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牌譜検討④(雀豪★編)

しばらく振りに牌譜検討記事を再開致します。
今回は再開第1段の記事となります!

今回の牌譜主さんは雀豪1の方です。
玉の間で勝ち上がっていく為に必要なことを書いていけたらと思います。


これまでの打ち方

4半荘分の牌譜を見させて頂いて感じたことは、麻雀の基本がしっかり守られているということです。

孤立の字牌や端っこの数牌から切っていって聴牌したら立直を打つ。
他家のリーチに自分がノーテンなら現物を切ってしっかり降りる。

基本となる打ち方がしっかりできているので、恐らくここまでもよく勉強されてきたのではないかと感じました。


これから次のステップへと進む為に必要なことは、基礎を更に磨いていくことと、基本とは違う打ち方をする例外のケースを少しずつ覚えていくことだと思います。

この記事でも、それらを主軸として牌譜検討をしております。

それでは実際に牌譜を見ていきます。


高打点を狙う手組み(優先度★★★)


先述した通り、現在は牌効率通り真っ直ぐ聴牌に向かって立直を目指す手組みが中心です。
赤入り麻雀は自然と打点が付いてくることも多くそれでも十分強いのですが、少し工夫をして打点を上げる打ち方も使えるようになると手組みの幅が広がります。


東3局 打南

打4pとして南を残すのがオススメです。
もしも南が重なってトイツになった場合、トイツの牌をポンしていけば『東・南・ホンイツ・トイトイ』の跳満の可能性がある手になります。

4pを残して例えば3p引きで両門ができたとしても東・ドラの2000点の手になりそうなので、残す牌によって狙える打点は大差ですね。


では具体的にどのようなときに打点を意識していけばよいでしょうか。

牌譜主さんの場合、まずは

①和了に必要な5ブロック候補が既にあるか確認する。ある場合は②へ。

②余剰牌の中でその牌にくっついたら打点(手役)が狙えそうな牌を優先的に残す。

この2つを実戦してみるといいかと思います。



今回の牌姿を使って更に具体的に見てみましょう。

まず①にある5ブロック候補があるかを確認してみましょう。

ブロックは『35m』『67p』『22s』『66s』『99s』『東東』の6つあります。
5ブロック以上あるので②へ進みます。


次は②にある通り、余剰牌【4p】【南】の中から、くっついたら打点が狙えそうな牌を探します。

今回は『22s』『66s』『99s』『東東』とソーズの混一色に使えるブロックが4つありますね。
あと1つ混一色のブロックを作れば、必要な5ブロックが揃うので南は優先的に残したい牌になります。

ということで選ぶ打牌は4pということになりますね。


手役を狙う際のポイントは【その手役に必要なブロックがあと1つ足りない】という状態を見つけることです。

今回でいうと混一色で必要な『22s』『66s』『99s』『東東』という4ブロックを見つけて、あと1つ混一色ブロックを作れば5ブロック揃うことに気付けるかがポイントとなります。

混一色やタンヤオ等は5ブロック必要な役なので既に4ブロックあるとき、三色同順や一気通貫は3ブロック必要な役なので既に2ブロックあるときに、あと必要な1ブロックに関連した余剰牌があるかを探すようにしてみると良いでしょう。


南1局 北ポン打發

これは打1mが良いですね。

まずはブロック数を確認すると、『北ポン』『67p』『23s』『56s』『68s』と5ブロックあります。

そして『北ポン』『23s』『56s』『68s』と混一色のブロックが4つあって、あと1つで混一色5ブロックが揃うので發は残したいところです。

(実は5668sの形を『566s』の1ブロック+余剰牌8sと見ることもできます。
その場合はまだ4ブロックしかないので、このあと6mと發のどちらを残すかは一考の余地があるのですが、少なくとも1mよりは發を残すのが良いです。)

手役の中でも混一色は特に強い役です。
見つける(気付く)ことも比較的簡単な役なので、字牌のトイツがある手では混一色の4ブロックがあるかどうかを毎回確認する癖を付けてみましょう。





番外編 なぜ5ブロック候補があるときだけ手役を狙うのか

※もしかしたらあまりピンと来ないことが書いてあるかもしれません。
ただ、番外編として具体的な戦術とかは書いていませんので、なんとなく流し読んでしまっても大丈夫です!

