「北斗七星と天帝と」Big Dipper超個人的考察

ジャニーズWEST『Big Dipper』2/17YouTubeでのMV解禁からずいぶんと時間が経ってしまった。3/17のアルバム発売からも。あまりにもMVの世界観が好きすぎて思い浮かぶ過去読んできた書籍を再読したりインターネット回遊してるうちにこんなに時間が。
前回の衣装ネタとはまったく違う点に『Big Dipper』では萌え散らかしてしまった。(衣装ネタ期待されてた方ごめんなさい…ロングコートがネットニュースにもなったのに)

今回は『Big Dipper』MVから連想される世界観のお話なので妄想100%です。具体的な分析とかはほぼ無いので「それでもええよ」という好奇心のある方はどうぞ先へお進みください。


YouTubeで解禁されたMVのショートバージョン。前奏が始まったとたん『Big Dipper』というお洒落なタイトルからの予想を裏切るアジアンテイストなメロディが始まった。このアジアンな曲調でこられたおかげで一気に脳内で「中華星辰物語」(妄想の別名)が展開された。たまらん。他のテイストだったらnote書くところまではこなかった。

なにがそんなに萌えポイントだったのか。ズバリ「天井の照明」なのだ。あ、帰らないでもうちょっと話を聞いて。家電芸人じゃないので器具の萌えを語るウンチクも技量も持ち合わせてないから帰らないで。もちろんSNSで話題になった北斗七星フォーメーションにも触れるので!

MVが始まった瞬間、画面の半分以上を占める印象的な丸い天井の照明。それと対比するように地上では神山さんを中心として円になったWESTのメンバーたち。
はい、きました。ここで一気に萌えの種がきました。「中華星辰物語」(妄想の別名)。とりあえずここで一時停止ボタンです(曲始まってない)。
いま一度YouTubeで確認してほしい。天井の照明の中心にある黒い器具。これが、

私にはオレンジの光の中に浮かび上がる「北極星」つまり「天帝」に見えた。
そしてその下に集うのはBig Dipper~北斗星君~であるジャニーズWEST。

北極星はご存じの通り古来道しるべともされた「動かない」星であり、その近くで北極星を探す目印ともされる北斗七星。北極星があまり明るくない星なのでそばにある明るく輝く北斗七星が北極星を探す目印とされる。明るく輝く星…明るく輝くスタア…いい響きですな。

古代中国では「北天の動かざる星」北極星は宇宙のすべてを支配する最高神「天帝」とされていて、その周りを一年の周期で巡る北斗七星は「天帝の乗り物」だと考えられた。道教では北斗七星は「北斗星君」と呼ばれて天帝からの委託を受けて人々の行状を監視して生死禍福を支配するとされている。
諸葛亮孔明が赤壁の戦いで七星壇にて風を祈り、五丈原の戦いで延命祈祷をしたのも北斗星君。水滸伝も北斗七星が…ちょっと違う萌えを長く書いてしまいそうなのでこの辺でやめておきます。

と、ここでMVに戻って一時停止ボタンを解除して再生へ進んでみる。(やっと曲が始まった)
前奏の開始とともに円になったWESTが手をあげ、印象的な上からのカメラに変わる。
小さな円を神山さんが押し広げるように進み出て大きな円へ。それはまるで上を見上げたメンバーが手をあげ天帝からの命を受けて四方へ散らばっていく星々かのよう。

監督がどういう意図で天井の照明をあの割合で大きく映したかはわからないけれど、私にはあの照明の中心にある黒い点(器具)は北極星の象徴、シンボライズしたものに思えた。
曲始まりでは丸く映っていた照明が実は縦に長い楕円形で、レンズの収差で丸く見えていたというのも「天体」をイメージさせる一因になってる。あの丸い「天体」があるからWESTはあの場所で北斗七星、Big Dipperになれる。だからこそあの形で映像にしたんじゃないか、そんなふうに思えてくる。

