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【こなんSDGsカレッジ】湖南市地域まちづくりフォーラム

こんにちは。立命館大学の畠です。

12月18日(土)に、湖南市文化ホールにて湖南市地域まちづくりフォーラムが開催されました。今回は、湖南市地域まちづくりフォーラムのダイジェストをお届けします。

今回のフォーラムでは、大阪アミューズメントメディア専門学校声優学科の学生で、
滋賀県出身の岸田さんと村田さんが総合司会を担当しました。

開会の挨拶

生田邦夫湖南市長から開会の挨拶がありました。
挨拶では、「学生や市民の皆様が明日への希望を持ちながら安心して暮らせるように湖南市の取組を進めていく」と、市長からの強いお言葉をいただきました。

第1部|こなんSDGsカレッジ活動報告会

第1部では、こなんSDGsカレッジの紹介、SDGs StudiosやSDGs Action活動を通して湖南市の魅力発見を行ってきた高校生・大学生・湖南市新規採用職員の皆さんが発表しました。

こなんSDGsカレッジの説明をする田口真太郎

はじめに、留学フェローシップの田口真太郎より、こなんSDGsカレッジの趣旨説明を行いました。
「キックオフセミナー」「KONAN SDGs Studios」「KONAN SDGs Action」の3つのプログラム活動を通して見えてきたことや、一貫して参加者の主体性を引き出すことを意識したということを振り返りました。

①同世代や若者同士でのネットワークを作る
(湖南市内外からの学生や生徒の参加で地域の制約を無くしたことや、切磋琢磨できる仲間づくり)
②チャレンジできる場の提供及び積極的な活動の支援
③継続して活動することによる具体的な未来づくりを応援

KONAN SDGs Studios活動報告

今回は、出身地域や学年や所属もバラバラな若者でチームを編成しており、各チームで「SDGsな人」を取材をし、執筆した記事内容を朝日新聞社の外園さまに添削頂きました。完成した記事とともに、8チームが「こなん未来シナリオ」をテーマにそれぞれ5分間の発表を行いました。

各チームの発表内容について簡単に紹介します。

グループ1:佐藤涼・野﨑文華・山下実穂(水口東高校)

グループ1|「ウツクシマツ」(SDGs:11・15)
国指定の天然記念物であるウツクシマツですが、湖南市外の方への認知度が低い現実を目の当たりにしたそう。そこから、「ウツクシマツを身近に感じてもらいたい!」という想いのもと、年中お祭り計画を提案。季節ごとにイベントを提案し、イベント開催も若者に運営を補助してもらうことで若い世代を狙うニーズも考えられていました。ウツクシマツがなくなってしまう危機感を多くの人に知ってもらうことを目指します。

グループ2:委細 航之・矢部 宇宙(水口東高校)・日野原 颯(立命館守山高校)

グループ2|「まるとしかく」(SDGs:3・11・11・15)
湖南市でカフェを経営している近藤桃子さんへの取材を行い、食事の出来上がる工程がそれぞれであることや、買い物をすることが応援となりうることを発見。食事を整えることは、生活習慣病の感染者を減らし、環境にやさしい野菜を育てる人も増えると考え、作る人(生産者)と使う人(消費者)の輪を広げていくことを提案しました。自分の健康にあった食材に気を配り、買い物をすることで食べ物を応援する過程にさらに注目したいと話しました。

グループ3:山本 涼誠(甲西高校)・宇田 瑞基 柴田 一花 鵜飼 桃歌  滝本 桃萌 近戸 花恋 西村 空

グループ3|「企業と住民と地域社会」(SDGs:3・5・11・13・16・17)
SDGsな企業としてカルビー湖南工場を取材し、自分の知らないところで社会に貢献している部分があることやどのように従業員が気持ちよく働けるのかを考えていることを知ったそうです。一方で、防災に対する課題意識や危機感の薄さを感じ、歴史を交えたりメンタルマップを活用したりする方法で、多くの人々を対象とする防災マップの作成を提案しました。

グループ4:田中 優衣(立命館守山高校)・矢野 美緒(滋賀県立大学)

グループ4|「まちづくり・農業」(SDGs:2・3)
野菜ソムリエとして知られる岸田英三さんへの取材を通して、伝統野菜の復活に向けた動きがあることを目の当たりにしたそうです。地域ごとで知名度の低い・高い商品があるが、地域全体で栽培することで地域活性化を目指し、若者の参入により就農者の高齢化対策や素朴な味の野菜を守ることに繋がると話しました。岸田さんの言葉である「身体の健康、心の健康は食に宿る」を背景に、食と健康の湖南市を目指します。

グループ5:嶋田 歩果(同志社大学)・安田 千紘(関西大学)

グループ5|「まちづくり・農業」(SDGs:10・12・13・15)
専業農家である谷口さんといちごを育てる徳田さんへの取材を通して、農器具の発達や農耕地の満遍ない使用により少子高齢化や利益と理想の農業の兼ね合いの難しさを解消できるのではないかと考えました。若者の農業志望の数が少ない問題に関して、農業を始めることに対するハードルを下げ、意欲をあげることを試みる計画を立てました。農業体験推進プロジェクトを通して、若者の農業志望者を増やし、湖南市の緑をより豊かにすることを目指します。

