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令和六年四月二十日 大光山 本圀寺(だいこうざん ほんこくじ) 京都市山科区/滝尾神社(たきおじんじゃ) 伏見区/伏見神寶神社(ふしみかんだからじんじゃ) 伏見区


何かと色々あって続きを書くのにえらく時間がかかってしまった..

さて京都二日目、本圀寺へ。宿泊場所の最寄駅から地下鉄で御陵(みささぎ)駅で降り、琵琶湖第一疏水沿いを歩く。ただ緑。

朱塗りの「正嫡橋」を渡る。

建長五年(1253年)八月に日蓮聖人が鎌倉松葉ヶ谷に建立した法華堂が本圀寺の起源という。貞和元年(1345年)四祖日静上人の時に鎌倉から京都へ移る。

本圀寺にゆかりの深い人物の一人に、日蓮宗の熱心な信者だった加藤清正が挙げられるが「開運門」(別名赤門)とも呼ばれる朱塗りの山門も清正公により寄進されたものらしい。この門を「南無妙法蓮華経」と唱えくぐると、清正公の勝運にあやかれるといわれている。

開運門をくぐりすぐ左手にあるのは題目を記す帆を掲げた七福神の乗る船の彫刻と手水舎。

その右隣には「九名大尊神」の扁額が掲げられた九名皐諦堂(くみょうこうたいどう)。中に祀られる「くみょうさま」と呼ばれる九名皇諦尊女は、天文法難(1536年)の時、大火の中に姿を現し危機を救ったと伝えられている。

寺務所前の「おとぼけの龍」….

金の金剛力士像が左右に控える「中門」。

本堂の前には日蓮聖人立像。

本堂の右側には「九頭龍銭洗弁財天」が祀られている。九頭龍王は、八大龍王の中
の一柱で、金運・財運の御利益があるとされている。この金色に輝く龍から流れ出る御霊水で銭を洗い、浄財袋に入れて持ち歩くと人生の災いや厄を祓い、お金を清め金運・財運に恵まれ福を呼ぶと言われている。

朱の鳥居は何年か前までは黄金の鳥居だったようなのだが…


玉房稲荷大明神



次に向かったのは伏見、東福寺駅近くの「滝尾神社」。神額には「滝尾宮」とある。

神社の創建や由来は不詳。御祭神は、大国主神(おおくにぬしかみ)、弁財天(べんざいてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)。歴史は古く「源平盛衰記」に旧名「武鶏ノ社」の名が記され、東大路の五条あたりから応仁の乱などで場所を転々とし、豊臣秀吉の大仏殿建立に伴う移転で現在地へと移されたらしい。江戸時代の初期には幕命により、社殿を修理、社名が瀧尾神社となる。

またこちらの神社は百貨店の「大丸」との関係が深いらしい。大丸の繁栄は創業者である下村彦右衛門正啓が自宅のあった伏見京町から行商へ行く道中にあった滝尾神社に毎朝欠かさず参拝していたたためとされるが、今は百貨店の在り方も随分と変わってしまった。

本殿は、平安京以前からの降雨・止雨、水を司る龍神、高龗神(たかおかみのかみ)を祀った貴船神社奥院旧殿を移築したもの。

本殿には阿吽の龍をはじめ、獏、鶴、鳳凰、尾長鳥や水鳥、霊獣の犀や麒麟、回廊には十二支の動物の彫物で飾られている。これらは江戸末期の京の彫物師、九山新太郎の作品。


こちらが木彫りの8mの龍が天井に据えられている拝殿。前日の建仁寺をはじめ龍の天井画はいくつもあるが、立体は珍しいのではないか。こちらも九山新太郎作。


三嶋神社
金刀比羅宮・瀧尾天満宮 ・愛宕神社・妙見宮・大丸繁栄稲荷




滝尾神社の後は「伏見神寶神社」へ。

伏見稲荷千本鳥居の途中を右に外れ、ちょっとした山道を歩くと石造りの鳥居が見えてくる。


伏見稲荷大社の摂社・末社ではなく独立した神社のため伏見稲荷の公式サイトの境内マップには掲載されていない。

主祭神は天照大神で、稲荷大神を配祠、十種神宝(とくさのかんだから)を奉安している。十種神宝とは、龍神祝詞に出てくる「〜十種の御寶を己がすがたと變じ給いて〜」のそれである。創建は平安時代初期で、かつて稲荷山に祀られ、宇多天皇をはじめ皇室の信仰も篤かったが、中世以降衰退し、昭和三十二年(1957)年この場所に再建された。

二つ目の鳥居をくぐった奥が拝殿。向かって左が「地龍」、右が「天龍」の狛龍が鎮座し、梁には「六根清浄(ろこんしょうじょう)」と書かれた扁額が掛かかる。六根とは人間の感覚である視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感に心を加えたもので、汚れに触れたときに神徳をもって清浄に保つという意味を持った祝詞。


境内の摂社のひとつ「龍頭社(りゅうずしゃ)」には、稲荷山の地主神とされる龍頭大神が祀られている。西陣織の金具の龍頭にちなみ“衣の神様”とされている。

祠の横には水面から頭を出し天を仰ぐ龍頭像ある。口にくわえている宝珠を回しながら祈ると願いが叶うとされている。


龍頭の「おもかる石」。お賽銭を入れて、願い事を祈り、そのあとに「おもかる石」を持ち上げた際に、“石が軽い”と感じたらその願いが叶う、らしい。

境内の一番奥にある赤い鳥居と竹の鳥居。(竹が鳥居であるとは現地では
気づかず…)両鳥居の下には「たけのこ石」と呼ばれる降臨神石が祀られている。
またこの場所は竹取物語発祥の地の一つと言われている。


たくさんの龍に出会えた2日間だった。



龍神ボニーとともに、龍神様の神社を巡る 80

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