アトツギを使うな問題を考える
こんにちは!たつみ@中小製造業応援団です。
大変ご無沙汰しています。久々にnoteの記事を書いてみようかと思います。
今日、こんなツイートが流れてきました。この記事を作成している時点(2022/05/05 22:55)でいいね128件・リツイート41件ですが、私のタイムラインはアトツギ業界の人のツイートで埋まりました。コメントも4件と少ないのにこの荒れ方は独特と勉強になりました。
さて、この人のものの言い方は下品すぎて気になるものの、重要な論点と思ったので、twitterでのマーケティングでの観点で整理してみたいと思いました。製造業、特にB2Bはマーケティングが難しいため、慣れていない方が多いと思います。私の意見はあくまでも参考にし、使い方を自分で考えてみてください。
なお、個人的に使っているアカウントは自由にすればいいものなので、本記事の対象ではありません。あくまでも企業や企業の代表としてビジネス目的で使用しているアカウントについての記事です。
結論
最初に結論を書きます。最後まで読んでいただくと、なぜ私がその結論に至ったかお分かりいただけると思います。
twitterは自由なツールなので、自由に個人的に使うのであれば、他人がとやかく言う話ではない
後継者と繋がりたい、後継者の役に立ちたい、といった場合には「アトツギ」は最適なワード!
プロモーション目的も考えているのであれば「アトツギ」は使わない方がいい
中小製造業・製造業経営者がtwitterを使う主な目的
そもそもtwitterアカウントはどういう目的で使うものでしょうか。主な目的は以下の通りです。
ブランディング
自社のイメージをアカウントを通して印象づける顧客への販促・PR・認知拡大
顧客に自社の製品・サービス・技術・強みを知ってもらう採用
入社候補・潜在候補に自社の雰囲気や仕事の姿勢などを知ってもらう協力者(候補含む)とのコミュニケーション
ビジネスパートナーや相談相手など、相互協力する相手を見つけ、関係を築く
twitterは日本での利用者数がLINE、Youtubeに次ぐ3位のSNSです。世界では13位ですが、それでも非常に強力なツールですね。そのツールをアカウント運用する限りでは無料で使えるので、うまく使えば目的に向かえると思います。うまく使うことが異様に難しく、非常に地道な努力が必要ではあります。
「アトツギ」は同系統コミュニティーワード
「アトツギ」を最初に見つけた時は目からうろこが落ちる思いでした。製造業のコミュニティを探していたのですが、製造業のコミュニティってオンライン上では非常にレアです。「アトツギ」は製造業特化ではないものの、非常に製造業の後継者の方々が多く、かつtwitterを使っているというだけでリテラシーがある程度高く、さらにうまく使っている人を見ると素晴らしい方も多くおられます。「こんなワードがあったのか!」とビックリしたことを覚えています。
後継者同士の何気ない日常のやり取りはつながりを作り、困ったことへのツイートへの返信は後継者のモチベーションを支えることになっているな、と眺めています。
「アトツギ」は使わない方がいい?
プロモーション目的でリスクを最小限にしたいのであれば使わない方がいいです。私は仮に今から後継者に戻ってもまず使いません。
以下、理由です。
顧客やビジネスパートナーにとって後継者かどうかは関係ない
後継者と自ら言っている間は本当のトップになれていないと思う
中小製造業の経営者の大半は後を継いでいる。特徴は何もない
例えば私がビジネスパートナーとして新たに付き合い始めたとした場合、twitterアカウントを見て「アトツギ」と書いていたら、「決裁権を持ったトップに会いたい」と思います。その方が実際に持っていたとしても、一度は思います。
もし実際に「自分がまだトップになりきれておらず、共感する人と繋がりたい」と思って「アトツギ」というワードを使っているのであれば、早く卒業しましょう。
twitterに潜むリスク
最後に、twitterを使う上でのリスクを書きます。
炎上リスクはもちろんのこと、様々な場面で信用を落としてしまうリスクがあります。特に経営者クラスが自社名を掲載したアカウントを使う場合、完全な個人利用は考えられません。twitterを経営者の自由気ままに使っていると、企業にはどちらかと言えばメリットよりリスクの方が大きいです。
以下、実際にあった例です。
経営者の品位が問われた例
ナンバーが折れた車やバイク、外出先での喫煙写真、ゲームのスクショ(別のアカウントと間違ったと思われる)などを間違いや何気なく意識なしにアップするケースがありました。
また、ハラスメントワードなどダメな言葉遣いは割とよく見かけます。たぶん本人は気づいていないのだと思います。
顧客に品質に疑念を持たれた例
仕事の愚痴を言ったり、仕様書などに文句を付けているアカウントもよく見かけます。これを顧客が見つけると、自分のことと思わなくても「え、いちいち顧客のことをツイートするの」と思う人もいると思います。
従業員や社員候補にがどう思うか心配と思った例
「後継者として入社しました!5年で継ぐことを目指しています!」って、同じ後継者だからわかりますが、私がいずれ社長として会社を支えるようになりたいと思っていたら嫌ですし、会社の状況によりますが5年後が心配にもなります。
会社の課題を書く人も、先に従業員に伝えてるのかな、と思うこともありますし、プライベートで楽しそうにしているのも、従業員が見て大丈夫かな、と思うこともあります。
「ウチの従業員はわかっている」と思っていても、私の今までの経験では半分も分かってくれていません。
最後に
冒頭の結論にも書きましたが、twitterは自由なツールなので好きにすればいいと思っていますし、きっかけになった人の品位の低さには辟易しています。
「アトツギ」のワードやツイートの内容には、自分が思っている以上にマイナス面があることは理解した上で使うようにしましょう。
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