グループ6:北落 陸斗・堀 修也・辻 真哉・原田 裕太・永井 唯士 (湖南市役所新規採用職員)

グループ6 |「経済・産業」(SDGs:8・9・11)
湖南工業団地協会事務局の中嶋さんへの取材を通して、企業の研修だけでなく地域の子どもたちに対して環境学習を行っていることや、空き地が工業団地にないこと、外国人がいることになど、複数の課題を発見したそうです。湖南工業団地の説明を踏まえながら、市役所内で工業全般の連携を図るための窓口を立ち上げることを目指します。

グループ7:黒内 優希・北岑 和希・東峰 帆風・田中 雄大 (湖南市役所新規採用職員)

グループ7 |「福祉・教育」(SDGs:3)
NPO法人ワイワイあぼしクラブ あったかほーむいしべ宿の理事長である中川さんと保育士の荒木さんへの取材を通して、事業対象者が幅広いことから、全ての世代が共生することを目指した集いの場であることを発見したそうです。さらに、小規模での活動には、個人に合わせた柔軟性を確保するという背景があることも知り、その活動から派生してさまざまな人が交流できるイベントの創設を目指す。

グループ8:川上 里恵・白井 佑佳・中 優弥・千代 凌太(湖南市役所新規採用職員)

グループ8|「まちづくり」(SDGs:11/12)
自分図鑑合同会社代表で、元湖南市地域おこし協力隊の吉田さんへの取材を実施。取り組まれている着物プロジェクトのお話を通して、着物を使用し、高齢者の活躍できる場の提供をできないかと考えました。地域のあちらこちらで市民が交流し、活躍できる場がある状態を理想とし、多世代の多く集まるイベントの企画、実施によって新しい発見や活動をできるきっかけ作りを目指します。

KONAN SDGs Action活動報告

KONAN SDGs Studios発表後は、KONAN SDGs Actionの活動報告として、Next Commons Lab湖南の長砂伸也さんよりお話をいただきました。今回、木を使ったおもちゃ作り・山登りを行いましたが、長砂さんの中には森林にこだわる強い想いがありました。

Next Commons Lab湖南の長砂伸也さん

「以前、阿星山に1人で登りに行った時、誰ともすれ違わなかった経験がありました。そして登りきれずに引き返してきてしまったため、今回はぜひ若い世代の参加者の皆さんと一緒に登りたいという想いがありました。さらに、湖南市が合併した時も阿星山の名前が合併後の名前候補に上がっていたので、そのご縁を感じた機会になったと思います。」

アクション当日は、山を上る道草が刈られていたり、道が見えやすくなっていたそうで、そのようにして、誰か道をきれいにしてくれている人がいることを改めて実感したそうです。若い世代は知らないことも多く、よくわからない、と思うことも多いですが、それらを深く掘り下げる機会を増やしていきたいと話していました。

同じくNext Commons Lab湖南の光田三穂さんは、「平和堂甲西中央支店で臨時的に相談スペースを設置したが、市内外の人と幅広く、意見を言いにきてくださったり、興味があるのでお話聞かせてください、と訪ねて来られる方もいて、改めて湖南市の中で中間支援ができていると感じました。と話しました。

同志社大学連携プログラム

続いて同志社大学政策学部連携プログラムの中間報告会では、真山達志教授とともに、政策学部2回生と3回生が登壇し、湖南市の印象や強み・弱みを発表しました。

同志社大学政策学部の学生たちの発表の様子

「住みやすく、環境が豊かだと思います」
「車が中心で、歩行者に優しくないと感じた」
「外国人が多く、多様性を学ぶ機会が多い」」
「高齢者や障害者への便利な施設やシステムが多い」
「若い世代の政治や行政への参画が少ないような気がする」

など、湖南市内外の大学生だからこその率直な意見を発表していました。
これから3月の最終発表会に向けて、湖南市役所新規採用職員の方とともに、地域に分かれて湖南市の実態の調査を行い、政策提案をまとめるということです。

パネルディスカッション

高校生・大学生6名とファシリテーターとのパネルディスカッションの様子

その後、 こなんSDGsカレッジ参加者(通称:カレッジ生)6名が登壇しパネルディスカッションを行いました。モデレーターは留学フェローシップの田口が担当しました。登壇者は、以下の通りです。

野﨑 文華さん(水口東高校3年生)*KONAN SDGs Action 代表
佐藤 涼さん(水口東高校3年生)*KONAN SDGs Studios グループ1 代表
日野原 颯さん(立命館守山高校3年生)*KONAN SDGs Studios グループ2 代表
山本 涼誠さん(甲西高校3年生) *KONAN SDGs Studios グループ3 代表
田中 優衣さん(立命館守山高校3年生)*KONAN SDGs Studios グループ4代表
嶋田 歩果さん(同志社大学3年生)*KONAN SDGs Studios グループ5 代表

