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あなたへの手紙はここに。

この前、友人に同窓会の写真を見せてもらいました。
「女として結婚したい」そう言ってたあなたに「男性」の面影はなくて、「女性」として楽しそうにスカートを履いて「パートナーの男性」と一緒に映る姿にひっそりと泣いてしまいました。

僕が泣くことはもちろん、「おめでとう」なんてありきたりな言葉を残す資格はないけれど、残させてください。

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学生時代の一番の思い出は紛れもなく「あなた」なんだけれど、純粋に祝えなくしてしまったのは僕で、今こうして謝りたいのも僕だけなんだと思います。学校からの帰り道は必ず一緒で、悪さをするのも、勉強するのも、誰かを好きになるのも、全部一緒だったよな。「どっちが付き合っても文句言うの無しな」なんて言いながら告白して2人ともフラれた中学2年の6月。「もう恋なんて一生せん!!」って2人で並んで食べたアイスの味なんて覚えてないけど、あれが青春だったって記憶だけはあります。

「女として生きていきたい」

いつからか一人称が「わたし」になったあなたが、いつも通りの学校帰りの道で教えてくれた本音。何度もしつこく言ってくるからって言い合いになったこと、勢いで「気持ち悪い」って言ってしまったこと、後悔してます。

僕が「バイセクシュアル」だと公言したこと、まだあなたは知らないかもしれません。よければ「今更何言ってんだ」って笑ってください。
あの頃の僕には誰かのセクシュアリティを受け止められるだけの器も、多様性を聞き入れられるだけの余裕もなかったのだと馬鹿にしてください。
嘘ではなく、ただあなたを受け入れられるだけの器を持ち合わせていなかった自分を過大評価して過去の自分を正当化しようとしたりしましたが、どうにも今更あなたに「ごめん」なんて言えそうにありません。

もし「いいじゃん」って言えてたら、なんて何度も思ったりしたけれどその度に過去の自分をちょっとでも許した気になってました。ただ、あなたの隣で笑い続けられなかった言い訳です。

もう一つ、後悔してることがあります。
「気持ち悪い」なんて言葉と共にあなたと距離を置いてしまったこと。自分と違うことを受け止められなかったこと、そこから逃げ出してしまったこと、「いいじゃん」ってたった一言を言えなかったこと。今でもたまにあなたと仲が良かったらって思い返したりします。返せてないLINEの最後はあなたからの「ごめん」って一言だってこと気付いてます。

「突然あんなこと言ったの後悔してる」ってあなたが僕に謝ろうとしてたこと、友達伝いに聞きました。

今更どんな顔してあなたに会えば良いのかわからなくて知らないフリを続けてます。いつだって「大丈夫だから」って許してくれるのはあなたでした。
綺麗な思い出で終わったと思っているのも僕だけで、勝手に僕が悪いからと終わらせてるのも、「大丈夫だから」って許してくれそうだよな。

今のパートナーと結婚を考えていること、その友人代表の挨拶を僕にお願いしようとしていること、「おめでとう」って「ありがとう」って伝えさせてください。

今度こそ、自分の言葉で伝えにいきます。


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