【　　Marriage　　～　伝言　～　】

繋いだ手のぬくもりは
いつも変わらずに　ここにある

「病める時も　健やかなる時も
汝　これを愛するか？」

”健やかなる時”の私を知らないあなた
常にどこか体を病んでいる私しか
知らないあなたが
いつも変わらず　ここにいる
離れている時も
心の中に
互いの心の中にいる

これからどのくらい
一緒に時を紡いでいけるでしょう
たぶん　私のほうが早く
この地上から去るでしょう
そして　あなたの未来は私よりも
長く続くでしょう

私が地上を離れる時
あなたに託したいものがある
どうか　私のゆり椅子を守って・・・
窓辺に置いて
そして聖書を乗せておいてね
お部屋の片隅に
聖画と愛する独り子の写真を置いてね
夕暮れ時が好きだった
私の愛する独り子と私の為に・・・

もう命を宿すことのない私を
どうか　赦して欲しい

私が地上を離れる時
手を繋いでいてね・・・
そしてそこからまた
あなたの未来が続いていく
迷わず歩み続けて欲しい
天から見守っているからね

”その日”を迎えるまで
手を繋いでいてね
”その日”を迎えるまで
一緒に時を紡いでいきましょう
失うことのないぬくもりを
抱きしめながら