登壇者は、問いに対する答えを事前にフリップに書いた状態でトークに臨みました。

Q1|湖南市の魅力や課題

山本)田園の風景も工業団地も見受けられるところから、都会すぎず、田舎すぎないと思っています。一方で、その要素を生かせているかとなると、そうではないので、他地域と張り合える要素には欠けるかなと感じます。

野﨑)湖南にしかないものが沢山あると思います。一方で、自然が豊かなのに山登りやハイキングの習慣があまりないと聞きました。

佐藤)ウツクシマツなど自然に囲まれていますよね。国宝が多いのに、そこが市外の人に伝わっていないのでそれは絶対にアピールするべきだと思います。

フリップを活用して発表する大学生・高校生

Q2 湖南市の2040年の姿

嶋田)特産品の知名度をあげて、市民が湖南市にいることを誇りに思えるといいなと思います。下田焼きなど、多くの特産品があるので、「ずっといてくれる場所になればいいのに」と感じています。

日野原)住み続けたいと思える市になればと思います。今回初めて湖南市に来たのですが、正直、湖南市で活動することに対する執着とか、こだわりが僕にはないので、そのような人たちに残ってもらうためにも、魅力をアピールすることは必須になってくると考えます。

田中)地産地消で、食べることに困らない街になればと思います。今回の取り組みで、湖南市は食に対する意識が高いと感じました。郷土料理もあることですし、衣食住の中でも食に重点を置けたらと思います。

時間が足りないほど盛り上がりました

Q3 今後取り組んでいきたいこと

田中)風通しの良い場所にしたいです。このような取り組みって、行政と民間の間をつなぐいい機会だと思うので、SDGs未来都市として先を見据えていけたらと思います。

日野原)若者にもっと湖南市のことを知ってもらいたいです。今回の取材で沢山の魅力を発見できました。

嶋田)幼少期を過ごし、出て行った人たちにも積極的に湖南市の未来を考えてもらえたら、活性化の促進になると思いました。

山本)観光のPVを作成したいと思います。観光が発展していないと感じるので、活性化していきたいです。

野﨑)体験が大切だなと痛感したので、動くこと(アクション)によって、SDGsに積極的に取り組めたらと思います。

佐藤)湖南市だけで終わってしまうのはもったいないと思うので、こういった活動を滋賀県へ、そして全国へ、と普及させていければと思います。もっと幼い子たちに記事とか書いてもらいたいです。

湖南市長からは、コメントにて、「若い世代が置かれている状況は厳しいが、積極性や協力が重視される時代になっていくので今の考えをどんどん深めて行ってほしい」と応援のお言葉をいただきました。

真山教授からも、コメントにて、「今の若者が成長できる時期です。今までの価値観を一掃して、新しいことをできる環境が湖南市をベースにできれば素敵ですね」と若者を勇気づけるお言葉をいただきました。

他にも、地域まちづくり協議会の各学区の代表者(石部南学区、岩根学区、三雲学区、石部学区、菩提寺学区、下田学区、水戸学区)からたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございました。

認定証授与式

最後に、市長よりカレッジ生へグローカリスト認定証を授与し、第1部こなんSDGsカレッジ活動報告会は終了しました。

グローカリストとは:「グローカリスト」の意味は、「地球規模・世界規模」を意味する「グローバル」と、「地域・地元」を意味する「ローカル」という2つの英単語を組み合わせた造語と語源である「グローカル」という言葉を語源にしています。その「グローカル」という言葉とヒトを意味する「ist(イスト)」による造語である「グローカリスト」は、「地域の皆さんとともに、持続可能な地域社会をつくりあげていくために、地球や世界のグローバルな視点を持ちながら、湖南市というローカルで新しい価値を創造するヒト」を意味します。

第2部|まちづくり報告会

第2部では、湖南市地域創生推進課の今村典生課長より発表がありました。

地域まちづくり協議会について説明する今村課長

地域まちづくり協議会は、「自分のまちは自分でつくる」をベースとして、7つ全ての学区で設立されていることや、行政だけでは対応しきれない社会課題や地域課題を解決に向けて進めている現状をご報告いただきました。

課題として学区内検討会議で上がっている、組織的な課題・安全上の課題・コミュニティの課題・高齢者の課題・地域の魅力づくりに関しては、同会議で検討されたありたい地域像である「住みたくなる、誰もが主役になれる、歴史的文化を大切にする、安心して暮らせる、持続的で効果の高い相続経営」をもとに、課題を解決していく取り組みを説明されました。具体的には、地域まちづくり協議会の組織の見直し、学区ごとの新コミュニティプランの策定、そして、地域にとって自由度の高い交付金制度の検討だということです。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました。
こなんSDGsカレッジについてご興味を持っていただいた方は、これまでの活動についてnoteの記事を公開しておりますのでこちらからぜひご覧ください。


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