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灌漑 Irrigation その③

水やりの頻度

頻繁な水やりは逆に芝にとって害になりうる。病原菌にかかりやすく、踏圧にも弱く、元気もなくなり、天候による病気にもなりやすくなる。水の量を成長に必要最低限まで減らしていく事で、芝は改善されていく。
多すぎず、足りなさすぎず、土の中の湿気が丁度良いという量を見極める事が永遠の課題である。

科学的に水の適量を調べる方法は以下をもちいられる。①蒸散する水の量を調べる、②もしくは土壌の水分を測るという方法があるようだ。

①     蒸散で失われる水は、気温、風、湿気、土壌の保水力が関係してくる。蒸発皿(水を芝の上の皿におき計測)という物を日の当たる場所に置き計測できる。注意点は風が強くふく所を避ける事。蒸発皿からなくなった水がおよその良く散水された芝生から失われた水と考える事ができる。風の速さが増すにつれて、皿の上の蒸発の量が蒸散(芝が放出する水)を上回る。よって、通常の散水での芝の葉が乾燥しいて行く速さと、様々な条件の下での皿の水の量が蒸発していく量を併せて考える色々と試してみる必要がある。また曇りの日や涼しい時は、当然暑い日差しの強い時より蒸発の量が少なるなるので、散水の間隔は長くすることができる。根の深さ、サッチの暑さ、土壌の密度も蒸散に影響する。しかし蒸散皿の周りの土壌は変わらないので、成長期には調整が必要である。しかし、ゴルフ場の芝の管理者は蒸散皿を使う事によって、散水を必要最低限に減らし、芝にとっても良い結果を生み出している。

②     土壌の水分の測定はいくつからの機器によってできるが、一番役立つものはテンシオメーターである。多孔質のセラミック(陶器)のカップが先端についており、もう一方にメーターがついている。先端を一度水で満たした状態にて、土壌に差し込む。土が乾燥していると、カップから水が引っ張られ、水分張力を測る事ができる。10-30cb(Centibars)土壌に十分水があり※1、70cbでは最低限植物が必要とする水を含んでいる事を示す。テンシオメーターにて有効な数値を得るには、地形とメーターの深さを考慮しないといけない。デュアルテンシオメーターといものもあり、地表近くの浅い2インチ(=5.8センチ)の深さと5₋6インチ(12.7-15.24)の深さの値を、ただしく設置すると同時に得る事ができる。こういったものを使えば、浅い場所と深い場所の水分を記録していく事ができる。当然、うまくいくまで何度か試してみる必要があるが、効果的効率的な散水をもとめていくうえで、非常に価値のある行為である。


最初、造園屋さんに昼間は水をあげないように、と注意点はそれくらいだった。あとは各場所を30分(!)ずつほどしてください、との事で、今思えば、キノコが良く生えていたし、ぶよぶよのサッチやブラウンパッチも良くできていたた。

この文章を見て、水やりはやはり多すぎよりも少し足りないかなと思うくらいの方がよさそうかなと思う。実際私は測っていないが、多すぎたようで、土壌がぶよぶよしてきており、夕方の散水をとめた。

とにかく私の経験では、毎日何かしらの作業をして芝を見る事。これが大事。

※1: 土壌の湿り具合を表す値は、pF値(ピーエフ値)。1 centibars = 1 kilopascals pF=log(kPa×10.197)らしいです。

※2: こういったものを芝草管理研修で習った。

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