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ヨット大航海 水平線のあっち側 その1
事の始まりは2年前くらいだっただろうか?
まだヨットクラブに入ったばかりの頃にフリーターでふらふら暮らしているという話をしていたら、クラブ最高齢の83歳のヨットのオーナーが
「僕の夢は、いつか小笠原諸島に行く事。
長い航海になるから1ヶ月はかかるけど、あんたも暇なら来ればいいよ。」
ヨットで小笠原に行くという事がどういう事かもよく分かっていなかったけど、1ヶ月も海をふらふらするなんて楽しそうじゃん。
ただそれだけで
「え、良いんですか?じゃあ乗っけて下さい」
の一つ返事で行く事にした。
それから去年に本当に行く事になった、
境港を出て2日半ノンストップで走り高知県の土佐清水港に入港。
太平洋の旅が始まるはずだったけど、
そこからまさかの台風予報で中止になってしまった。
その後、泣く泣く引き返し五島列島に行ったのだがその時の事は時間がある時に記事にしたい。
という訳で、
オーナーの
「何が何でも今年は小笠原に行きたい。」
その一言で今年のリベンジが決まった訳である。
僕としても去年や韓国セーリングの経験を積んで大航海の意味が少し分かる様になっていたと思う。
天候等の影響で7月1日の朝5時に境港を出発。
いきなりの向かい風と大きなウネリでまあまあな荒れ具合。
船酔いに弱い自分には厳しめなコンディションで山口県の沖に入るまでは、とにかく耐える我慢のセーリングになりました。
島根県温泉津沖で波に打ちつけた衝撃でマストの風見が吹っ飛ぶトラブル。
直し様もないのでそのまま進みます。
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山口県の沖の辺りからウネリも落ち着いて少しづつ体調も回復。
角島を沖を回って関門海峡を目指します。
ここまででも、
なかなかのロングセーリングで改めて先の長さを実感した。
そうこう、するうちに(5時間以上走った記憶がありますが)関門海峡に突入。
潮流の流れが速いことで有名ですが、思いっきり向かい潮。
電光掲示板で潮流の速さを見ると7ノット。
いやいや、この船6ノットなんですが。
潮待ちするか協議した結果、
「まあなんとか行けるっしょ。」
という楽観的な結論で突っ込みます。
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うなぎ丼なんて食べつつジワジワ進みますがまあスピードが出ない。
完全にランニングマシーン状態ですが粘り強く進みます。
そして、最後の最後の関門海峡大橋の下は、
もうね。川ですよ。川。
流れなんて生やさしい物じゃない。
普段は1800回転くらいしか回さないエンジン(頑張っても2200)を気合いの3100回転まで回すと、
「ピーーーーー」
という警告音。
関門海峡の激流ど真ん中で見事オーバーヒート。
すぐに回転を落として、体勢を立て直しとにかく粘りまくってギリギリ突破できました。
今回は少し楽観的すぎましたね。
そこから佐田岬を越えて土佐清水を目指す予定でしたが、入港の時間が夜中になりそうという事で、
急遽、愛媛県の宇和島港に入港する事になりました。
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2日ぶりの陸地でみんな疲れもありここに泊まって良かった。
しかし、エンジンがオーバーヒートしたので点検をするとなんと冷却水のクーラントポンプから冷却水がダダ漏れ状態という事が判明。
修理できる整備工場もなく、自分でどうにかする事に‥
調べると奇跡的に国内に一つだけパーツの在庫があり。
取り寄せの為に2日間の足止めとなりました。
特にやる事もないですが、
宇和島城を見に行ってみたり。
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思いがけず、ゆっくり過ごしましたがパーツが届いたので修理をします。
ついでに温泉津沖で吹っ飛んだ風見も交換しました。
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ロッククライミングで登る事に慣れている僕が風見を交換。
そして、一応2級自動車整備士の資格も持っているのでポンプも僕が交換します。
交換と言ってもASSY交換なのでネジを緩めて締めるだけの作業でなんとなりました。
さてさて。
まあまあなトラブルでしたがなんとかなりました。
長距離はトラブルが付き物ですが、太平洋のど真ん中じゃなくて本当に良かった。
パーツも奇跡的に在庫があったのでついてますね。
さて、
次回の記事からいよいよ太平洋に入ります!
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