、ちょっと頑張れば一人暮らしなら一週間分の食費に回して自炊できるほどの金額だ。
もしかしたらなけなしのお小遣いを貯めて来られている人もいるかもしれないが、本当にお金がなくて余裕のない人は、貯めたとしても他に使うべきものに使うだろうし、その中で占いに来られた方がいたら占いを提供せずに帰すべきだと私は思う。

このケースでの私なりの開運アドバイスとしては、
「お金がすでにあるのに、ないと思っている意識をどう変えるか、または変えられるか」が鍵を握っていると思う。
ここで占い師は引き寄せの法則を説明したり、十分な生活資金により今の生活が成り立っている事を一緒に確認したり、守護霊やら守護獣などの存在からのメッセージを伝える事で相談者の意識を変え、
「お金、既にこれだけあるじゃん」という気づきに繋げ、気持ちにゆとりを持たせる事が金運アップの第一歩になるのではないだろうか。
「お金こんだけまだあるじゃん。よし、もっとお金増やすために頑張ろう」
と相談者が前向きになれば自然と仕事も頑張れるし、「やっぱりないや」と改めて気づくきっかけになればもっと良い給料が出る企業への転職や再就職を検討するかもしれない。
他にも投資や節約、副業なども始めるきっかけにもなるかもしれない。
それが結果的に「開運した」という事になるのである。

もちろん、相談者もそこまで単純ではないので、それだけ説明すれば納得するなんてことは絶対にない。
占い師は占いのツールやお金の知識をフルに活用して占いの結果に説得力を持たせにいかなければならないため、勉強が必要だ。

ちなみに「これやっとくだけで安心だよ」というアドバイスは、
「実行までのハードルが低いアドバイスをする事で相談者が開運へ意識を向け、自ら行動する気になる」
というプロセスを期待する事もできるかもしれないが、
相談者の性格や気質によっては全く効果がないし、根本的な解決にはならない。
積み立てNISAなどの投資なら別かもしれないが、相談者は「お金の知識がないからお金がないように感じている」という理由もあるはずなので、勧めたとて相談者がそれをやる可能性はほとんどないような気がする(私もその辺知らないし知る気にもならない)。

「壺買え」「石買え」系統のアドバイスは一時的に気持ちの安泰に繋がるかもしれないが、結局壺やら石やらを買った事で「お金がない」に戻ってくるし、壺も石もお金を直接稼いではくれないので、結果的に「言われた事をやったけどだめだった。あの占い師インチキだ」と占い師にとってはマイナス評価になり、双方にとってメリットがないという事になる。

「これ持ってるとどんな事も上手くいくんだ〜」といった経験が過去にあるなら験担ぎ的な意味で取り入れることを勧める場合もあるかもしれないが、
「これがあったからこうなったんだ」と相談者が認識するまでには幾度もそう思わせるような体験や経験を重ねないと意味がないため、現実的ではない。
また、「お金がない」と相談しに来ている相談者は、「お金があるのにないと感じている」という強い思い込みの中にいるので、実行までのハードルが低いアドバイスをしたとて「本当にそんなんで金入るんか?本当か?」と疑われてしまい、意識変容もならず、最終的にはやっぱり「適当な事言われてあしらわれた。あの占い師インチキだ」になる可能性が高いため、メリットはない。
本当に本当に窮地に追いやられて明日食べるものもないんです、という人などには「神に祈れ」「朝日を拝め」などと内容を変えてそういったアドバイスをする占い師もいるかもしれないが、そもそもそんな人は占いに来ないし、来れない。

月並みな言葉だが、やはり最終的には自分が変われるかどうかになってくるのだ、と私は思う。
「開運」とは、「自分が変わった時」に成るものなのである。
占い好きの諸君はくれぐれも「開運」に踊らされないように。

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