見出し画像

文庫サイズの同人誌を作った時の備忘録

前置き&挨拶

どうも、はじめましての方ははじめまして。こんにちはの方はこんにちは。
普段は仕事でイラストや漫画を描いている、清水義鷹と申します。
趣味では一次創作(オリジナル)の同人誌とか作っています。

私の事に関する詳しい事はサイトの方を見て頂ければわかると思うので、名刺代わりにリンクをぺたり。

今回は、去年の5月ごろに文庫サイズの同人誌を作ったので、その時に困ったこととか、こうやったよというノウハウみたいなものを備忘録程度に残しておこうと思いました。
今の時代、ググれば何でも出てくるかと思いきや、情報が古かったり、意外と出てこないものとかもあったので……主に自分の備忘録ですが、「これから文庫同人誌出したいよ!」という方の指針になればいいなぁとも思ったり。

どんな本を作ったのか?

これです。

カバー、帯付き。
「電撃文庫っぽく!」がコンセプトでした。
背幅2cm……こんな分厚い同人誌を誰が買うというのか!?(笑)

どういう手順で作ったのか?

とりあえず、まず手順を書いておきます。
「必ずしもこの方法でやるとは限らないけれど、自分はこうやったよ!」というかんじのやつです。

  1. 原稿を書く

  2. Indesignで版面を整える

  3. 挿絵を描く

  4. 表紙と帯のデータを作る

  5. 印刷所にデータ入稿

こんな感じの流れでした。
ちなみに、私は自分で文章も絵も描いてしまう系の創作屋だったので表紙や挿絵を描くターンが挟まりましたが、文字だけの方はたぶん絵師さんに頼むと思うので、その作業は割愛できるのだと思います。

作業その1 原稿を書く

ここが一番エネルギーを使うところだと思うのですが、この記事ではとりあえず、何かしら原稿が書きあがっているものとして話を進めます。

ちなみに私の場合はWordで書きました。
電撃文庫の応募フォーマット(A4ヨコに文字数42×34行)で書くのが、印刷してチェックする時に一番やりやすいと個人的に思います。
……別に電撃に応募するわけじゃないんですけどネ。でも、このフォーマットに慣れていると、将来的に公募賞とかに出す時も書きやすいのかなーと思ってます。実際どうなのかは公募に出したことないのでわかんないんですが。

「どれくらいの量を書いたのか?」という疑問にはあんまり参考にならない答えだと思いますが、自分の場合は上記フォーマットで185ページ、17万文字くらい書きました。
これくらい書くと、背幅2cmの文庫本ができます。

だいたい10万文字くらいあれば、書店で売っている文庫本と同じくらいの分厚さになるんじゃないでしょうか……?
(改行や挿絵をどれくらい入れるか、とかにもよると思いますが)

作業その2 Indesignで版面を整える

自分の場合は、Adobeを契約していたのでインデ一択でした。
文庫同人誌を作るのなら、インデだけでも使えると楽だと思います。

その時に参考にしたサイトがこちら。

自分が作りたいのが「電撃のラノベみたいな文庫本」だったので、本文の設定に関してはほぼほぼコチラを参考にさせていただいております。
(細かい部分は自分なりに変えたりしていますが)

登場人物一覧ページを入れたのは、自分の小説はキャラがめっちゃ多いので入れなきゃ駄目だろうなと思ったからでした。
登場人物一覧ページはラノベだとあんまり見ないですが、『されど罪人は竜と踊る』の登場人物一覧ページが好きだったので……。
海外文学みたいな雰囲気も出るし(ラノベだけど)、個人的にはオススメです。もっと広まって欲しい文化……!

