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【詩】『珈琲風雅』

奈良駅の西
京都と橿原を南北に結ぶ国道24号バイパス
柏木町北の十字路を
西へ折れた先
そこに
ぷろばんすはある

誰が呼んだか珈琲風雅

春夏秋冬
日本庭園
めぐる季節の借景あり

店の奥には電話室
昭和レトロか
大正モダン
ジャズの調べが
優雅に給仕

エプロン姿のマスターは
巨匠の風格備えつつ
気配り目配りお手のもの
店のウェイターウェイトレス
適材適所に配役し
準備万端
いざ開幕さあさあ主役のお出ましだ

現れたるは
電気式サイフォンコーヒー
彼こそは
文明開化の申し子なり
目も麗し
黄金色の光源で
淹れる珈琲
漢字二文字
粋な熟語のネーミング
片やお連れはふれんちとーすと

誰が呼んだか珈琲風雅

和洋折衷
おもてなし
洒脱一服
見事なお手前

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