先述の①では5ブロックが既にある場合と書かれていますが、将来的には今のブロック数に関係なく打点要素を考慮して打牌選択できるようになるのが目標です。

ではなぜ今回は5ブロックがある場合としたのかというと、既に5ブロックがある場合は余剰牌のどれを切っても直接の受け入れ枚数は変わらないからです。

4ブロック以下のときは残す余剰牌によって受け入れ枚数が変わる為、速度と打点のバランスを取って打点狙いをするかどうかを考えないといけなくなります。

しかし、5ブロックがある場合では基本的な進行では今まで通りの打ち方をしつつ、うまく打点が狙えたときだけ打点をつくるという打ち方ができます。

打ち方をいきなり大きく変えるのは場合によっては混乱を招き、逆に成績が落ちたり上達の妨げとなる恐れがあるので、今回は5ブロックがあるときという条件づけをしています。

5ブロック条件の中で無理なく打点要素を探すのをくり返すことで、

・今の手牌から狙えそうな手役やドラに気付く能力
・手牌構成を認識・評価する能力

これらの能力を訓練していくことが狙いとなります。


役牌と19牌の比較(優先度★★)

副露率が低めで門前リーチを主体とした打ち方なのですが、決して鳴かない訳ではなく鳴き判断自体は自然な打ち方でした。
役牌も1鳴きすることが多いし、役牌バックも普通に鳴いています。

ではなぜ副露率が低めなのかというと、恐らく手組みが門前リーチ手順なので鳴く手にあまりならないというのが理由かなと感じました。

副露率が低いのは決して悪いことではないのですが、リーチ手順と鳴き手順をうまく使い分けられるようになると良いかなと思います。


東4局 打中

打9pとして字牌の重なりをみるのが良いでしょう。


東3局 打中

これも打9mで役牌の重なりを残したいです。
6mがあることで9mはあまり機能してないですしね。


どういうときに19牌よりも役牌を優先して残したら良いのか具体的に考えてみます。 

結論から言うと、

・リーチによる打点上昇率が悪いとき
・リーチまで辿り着けそうにないとき

これらのときは19牌より役牌を残す方が良い場合が多いでしょう。


まず前提として門前限定よりも鳴ける手の方が聴牌が早くなりやすいので、和了率という点では鳴ける方が有利なことが多いです。

役牌は受け入れが3枚、19牌は受け入れが11枚とその差は大きいのですが、役牌は重ねると【鳴き】という速度バフを手牌全体にかけることができます。

手牌の形にもよりますが、【鳴き】という速度バフは1番早く和了った人にだけ和了る権利があるという麻雀においてはかなり強いです。

ではなぜそんなに強い【鳴き】という速度バフを使わずにリーチを目指すことがあるのでしょうか。
それはリーチによる打点上昇が大きいからです。

逆に言えばリーチによる打点上昇が小さい手では、リーチを目指すメリットは小さくなります。

打点上昇が小さい手とは具体的にドラ0もしくはドラ3の手です。

麻雀の点数計算は満貫より上からは打点上昇率が悪くなるので、鳴いて満貫級になるドラ3の手は鳴きで速度を上げる方が良いです。

逆にドラ0の手は元の打点が低い為にリーチしても打点上昇量が少ない為、こちらも鳴きで速度を優先したいところです。


ドラ1や2の手は打点上昇が大きいリーチを目指したいのですが、自力のツモだけでは聴牌まで辿り着くことが難しい手牌もあります。

そういう手ではリーチを目指すより鳴きを使って和了を目指す方が良い場合が多いです。

いくらリーチによる打点上昇が大きいとしても、和了れなければどうということはないですね。

具体的には、メンツと両門が合計3ブロック以上ある手は結構リーチが打てるので19牌を残し、2ブロック以下の手はリーチまで辿り着けないことも多いので役牌を残すと良いかと思います。