話は逸れるけれど、ここでちょっとダンスについて。
『Big Dipper』初見ですぐさま『傷だらけの愛』を思い出したヒト、多いんじゃないかな。あとで振り付けが同じKAJ1さんだとTwitterで教えてもらうわけだけど、ダンス全然詳しくない私でも傷だらけの愛が思い浮かんだ。特に冒頭の神山さんのダンス。
KAJ1さん振り付けだと知ってから、曲の始めで神山さんが円から前に出てくるところを見ると、『傷だらけの愛』メイキングで「神ちゃん、前(まぁえ)」とリズムに乗って指導するKAJ1さんの声が脳内再生される。『Big Dipper』もメイキング欲しかったな…。

さて、曲が進み正面奥、カーテンに隠された遠くから光が差してるのがわかる。
「ん?これはもうひとつ北極星の象徴が登場…?」とちょっと混乱したけれど。垂直と水平の交わる世界観は多次元宇宙の可視化か、いやそれよりも上の黒い点はまさに「天帝」の象徴で、奥の光は北極星の物理的位置の象徴だとしたら納得だな…たしかにそう配置することで物語に奥行きが出るな(マジでそんなこと意図してないのはわかってるけどオタクとは脳が勝手に考察し始めてしまう生き物なのだよ)。

YouTubeではMVは途中までしか公開されなかったので「この後に何か展開はあるのかな」と1か月後のアルバム発売を楽しみに待っていた。
脳内では「中華星辰物語」(という妄想)が順調に章立てされ、天帝を護る剣の先としての北斗七星破軍星が第一章だよな…で破軍星は誰になるかな?と配役に悩みつつ(ほぼ水滸伝やがな)。

そして1か月後、手にしたアルバム「rainboW」。
Rainbow Chaserのショートムービーとメイキング、からの温度差に風邪ひきそうになる『Big Dipper』をいったん停止して(一時停止好きやなワタシ)心の準備をしてから再生した。

…最後の『Big Dipper』たちをつなぐ光のラインの演出、よかったですね…よかったですね…あの光でメンバーをつなぐことで「北斗七星をイメージしたダンスのフォーメーション」から「メンバーが夜空に輝く星そのものになる」意味を持たせることが出来る。そしてラスト画面が星空へ変わりメンバーが体現した北斗七星の先にはカーテンの奥に光る北極星の象徴かのようなライトが。

やっぱりあの光は物理的位置の北極星の象徴なんじゃ…と思ったけれど、フォーメーション的に位置が逆になるんだよな…いや、待てよ古代の北極をさす星は位置が違っていたからそれもあり、なライトの位置かも。

と、さっそく以前NHKで「現存世界最古とされる天文図」の特集で見た奈良県キトラ古墳の写真を見てみると

古代の北極星はどれ? - なぶんけんブログ 

ギリ、OKな位置に北極星がいた。よかった。よかった。ギリ北極星って言える。(ギリ、と強調しておきます)
ちなみに上記のキトラ古墳天文図の写真には北極星だけでなく北斗七星も載ってます。キトラ古墳に描かれた世界最古の天文図の北斗七星の写真。文字だけで興奮しますね(しますよね)。

キトラ古墳にも描かれた北極星と北斗七星だけど日本ではあまり主流として「星辰信仰」が残ってなくて(もちろん妙見信仰などはあるけれど)そのあたり民俗学の吉野裕子先生の「隠された神々」とかおもしろい。北斗七星も「え⁉」という説がのってたりして興味深い。(萌えの強要)

閑話休題。YouTubeで初めて見た時に感じた「天帝(北極星)のもとに集いし北斗星君(北斗七星)」のイメージはアルバムのMVで全体像を見てもいささかも損なわれることなく、しっかり最後まで物語が完結していました、私の中で。(監督もびっくり、かと存じますがご笑覧いただけると此れ幸い)

もし最後まで読んでくださって「MV見返してみるかな」とおもしろく感じてくださった方がいたならめちゃめちゃ嬉しい。ありがたい。オタクは考察せずにはいられない生き物。これからも何かに萌えたら書きなぐってみたいと思います。その節は、よければまたお越しください。

そうそう、小ネタをひとつ。

北極星は現在の星座では「こぐま座」のひとつの星で。
また道教では北斗星君に対する存在として南斗星君と呼ばれる存在がいるんですが、英語では「Milk Dipper」と表記されるそうで。こぐまとミルク…どこかのシンメを思い出しますね。

以上あらためて、ここまで読んでくださってありがとうございました!