お金のいらない国の発想

私が『お金のいらない国』を書いたのは1993年ですから、今から25年前になります。広告代理店に勤めている35歳の時で、クリエーティブ局でアートディレクターとして勤務していました。広告の企画制作をする仕事ですが、見積もりを書いたり、協力会社への支払いの調整をするなど、お金にまつわる仕事に、時間も労力もかなり取られていました。

ある時、人の間を回っているだけのお金など、なくしてしまっても社会は成り立つのではないかと思いました。お金がなくなれば、お金に関する仕事はすべてなくなるし、仕事に求められることや、その進め方も、全く違ってくるのではないかと考えました。そして仕事の腹いせに書いたのが『お金のいらない国』です。

実はその少し前に、私はスピリチュアリズムに出会っていました。それまでガチガチの唯物論者だった私ですが、この世がすべてではない、人はこの世限りのものではないと考えるようになりました。霊界にはさまざまな階層があり、いわゆる天国から地獄まであります。私は、天国にはお金は存在しないと考えました。ですから本は、『お金のいらない国』をそのようなイメージで書いています。

初めは、このさまざまな人間の混在する地球上には、『お金のいらない国』の実現は無理だろうと考えました。でも、その後、寸劇、落語にアレンジする際、話を分かりやすくするために、地球の未来という設定にしました。

本を出版したのは2003年、それから15年講演活動を続けてきましたが、だいぶ支持していただける方が増えてきました。この分で行けば、本当に地球上がお金のいらない世界になることも夢ではないかもしれません。今年還暦を迎えた私の寿命がいつまであるかわかりませんが、今後も、人類、地球の未来のために、やれるだけのことはやっていきたいと思っています。

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