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【 White page 1 】

夜の街で君を見かけたと聞いたよ
君の噂はどれも悪意と興味本位に満ちて
僕は耳をふさぎたかった
君が変わってしまったのは
いつからだったろう

恋人が死んだ夜
泣きながら街を彷徨って
彷徨って 彷徨って
雨に打たれた君は ずぶ濡れのまま
ドアの向こうにたたずんでいた
僕の胸に崩れ落ちた君は
幼い頃の泣き顔そのままで

銀世界を
真っ赤なコートではしゃぎまわった
小さな君を思い出す
雪のように清らかで
僕にはいつも君はまぶしく輝く希望だった

僕は君を見失ったりしないよ
どんな君でも 僕にはいとおしい
すり抜けてしまう君の心が叫んでいるから
僕は君を見失ったりしないよ


#詩物語