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こちらこそまた会えるよねと言わせてくれ

グッドモーニングアメリカは何時だって「ちょうどいい」バンドだ。
ポップ・ロックミュージックに胸が躍れば好き勝手踊れば良いし、金廣真悟の心に染みる声をしっとりと楽しんでも良いし、それこそメロディックパンクな曲では全身全霊で楽しんでいることをモッシュピットで表現しても良い。
所謂大人見勢でもライブキッズ達でも、その時の自分の感情に合わせて音楽を自由に楽しませてくれるバンド、それがグッドモーニングアメリカだ。

2020.1.24
この日の活動休止前ラストワンマンツアーの名古屋公演だけが私のスケジュール上、次にいつ会えるのかが分からない彼らに会える日だった。
一緒に参加した友人は整列中からもう既に泣きそうだと言っていた。私は色々思う事はあっても、今は目の前のライブを楽しむだけじゃん?と返したが、正直私も心の中のモヤモヤが明らかにあったのは確かだ。
開場から開演までの一時間、私と友人は今日のセットリストは何なのか、あの曲は演ってくれるだろうか、いや、結局聴きたい曲なんて全部じゃん、という実の無い話をずっと繰り返していた。

いざ開演時間となり、いつものたなしんの皆を笑顔にする寸劇も「今までの衣装を解放する」とのことでこれがまた活動休止前のライブだと胸に来る。
開演前までの一時間の間のセットリスト予想には一切無かった一曲目からの「言葉にならない」で正に言葉にならない。エモーショナルなメロディックサウンドで早くもモッシュピットは心に正直なキッズばかりで歌詞をなぞるかのように想いで溢れんばかりだ。

その後もアブラカタブラ、コピペ、ディスポップサバイバーとこれぞグッドモーニングアメリカのポップ・ロックミュージックを連発し、自由に体を揺らす者からモッシュダイヴと彼らのライブを楽しむ者が大勢だ。

ライブ中盤の光となって、あなたの傍に猛ダッシュで、風と鳴いて融けてゆけの彼らの皆に寄り添ってくれるようなエモーショナルサウンドの連発に周りのオーディエンスは何人も涙を流していた。


そりゃそうだ、ただでさえ次にいつ彼らを見ることが出来るのかは分からない心のモヤモヤがずっとある状態で「名古屋最高だ!本当に楽しくて仕方ない!」と連呼するメンバー達を見るも心の中では「メンバー達がバンド活動を続ける為に活動休止を選択したんだ!だから皆が楽しいなら活動休止なんてしないで!なんて言っちゃいけないんだ!」というような自分の気持ちと闘うグドモクルーは気が気であるワケが無い。私も例に漏れず涙を流し、友人に至っては光となっての際過呼吸になるのではないかと思うくらい泣いていた。

この日はダブルアンコールまで行われた。鳴りやまないアンコールはオーディエンスの正しく全員一丸のもので、それが彼らを2回もステージに呼び戻したことに違いない。金廣真悟曰く、シャワーを浴びる気満々だったとのことだが、こちらとしても彼らの音のシャワーは一秒でも浴びていたい気持ちに偽りはない。

あっという間の二時間強であった。友人とで駅まで向かっていく中でその時に話した事は「今日イチ、ニッ、サンでジャンプ演ってないじゃん!」や「マイライフ聴きたかった~!」等のいつものライブ終わりに話すような内容の会話だった。どれだけいつも以上にライブ中に涙を流そうが、グッドモーニングアメリカというバンドの楽しさは何時だって変わりは無い。

今回聴けなかった曲は次回何時になるのだろうかなんて話は私達は勿論、メンバーだって分からない話だろう。活動再開をした時私達はどんな顔をしているのだろうか、彼らにまた会えた喜びで泣いているだろうか。その時どれだけ自分の心があらゆる要因でグシャグシャになったとしていても、ライブ後はまたこの時の帰り道のような会話を友人としているだろう。そう、グッドモーニングアメリカは何時だって「ちょうどいい」バンドなのだから。

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