第40回(UNRESS)的東京ポップアップ

2019年10月23日 07:57

波乱の幕開けでだった東京ポップアップストア、、、

台風の影響で一時は開催自体も危ぶまれましたが、様々な好運も重なり（日程はズレてしまったものの）無事に開催できてよかったです。
会場にお越し下さった皆様ありがとうございました！

○ストーリーを紡ぐということ

やはり直接お客様と会話しながら、実際の商品にも触れていただきながら僕らの想いを届けられる機会は貴重です。
モノ自体のクオリティは勿論のこと、、、
僕らが一貫して大事にしてきたのはストーリーです。
そこを知っていただいた上で手にとって頂くことが新たな化学反応に繋がると信じています。

実際に試着頂いた皆さんを見ているとそれがよくわかります。
それぞれの見た目の特徴だけでなく、皆さんのバックグラウンドと僕らのストーリーが共鳴した時、同じ服を身につけたとしても全く別物に生まれ変わるのです。
同じ服だけどどうしてこんなにもそれぞれ印象が変わるんだろうといつも思います。
着る人に服が染まるというか…服に着る人が染まるというか…
たかが服、されど服…服を通して垣間見えるそんなゆるやかな変身にいつも驚かされます。
すごく興味深い現象です。モノを作ることに携わるようになって感じた大きな発見ですね。
これを自分の目で感じれるのがとても幸せなんです。たぶん作り手側の醍醐味なのではないでしょうか？

そしてきっと皆さんのもとへ旅立って行った服はここから更に変化を遂げるのだと思います。

そう思うと僕ら作る側は“きっかけの種”しか作れてないんだなぁとも思います。
服が服としての機能を果たす以上に、服を通したそんなストーリーは枝分かれして、皆さんを通してまた異なる魅力を開花させる。

まだ後半の愛知ポップアップストアが残っていますが、是非今後も手に取って下さった方々と沢山のストーリーを作って行けたらいいなと思っています。

○顔とアップデート

さらに（UNRESS）的に感動したのは、今回のアイテムの顔であるこのRIRRAジャケットとRINNEスカートのセットアップが皆さんから大きな評価をいただいたことでした。

実はこのジャケットは思わぬ副産物だったのです。

当初、（UNRESS）の定番にして象徴のようなアイテム、スカートをさらにアップデートする為にはどうすれば良いのか？既にスカートを手に取っていただいた方にもより深い想いを伝えるにはどうすれば良いのか？という話し合いが行われました。

アップデートというのはそもそも先代のアイテムをより良くするという意味もありますが、それは先代を否定することではなく、新たなモチーフやアイデア、素材などを掛け合わせることによってオリジナル性を強めていくことだと思っています。大衆には受け入れられないかもしれないけれど、それを求めている方々にとってはこれ以上にない。そんな唯一無二なニーズ、存在に近づけていく作業だと思っています。

同時に、そんな存在の服を既に手に取っていただいた方にも新たな発見として受け入れて欲しいという想いもあります。

ですのでアップデートとは、振り切り過ぎず、かといって驚きも備えたものでないといけない試みなのだと思っています。

そんな中で完成したのが今回のこのスカートでした。

そんな時でした。

このアップデートにはまだ続きがあるのではないかと…

実際に出来上がったスカートを手に取ってみて、着用してみて思ったことなのですが、このスカートには“パワー”がありました。そのパワーの行き場が実はなかった。勿論生地感が秋冬向けということもありましたが、それ以上に（UNRESS）の他のアイテムとのトータルコーディネートを考えた時、どうも他が食われてしまう予感がありました。これは悪い意味ではなく、“満たされない”と言った感覚でしょうか？それ自体で十分魅力的なのに他を立たせようと気遣いが過ぎるほどパワーのあるアイテムでした笑。先ほどもアップデートの話で書きましたが、これはある意味うまくエッジが立ってアップデートできた証拠だと思いますが、どうにか満たしてあげたい、落ち着かせてあげたいと思った時に思い浮かんだのがこの…

RIRRAジャケットだったのでした。

素材感を統一したセットアップ仕様にすることで全体に締まりが出て落ち着きも増し、ようやくパワーがいい方向に“抜けた”のでした。

少々じゃじゃ馬な、いや、全然服としてみたら僕が書いてきたことなんか例え話にしかなりませんが、少なくとも僕にはそんな存在だったこのスカートがこのジャケットに出会ったことで全く違う顔を見せてくれるようになりました。それと共にこのジャケットがスカートに寄り添うかのように独自の顔を見せてくれたことにも驚きました。つまり相乗効果で高め合う特別なアイテムになったというわけです。

そんなアイテムを今回手に取り、着用してくれた方々が（僕的背景は置いておいて笑）何かを感じ取って良いと言ってくれたので心底嬉しかったのです。またフラッと立ち寄った外人さんが褒めてくれたのも嬉しかったです。女性に限らず、男性の方にこのセットアップの良さをキャッチしてもらえたのは余計嬉しかったですね。

このセットアップこそ着て実感して頂きはじめて伝わる、正にポップアップに相応しい“顔”なのです。