見出し画像

前十字靭帯


今回は前十字靭帯を切ってから復帰までの話。


お医者さんがいう

術後〇ヵ月で復帰できますよ。


は、その通りでもあるしその通りでもない。



やっぱり現実は甘くないよってことを
身をもって痛感した。


なんで前十字靭帯の話?って人は








前十字靭帯が切れてしまったら


みんなは想像できるだろうか?
膝がずれる感覚を。
スポーツにおいて膝の怪我はかなり多い。
接触、非接触関係なくとても負傷しやすい部分だと思う。
(体重もかかり、移動にも必ず負荷がかかっているから)

それでも膝がずれることは普通ない。
それは前十字靭帯がずれないように支えているからであり、それが正常だ。
支えきれなくなったとき、それからひねった状態で体重がかかった時
前十字靭帯は伸びたり、断裂する。


だから前十字靭帯があることで膝は大きなずれが起きず可動できるというわけだ。

じゃあ前十字靭帯がなくなったらどうなるか。
前の記事でも書いたが、ずれたときに軟骨がぶつかって
半月板をつぶしてしまう。
半月板は例えるなら膝のクッション材みたいなものだ。

その半月板がなくなったら、軟骨がすり減って膝は
スムーズに動かせなくなっていく。



このクッション材である半月板、つぶれたら再生しない。
一人に二つ(両膝)しかないのだ。
壊れたら治す、ことはできない。

前十字靭帯も同じ。断裂した部分が
自然にくっついて再建されることはない。
(内側靭帯と外側側副靭帯は自然療法で治る)

だからこそ、膝の怪我の中でも前十字靭帯断裂、または損傷(伸びる)
ことは致命的で、手術が必要となるのだ。



前十字靭帯再建とは


再生しないのに再建?と思うかもしれない。
でも再生はしない。どうするかをすごく簡単に説明する。
(自分が高校生の時、先生に聞いた説明だから若干違うところもあるかも)


ハムストリングス(もも裏)の筋肉の筋は3本、太い筋がある。
その3本のうちの真ん中の筋をとってしまう。


残った2本をリハビリで太く、強くすることで3本の筋には劣るが
同じ大きさまでもっていくことができる。ただし、手術前よりも大きな
筋力が必要となる。左右差をなくして初めてスポーツ復帰できる。


取った真ん中の筋(ハムストリングス)を何回も折りたたんで
前十字靭帯の代わりにし
両端を骨に埋めることで体になじんでいかせると、
血が通いだし、強度が出てきて前十字靭帯の代わりになる。


画像1

これが現代で最もポピュラーな前十字靭帯再建手術だ。


術後6か月~9か月で復帰できる。


と、言われている。




前十字靭帯が切れた後


画像2

こんな特殊な装具をつけさせられる。

すぐ手術できるわけではないので、それまでの間は膝を下手に曲げたりできないように、この装具をつけて日常をすごす。
だからもちろん松葉杖をついての生活。


どんどん腫れるのでとにかく最初は冷やして安静が一番。


自分の場合は1回目の時はすぐ手術ができたが
2回目(まだ話してない。笑)は1カ月半くらい手術できなかった。


復帰までの道のり


じゃあ6か月たてば復帰できるのかといえばそうでもない。

まずは失ったハムストリングスの太さを取り戻すところからリハビリは
スタートするが、ここで誰しもが挫ける。
自分はここで本当に心が折れた。(めっちゃ序盤)


まず手術までの期間で足の筋肉はほぼなくなる。
めちゃくちゃ足は細くなってしまう。
それに、手術によってハムストリングスの筋を取っている分
すごくつりやすい。
だから先生たちは簡単にリハビリして筋力を戻そうというけど
全然進めない。やろうとしてもすぐ攣りそうになって、の繰り返しだった。

それももちろん毎日やっていくうちに戻っていくのだが
リハビリをやっていて一番思ったのは
モチベーションの維持が大変だということ。

大抵の病院では通常の日常生活復帰を目指したリハビリが主で、スポーツ復帰を目指すリハビリとはすこし強度だったりが違った。
1度目の18歳の時は、信州大学付属病院
2度目はトヨタ記念病院
どちらも大きな病院だったが、スポーツ復帰というよりは
日常生活に支障ないレベルまでのリハビリしかしてもらえなかった。

だからサッカーができる強度にするためには、より高いモチベーションと
より強度の高いリハビリを継続する必要がある。
それを半年~9か月。


できない。普通の人じゃそこまでのモチベーションは保てない。
サッカーが大好きな自分でさえ、途中でモチベーションを失っていた。
目の前で同年代の奴がサッカーしている姿をみて刺激を受けても
やっぱりモチベーションを維持していくのは容易ではなかった。




サッカーができても復帰ではない


自分の感覚で話させてもらうと。
完全に復帰するまでには、1年半はかかる。

完全にっていうのは自分の思うようにプレーができて
感覚も自分の思うままに


っていう状態の事。(あくまでプロでもなんでもない自分の感覚)


医者さんのいう復帰自分のイメージする復帰は
全然違うということ。

これが一番のギャップ。

復帰おめでとう。じゃないんだよ。内心は。(笑)


ボールは蹴れる、シュートも、パスも、1対1もできる。

けどなんか感覚が変。
そんな印象だった。

それはピッチから離れた時間もそうだと思うけど、
サッカーから離れていた時間の中で自分が思い描いていたプレーと、
実際の自分とのギャップが大きい気がする。


それともう一つは膝にメスを入れていること。
どーしても手術で神経を傷つけてしまうことがあって、自分の場合は
脛の外側の感覚は今も戻らない。触られても、刺されてもあまり感じない。
鈍い感覚のまま戻らなくなってしまった。


だから納得いく状態になるまでには1年半はかかった。
半年では到底そこまで戻すことはできなかった。
(もちろんプロとかは専属でトレーナーが付くからもっと早いハズ)



最後に


じゃあどうすれば前十字靭帯断裂を防げるのか。
とにかく正しい体の使い方をする。
膝とつま先は常に同じ方向を向けて踏ん張ること。

変な癖がついている人は要注意。


少しの癖であっても試合中や咄嗟の際にはやっぱりその癖がでてしまって
なにかのタイミングが重なって切れることが多いハズ。


でもどれだけ注意していても怪我はしてしまうモノ。
だからこそ、自分がこの怪我をしてから大事にしていることは

いまある体が動くうちは積極的に活動すること。

動ける体があるのになにもしないのはもったいないとすごく思うから。
でもそういうことはやっぱり身をもって痛感しないと
人間わからないものだと思う。

こんな話を聞いて少しでも活動しようって思う人がいれば
それで十分かなと、個人的には思っている。


まだ2回目の前十字の話はしていないから、いずれ。(笑)

画像3


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?