コロナと学校その①~学校の役割~

 コロナウイルスの影響により、多くの方々の生命が危険にさらされている現在ですが、学校教育も常に感染の不安を抱えながら行われています。今回は、学校が休校だった時のことを少し書きます。

 休校期間中は、なんとか学びが遅れないよう学習プリントを配付しに子どもの家をまわったり、家にいることができない子どもに自学自習室を開放したりなどそんなことをしていました。開放時間は7:30~15:30。開放といっても、何も持ってこない子どもには折り紙やプリントを渡したりNHKの番組を見せてリフレッシュさせたりしてました。

 そんなときに保護者からかかってきた電話を今でもよく覚えています。朝受け取ると、「今日も預かり保育はやっていますか?」というお言葉。一瞬、「え?何それ?」と思ったのですが、「ああ。自学自習室のことですね。」と返答しました。

 私は思いました。保護者の方にとって、自学自習室の開放は預かり保育なのだ。これも教員の仕事か。

 そして、学生の時に学んだ『学校駐車場論』なるものを思い出しました。これは当時学力至上主義に傾倒していった学校教育に対するアイロニーも含んだ考えなのですが、学校の役割は駐車場であると。そして、教員はそこの管理人なのだと。つまり、登校(車庫入れ)から下校(精算)まで安全に過ごせればOKということです。

 コロナによる休校の時、「子どもの学習権が侵害されている」「早期にオンライン教育の充実を」といった記事をいくつか見ましたが、オンライン教育関係の機器の整備が不十分な勤務校では、子どもの顔を見ることもかないませんでした。でも、「子どもの学習どうなっているんだ。」という質問や批判は学校には来ませんでした。代わりに預かり保育の電話です。

 これはいよいよ学校の最大の機能は「子どもを長時間預かること」ということになるのではないでしょうか。勉強を教える、食事も提供する、友達と遊ぶことはサブなのかもしれません。

 そんなことを考えたので、覚書として書かせていただきました。現在は、休校も明け30人の子どもの笑顔に囲まれています。集団で過ごすことになったので、コロナ対応はより一層行っています。その辺の話はまた今後にします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?