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人物クロッキーやデッサンに使う、おすすめの画材は? その1


みなさん、短くなった鉛筆ってどうしてますか?
鉛筆に限らず画材って魂や念?みたいなものが宿っているようで、信心深いわけではないのですが、捨てるときになんとなく躊躇してしまいます。(結局捨てますが)
さておき、クロッキーやデッサンに使う画材はさまざまです。

描く道具:鉛筆、コンテ、パステル、木炭、ペン、筆、etc
支持体(
絵画が描かれる面):紙(といっても種類たくさん!)キャンバス、板

クロッキーということで、線がメインになってくるとは思います。自分が描きやすい、表現したいものに向いているものを選べば良いのですが、それぞれの道具には特性があり、表現の向き不向きがあります。支持体との組み合わせも考えなければなりません。

ここでは、よく使われる代表的な描く道具を解説します。長くなりそうなので、何回かに分けて解説していきます。

鉛筆

線     ★★★★
陰影    ★★
表現の幅  ★★★
扱いやすさ ★★★★★

良いところ
クロッキーでは一番ポピュラーな画材。
持ち運びも楽で、手が汚れない。
筆圧で濃さをコントロールできて、尖らせれば細い線、寝かせて描けば素早く面を塗ることもできる。
水に溶けたりしないので、水彩の下書きにも使える。
描いた線は、消しゴム、練りゴム(※1)で消せる。
どんな紙にでも大抵描くことができる。
硬い鉛筆(HB以下)は、薄くて表情のないクロッキーになりやすいので、できるだけB以上を使いましょう。
欠点
一般的に字を書くことに慣れている道具なので、硬い線の表情に陥りやすい。
黒ではなくてグレー、そして艶がありテカる。
木炭と比較すると、面や線の強弱は弱くなる。
硬い線を引くには向いているが、木炭等と比較すると、陰影を入れるのは硬い画材のため均一な面を作るのが難しく、大きい紙だと尚更。



自分はテカりが好きでないため、あまり鉛筆を使っていませんでしたが、コントロールのし易さもあるので、線メインで描くときに使ったりします。
カッターで芯を長めに出すのは、しょっちゅう削る必要が無いからです。クロッキーであれば、先を尖らせすぎると線に表情が付けにくくなるので、ある程度丸みがあった方が良いかと思います。理由は色々ありますが、シャーペンを使うのは止めましょう。


木炭

線 ★★★★
陰影 ★★★★★
表現の幅 ★★★★
扱いやすさ ★★

良いところ
モノトーンであれば、最強の画材。木炭のせ方で強弱の幅がつけられる。
重ねていけばどんどん濃い表情が作れる。
寝かせれば鉛筆よりも広い面を塗ることができる。
こすったりすることで、様々な表情が出せる。
ガーゼや練りゴムなどで消すことも容易。
パンやガーゼよりもティッシュが案外良い。
欠点
初心者には扱いが難しく、慣れが必要。丁寧にコントロールしないと、どんどん汚れていく。
手が汚れる。
木炭紙が必要。木炭紙以外でもOKだが、表面がつるつるだと木炭をのせにくい&取れやすくなるため、メリットを生かしにくい。小さい紙に描きづらい。
すぐ取れるので、保存時フキサチーフ※1などで定着させる必要がある。
(※1)画材を定着させるためのスプレー


木炭といえば長時間デッサン、みたいな考え方をされていますが、海外のアーティストはドローイングにも木炭使ったりしています。うまく扱えば、けっこうカッコいい線や柔らかくも強いトーンが作れる。モノクロでは是非マスターしたい道具。

チャコールペンシル(木炭)

線 ★★★★★
陰影 ★★★★
表現の幅 ★★★
扱いやすさ ★★★★

木炭が鉛筆型になったもの。

良いところ
木炭の良いところとほぼ同じ。手が汚れない。
標準的な柔らかさの木炭と比べ、やや固めなので紙の選択肢も広がる。
木炭と併用も可能。
欠点
木炭とほぼ同じだが扱い易さは断然上。木炭のように寝かせて描くようなことは出来ない。
鉛筆よりは柔らかいので、すぐ折れる。


コンテ

線 ★★★★
陰影 ★★★
表現の幅 ★★★
扱いやすさ ★★★★

良いところ
乱暴な言い方をすれば、鉛筆と木炭のいいとこ取り。木炭よりも粘りがあり硬いので、支持体の選択肢は増える。練りゴムなどでそれなりに消すことができる。寝かせて面を塗ることも容易。白や赤、茶色のコンテもある。
ハードパステルはコンテにほぼ近く、同じように扱うことができる(ハードパステルは別の記事で解説します)
欠点
あまりこれといった欠点は無いが、木炭よりはやや表情が薄く、消しづらい。


墨汁(筆、筆ペン)

線 ★★★
陰影 ★★
表現の幅 ★★★★
扱いやすさ ★★

良いところ
個性的な線が引ける。表情が美しい。かすれも上手く使える。
上手く描けるとかなりかっこいい。
筆の種類で太さを変えることができる。紙をあまり選ばない。
割り箸を鉛筆のように削って墨汁を使う割り箸ペンという使い方もある。
欠点
大胆な線が引けないと、墨汁の良さが出ない。けれどもほとんど消すことが不可能なため、慣れが必要。あまり携帯性が無い。服に着くと全然取れない。

画像は筆ペン

ボールペン

線 ★★
陰影 ★★
表現の幅 ★★
扱いやすさ ★★★

良いところ
とにかく手軽で、削ったりする必要が無い。
均一な線が引ける。汚れにくい。
欠点
消せない。線に幅が無い。表情に乏しい。あまりかっこよく無い(笑
何か狙いがあって使うのであれば良いですが、絵の練習という意味ではあまりオススメ出来ない道具です。

ーまとめー

代表的な道具を取り上げましたが、いかがだったでしょうか?
クロッキーの場合、線がメインとなるため、陰影に時間をかけて描く長時間デッサンとは少しニーズが違うと思います。
細い道具ほど、ちまちまとした線を引きがちです。
鉛筆ばかり使っている人は、木炭など、他の道具も試して見ると新しい発見があると思います。いきなり木炭は難しいと感じた場合、是非チャコールペンシルや、コンテを試してみてください。

ここで解説した以外の道具や使い方とかありましたら、コメント欄などでぜひ紹介してください。

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