『マネーゲーム』

お金の社会はまさしくマネーゲーム。物心ついた時からお金のゲームに参加させられているものだから、みんなそれがゲームだということに気づかない。

子供の頃は親からお小遣いをもらう。普通のうちの子はたいしてもらえないからだいたい使い切ってしまう。でもお年玉となると、結構まとまったお金が手に入るので、親に奪われる子と、貯金するように言われる子に分かれる。

貯金した子は、お金は利息が付いて増えるということを知る。だったらなるべくお金を貯めよう。お金持ちになろう。実はそれが勘違いの始まり。

お金持ちはすごいな。大邸宅に住んで、高級車に乗って、きっと毎日おいしいものを食べている。大人になったらお金持ちになりたいな。

大人になった時に就職を有利にするには学歴が必要。多くの人は熾烈な受験戦争に参加し、なるべく優秀な学校に入ろうとする。

世の中の仕事には、会社がつぶれなければそこそこの安定した収入が得られるサラリーマンから、プロスポーツ選手やアーティスト、芸能界のように、当たれば大きいが失敗すれば悲惨という博打のような仕事まで、さまざまなものがある。

人生は仕事以外にも、結婚したり、子供を育てたり、親の面倒を見たり。やることだけでもかなりいろいろあるのに、その上、ずっとお金のことを考え続け、心配し続けることになる。

運よく大金を手にする人もいるが、途中で大損したり、破産したりする人も出る。時代によって社会に必要な仕事は変わるし、人生はいつ何が起きるかわからない。

そしていずれは死に至る。本当は違う仕事がしたかった。でもお金にならないからあきらめたという人も多いだろう。お金はいくら残っているか。使わなかった分は稼がなくてもよかったのかもしれないし、下手に残すと子供たちが遺産相続でもめる。

で、実はお金というものに実体はない。マネーゲームが終われば、おじさんが印刷された紙切れか、ただの数字。一生そんなもののためにふりまわされるのが人の生きるべき道なのだろうか。

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