ソーシャルゲームの「離脱」を数値で分析する

とりあえず30分で書けるところまで書いてみます。

ソーシャルゲームにおいて「ゲーム人口」や「熱中度合い」が最も分かりやすく表れる数値が「継続率」及び「DAU/WAU/MAU」です。売上もそうですが、シノアリスの場合はガチャ依存なので、あまり参考にならないかも。

まずそれぞれの用語について解説しておきましょう。

継続率の定義は運営会社によって若干違いますが、例えば「翌日継続率」であれば、今日遊んだ人が明日もプレイする率を意味します。「翌週継続率」であればログインした人が1週間後もログインしている割合、という感じです。

また会社によっては「FQ5」という5日連続ログインという指標を使うケースもあります。これは「5日連続ログインするとそれ以後もプレイしてくれる可能性が高いため。それもあって多くのサービスでは日にちによるログインボーナスや報酬が用意されています。

ちなみに筆者のざっくり経験からですが、新規の翌日継続率は40~60%、1週間後継続率が、20~35%、1カ月後継続率が10~20%程度のことが多いです。なお継続率は通常「新規」の継続率を見ることが多いです。既存ユーザーの場合は大体1.5倍くらいになることが多いです。


■あるソシャゲの日別新規継続率

新規継続率はダウンロードに繋がった集客施策や、初心者をどこまでサポートできているかによって変わります。また既存ユーザーの継続率を見ると、どの日やイベントをきっかけにログイン率が落ちた・伸びたかがわかります。

もう1つのDAU・WAU・MAUは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。それぞれDaily / Weekly / Monthly Active Userです。Dailyであれば、その日のログイン人数、WAUであれば、過去7日間のログインユニーク人数(同じユーザーが複数回ログインしても1人とカウント)、MAUは過去28日あるいは30日間になります。

3つの違った単位で見るのは、Dailyは直近の施策(ガチャやキャンペーンなど)の評価をするため、そしてWeeklyやMonthlyは中長期的ね傾向を見るために利用します。

さて、用語の説明も終わったところでそれぞれの関係を見ていきましょう

DAUは日々大きくぶれる

DAUは上記に書いた通り、日々大きくぶれます。週末の方がログイン人数が多いとか、ガチャの開始などによって変わります。以下はあるサービスのDAUの推移です(一番上の水色の線=DAUです)


しかしDAUだけ見ていては、サービスが成長しているか、減退しているかを把握することが出来ません。そこで、他の期間も見るわけです。

こちらは下から順番に、DAU/WAU/14日前/MAUを日ごとに現したデータです。4月中旬くらいに、DAUが大きく伸びていますが、すぐに戻ってしまっていることがわかります。

また1月から数値を見ていくと、少しずつMAU(一番上の線)が伸びていることも分かります。これはDAUだけ見ていてもわからない気づきです。少しずつユーザーが増えていることをMAUを見ると発見することが出来ます。

ただある日に行った施策がMAUにどういう影響を与えたかをしるためには、1か月後くらいにならないとわからないので、これら指標は使いわける必要があります。

WAUやMAUが減り始めたら、ゲームの人口が伸び悩んでいる状態に

上記に書いた通りですが、WAUやMAUが減り始めるというのはサービスにとって危険な兆候です。もちろん新規会員数が伸びていないという課題もあるかもしれませんが、多くのサービスの場合はよっぽどのことをしない限り(例:テレビCM)、新規会員数は基本リリースしてからある程度(数か月くらい)経つと伸ばすことが出来ません。

つまり減っている=既存プレイヤーが遊ばなくなっている という風に考えることが多いです。

さて、こんな時にサービス側はどうすればよいのでしょうか?代表的な施策はカムバックキャンペーンかもしれません。しかし、筆者の経験上この施策の効果は極めて限定的です。なぜかというと、「ゲームを辞めた理由が解決されないまま無理やり戻しても、またすぐに辞めてしまう」からです。

ゲームのシステムが面白くなくて辞めた人を呼び戻しても、そのシステムが変更されていない限りは、(報酬に釣られて=ガチャが回せるから)戻ってきても、すぐに辞めた理由を思い出しちゃいます。


そこで、サービスとして大切なのは「離脱分析」を行うことです。厳密にいうと「離脱兆候分析」といっても良いかもしれません。離脱をどう定義するかは会社にもよりますが例えば「7日以上ログインしてない」「14日以上ログインしてない」などが代表的です。

そして、これら離脱したユーザーがなぜ離脱したのか。つまり「離脱した人の離脱する前の行動」を分析するのです。そこで何か特徴的な傾向が見つかれば、「離脱する前に対策を打つ」ことが可能かもしれません。具体的な施策に関しては、ここでは割愛いたしますが(施策によっては特定されそうな感じもするので 笑)どういった「特徴的な傾向」があるかを最後に記して終わりたいと思います。

代表的なものは

1)使った金額に対して見合った成果が返ってこなかったか(ガチャやイベント)
2)ギルドが解散した
3)少し前くらいからログイン頻度が減り始めた
4)成長実感が持てていない(個人やギルドの伸び悩み)
5)他サービスのリリースの影響

辺りでしょうか。他にもサービス側でどうしょうもない事情が起きている場合も当然あります。

ちなみにギルドの参加有無やアクティブ率は経験上、ものすごく継続に影響を与える要素です。サービスとしては、ギルドに入っていな人を少しでも多くギルドに入ってもらうことが、継続率アップの王道になります。

繰り返しになりますが、離脱した人を戻すのは難しいので、離脱前にそうならないようにする事が求められていると筆者は考えます。

シノアリスの場合は、どのような数値になっているのか興味深いところです!

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