まとめると、
①ドラの枚数が1or2枚
YES→②へ
NO→役牌を残す

②メンツと両門が3ブロック以上
YES→19牌を残す
NO→役牌を残す

こんな感じのフローチャートで考えれば良いかなと思います。


では先の牌姿を見直してみましょう。

1枚目はドラ0の手なので役牌残し、2枚目はドラ1ですがメンツと両門が一つもないのでこちらも役牌を残して19牌を切りましょう。



東1局 打中

ドラ2ある手ですがメンツと両門は合計1しかないのでリーチはちょっと遠そうです。
打1mが良いでしょう。


実は孤立19牌と字牌の切り順は、成績への影響度はそこまで大きくはないと思っています。
それがこの項目が優先度★★である理由です。

しかし、自分の手牌がリーチに行きたい手なのか鳴きたい手なのか、リーチまで辿り着ける手なのか鳴かないと間に合わないのかということをほぼ毎局考える機会をつくることで、自分の手牌を正しく評価する力を身に付けることができるようになると思います。



場の情報を正しく拾う(優先度★★★★)


東2局 打5p

パッと見は5pを切りそうな手牌ですが、河をよく見てみると9pが4枚見えてしまっていますね。
つまり78pは6pの受け入れしかないので、実質的には辺張待ちと同じ状態です。

9pが4枚見えているこの578pという形は、要素的には689pという形とほぼ同じです。
689pからはツモ5pでの両門変化のために9pを切ると思いますので、この578pも同様に打8pとするのが良いでしょう。



東3局 打7m

57mと78sのどちらを残すかの選択です。
よく見るとこれも9sが4枚見えてしまっていて、78sが実質的には辺張になってますね。
78sを切って57mを残す方が良いでしょう。



東1局 打7s

58mと7pの1シャンテンの手です。
しかし、7pが2枚見えていて残りがMAXでも2枚しかないためなかなかキツくなっています。

まだ序盤なのでここは打8pとして、3sや7sにくっつけてターツを作り直す方が良いかなと思います。



場に見えている枚数というのはただ数えればOKで誰でも把握できるので、難しい知識は必要ありません。
いきなり全てを把握することは難しいと思いますが、まずは自分の手牌に関連する牌だけでもしっかり数えておくと良いでしょう。



南3局 打6m

リーチを受けてベタオリをしている場面です。
無筋6mよりはまだ中筋の6sの方が安全ですね。

前々巡では中筋の5mを切っているので、恐らく今3sが通って6sが中筋になったことを見落としてしまったのではないかと思います。


麻雀は見えている情報を使って戦うゲームとも言えます。
全員に公開されている情報を見落とすと、自分だけ手持ちの情報量が少ないという不利な状況で戦うことになりかねません。
場の情報を把握することはとても重要な要素になります。

特にベタオリの際は持っている情報量がベタオリ成功率に大きな影響を与えるので、しっかり場を確認したいところです。



牌効率(優先度★★★)

牌効率の基本となる字牌→19牌→28牌→3〜7牌という順で孤立牌を切っていくというのは守られていますが、19牌同士などの同列の牌の比較にまだ伸び代がありそうです。

牌効率を覚えておくと、手なりで進めるような手牌のときにあまり考えずに感覚で切る牌が分かるようになります。
その分、自分の手牌進行以外の要素に脳のリソースを割くことができます。
AIと違って人間のキャパは限界値が低いので、考えることを減らすのも成績向上には必要です。

東4局 打9m

打1pが良いです。

孤立19牌の中でも1345(5679)の形は単なる孤立19牌より1ランク強いです。
一番の理由は2(8)引きで両門ができることです。
単純な孤立19牌は一手で両門ができないのでこれは大きな違いです。

1345の1、5679の9は孤立の19の中では群を抜いて強いと覚えておきましょう。


東2局 打2m

8mが良いです。

この手牌のポイントは788pの部分です。
788pは他に雀頭がない両門トイツになります。

この形は現段階では雀頭の筆頭候補なのですが、他で雀頭ができると両門として使えるようになります。
つまり、亜両面や4連形といった雀頭を作りやすい形と相性が良いんですね。 

なので2234mの部分は残して孤立している8mを切るのが良いでしょう。


注意したいのは他に雀頭がないときという条件がついていることです。

麻雀のセオリーにはAのときはA'を選ぶがBのときはB'を選ぶというように、同じXという特定のものに対してX以外の要素によって選択が変わることが頻繁にあります。

AのときはA'を選ぶというセオリーを学んだとき、ついA'を選ぶという結論だけが印象に残ってしまうことがままありますが、そうするとBのときやCのときもA'を選んでミスをしてしまう恐れがあります。

