【詩】ペットボトル・フラワー
雨で煙る春の朝
通勤とちゅうにあるパチンコ屋の街路樹に
数本のペットボトルが捨てられていた
じぶんの庭でもないのに
汚されたような気がして
ちょっと嫌な気になった
雨はポツポツ降っていて
水滴で光るペットボトルのラベルを見ているうちに
このペットボトルたちが花の種だったら
どんな花が咲くのだろうか
と思い
描いていた
コーラの花
なっちゃんの花
三ツ矢サイダーの花
ジュースの色した
透き通った花びらが
雨粒を弾くたび
しゅわしゅわ
とくとく
ちゃぽん
とおいしそうに鳴っている
視ているうちに
気持ちが
清く涼やかになっていた
そんな五月の雨の魔法
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