作業その3 挿絵を描く

自分の本の場合は13枚くらい挿絵を入れました。一般のラノベでもそんなに挿絵入ってないので、ちょっとやりすぎたと思います。

作業自体は、ClipSTUDIOで絵を描くのと同じ要領でした。
グレースケールの場合はあまり気にしなくてもいいと思うのですが、トーン処理をする場合、インデに貼りこむ際に拡大縮小をするとモアレが出てえげつないことになる場合があるので注意です。
できるだけ原寸で描いた方がいいのではないかなーと思います。

(自分の場合は拡大縮小に加え、トーン貼る時のミスでモアレが出て「いやーん!」なカンジになりました。2版から直そう……めんどくさいけど

クリスタで描いた絵は、Photoshop形式(.PSD)で書き出しておくと、インデに貼りこむときに楽です。
インデ側の設定としては、挿絵のマスターページを作って挿絵の箇所に挿入→そこに絵をはっつける、というかんじでした。

余談なのですが、挿絵の箇所は本文のDTPが終わった後で決めた方がいいと思います。
最近のラノベは右ページに挿絵が入っているものも珍しくないのですが、自分的にはやっぱり違和感があるので、左ページに挿絵があった方がいいなぁと。
それと、「ページを開いた時にネタバレにならない(あんまり先のことまで挿絵で見せない)こと」に気をつけてページを指定していきました。
普段、仕事ではすでに指定があることが多いので、自分でページを指定していくときは「ああっ! このシーン、(ページの都合的に)挿絵入らないじゃん!」みたいな葛藤(?)があって面白かったです。

作業その4 表紙と帯のデータを作る

表紙は、折り返しになるところにあらすじや著者近影を入れるとすごく楽しいですし、なんか商業作家になったみたいな気分を味わえます。

今回は帯も作ってそれっぽくしたかったので、作っちゃいました。

表紙は最近のラノベの傾向を分析したつもりだったのですが、あんまり気に入ってないので2版からはガラっと差し替えたいなと思っていたりです。

帯は、完全にネタに走りましたね。
ヒロインが自分の作品を「大絶賛!」しちゃうアイディアは、『炎々の消防隊』のコミックの帯で作者の前作(『ソウルイーター』)の登場人物(とアニメの声優さん)が「マカ=アルバーンさんも大絶賛!」みたいな感じでやっていたのが面白いなと思っていたのでやりました。

帯の文字はエヴァっぽいのがいいのではないか、と思ったのでマティスとか使ったんだと思います(うろ覚え)

帯ウラは、アイディアが全然なくて「挿絵のキャラクターとそのキャラを現す言葉」を入れただけだったんですが、「カッコイイ」と言ってくれる方が多くて嬉しかったです。

作業その5 印刷所にデータ入稿

自分の場合、いちばん躓いたのがここでした。

普段、漫画同人誌ばっかり刷っていたので、小説本の事には本当に無知で、「400Pを超える文庫を刷る」というのがわりと大変なことにあんまり気づいていなかったです。

文庫サイズが刷れる印刷所、結構あるんですが、自動見積もりとか出す時に400Pオーバーまでページを盛れるところが意外と少なかった気がします。
(もしかしたら探せばいっぱいあったのかもしれなかったのですが、イベント前の私にはキツかった記憶です……)

そんな中で、字書きの友人に教えてもらった印刷所がこちらでした。

知る人ぞ知る、という感じのところらしいです。
(元々は学参系の印刷をしていたところだったとか)

自動見積もりで400P以上が普通にできるし、カード払い不可なことと、PDF入稿が気にならなかったので、ここでゴーサインでした。

カバーと帯はプリンパさん。

発送がめっちゃ早く、本体より先にカバーと帯が届いたのはびっくりしました。

おわりに

というわけで。
文庫サイズの同人誌を作った時の話でした。

作る前は「文庫サイズって大変そう」と思っていたんですが、普段、漫画本を出すのと苦労はあまりかわらなかったですね。
本を作る時の一番しんどい部分は、本文(小説や漫画)部分だと思うので、そこさえできていればなんとかなる! というのが自分の今回の気づきでした。

今後、装丁に凝った小説本や漫画本も出していきたいので、その際はまたこういう風に備忘録を書くかもしれません。

私の書き残したものが、誰かの役に立ちますように……。


最後に、BOOTHのリンクをぺたり……(宣伝か!笑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?