必ず、AのときはA'を選ぶというように全体をまるごとセットで覚えるように意識すると良いでしょう。




オーラス点数状況判断(優先度★★★★★)

今回の検討で一番成績への影響度が高く即効性のある項目です。
オーラスの結果は最終順位に直結するので、順位による獲得ポイントの偏りが大きい段位戦では特に重要です。



南4局 打4s

対面がドラポンをしていてソーズの混一色模様です。
対面に満貫を放銃するとラスまで落ちる点数状況で、対面はすでに満貫以上の打点が確定しています。

自分の手はまだ1シャンテンで、仮に聴牌して和了っても1位になることも確定していません。
3位との点差もそこそこ近いため、流局聴牌等で連荘となった場合には着アップだけでなく着ダウンの可能性も含むことになります。

対面の聴牌率はさして高くないのですが、リターンに対して万が一ロンと言われたときの損失があまりにも大き過ぎます。
4sは押さずに降りて2位を守る方が良い状況でしょう。

脇に放銃したり下家に鳴かれることも嬉しくないので鳴かれていない1pをここで切って、流局までの残り巡目を下家の現物である7p2枚を使って凌ぐのが良いかなと思います。


雀魂のポイント配分に関して

段位戦の順位ポイントはラスのポイント減少が大きく設定されています。

具体的に雀豪1の玉の間東南戦では順位ウマを含めると

1位  125pt
2位    60pt
3位  ▲5pt
4位 ▲180pt

となっています。

1→2や2→3は均等に65pt差であるのに対して、3→4は175ptの差があります。
これが雀聖3になると4位は▲255pt、3→4は250ptもの差になります。

雀豪では約3着順分のポイント差、雀聖では4着順分近いポイント差があります。

1位、2位、3位、4位と表記すると、各順位間の差が当価値だとつい錯覚してしまいそうですが、実際には大きな差があります。

雀魂の段位戦には4位という順位は存在しません!

あるのは雀豪で1位2位3位6位、雀聖では1位2位3位7位という順位です。


理屈ではあまりピンと来ない場合は感情で置き換えてみましょう。

仮にオーラスの放銃で1→3位に2着順落ちた場合、『うわーーっ😖』ってなりますよね。

2→6位に落ちた場合は4着順落ちです。
ポイント的には1→3位の2倍のダメージなのですが、1→3位の2着順落ちと同じぐらいの『うわーーっ😖』という感覚しかない場合は順位ポイントの差を正しく認識していない可能性が高いです。




オーラス開始時は常に自分のラス落ち条件を確認するようにすることが、段位ポイントを効率よく稼ぐ為には必要不可欠です。

誰に何点を放銃すると自分がラスになるのかを常に把握してオーラスを戦うようにしましょう。

特にオーラスで1位、2位のときはこの思考があるかないかでラス率が大きく変わります。

オーラスで3位のときは放銃をしなくてもラス目の和了で自分がラスに落ちることがあります。
しかし、1位もしくは2位のときは特殊な状況を除き放銃さえしなければ1局でラスまで落ちることはほぼありません。

それ故に、特にオーラス1位2位のときのラスへの意識の違いがかなり成績に影響を与える要素となっています。


オーラスだけは、それまでと少し別のゲームと認識しても良いかもしれませんね。



まとめ

牌譜を見た限りではこれまでもよく学ばれていて、学んだことを実践できる方であるという印象です。

正しく学習をしていけばどんどん伸びるポテンシャルを持っていると感じました。

まずは成績への影響が大きいオーラスの点数意識を身に付けつつ、少しずつ新しいことにチャレンジして経験を積んでいくのが良いのかなと思います。

今回の牌譜ではその場面があまりなく確認できなかった要素として、鳴きに対しての対応や、価値のある手での後手からの押し返し等があります。

それらを含めて、現段階で関連性が高そうないくつかのオススメ戦術動画を紹介して検討の締めとさせて頂きます。 


【天鳳位ヨーテルさんの動画】


【平澤元気さんの動画】





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