コロナと学校②~子どもの逞しさ~

 休校により削減された授業時数を補うために夏休みを短縮している自治体が多く、私の勤務する学校も例年よりも夏休みが短くなりました。分散登校が終わりクラス全員がそろった中での学校の様子や考えたことを記録したいと思います。
 人々が生活するあらゆる場所がこれまで通りではいかなくなってしまったと思いますが、学校も同様です。まず、3密対策のため、換気や消毒の徹底と多人数が集まる学校行事は延期または中止になりました。
 授業では特に音楽科と体育科において一層気をつけて授業を行いました。音楽科では、歌唱をせずにリズムにのりながら体を動かしたりする授業がメインでした。体育科では接触のある集団スポーツは避け、陸上運動系を行いました。また、マスクを外すタイミングにも気をつけていました。どちらの教科でも教員はマスク装着なのですが、暑さでなかなか大変でした。
 一日の授業時数も増え、子どもも教員も疲弊してしまいました。今後もっと増えて7時間授業なんてことにもなるかもしれません。
 休み時間には子どもたちは必ず手洗いをします。また、密集を避けるために場所を区切りながらの休み時間でした。梅雨も重なりなかなか外で思いきり遊べず、ストレスがたまってくる子どももいたことでしょう。少しでも楽しい休み時間にしようと映像コンテンツを見せるなどの工夫もしていました。
 個人的に最もしんどかったのが、給食です。マスクを外すので、絶対にしゃべらないように指導しました。でも子どもって黙っていられないです。子どもがしゃべるたびに注意しました。本当ならわいわい楽しく食べたかったですが、しかたありません。子どもたちがとてもかわいそうでした。
 あらゆる制限のなかで学習やさまざまな活動をする子どもたちですが、楽しみを見出だして笑顔で暮らしてくれました。そのことにとても逞しさを感じました。この状況に文句も言わず、とてもありがたいです。
 さて、コロナで浮き彫りになった学校の課題はたくさんあります。そのひとつに、教育課程の内容の多さと一クラスの人数の多さがあるのではないでしょうか。
 詰め込み教育への批判からゆとり教育に転じ、また時数と内容を増やしての現状だと思いますが、さらに外国語やプログラミング教育など子どもは大忙しです。また、一人の教員が40人近くの子どもと学びを展開しなくてはならない状況はどう考えても厳しいです。一人一分で自分の意見を述べたら授業が終わります。これが半分になれば、授業の質は倍以上になると思います。
 他にも学校教育の課題は多くあります。もっと良質な環境があればもっと有意義な学びが得られると思っています。そんな現状でも子どもたちは日々成長してくれます。そんな子どもたちの逞しさに感謝と尊敬、そして申し訳ない気持ちを抱いた一学期だったと思います。これから学校はどうなっていくのでしょう。私たち大人はどうしていくべきなのでしょう。

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