オンラインおしゃべり会 介護と憲法 2月2日水曜日20時~

「介護と憲法」ご参加ありがとうございました。
第3回オンラインおしゃべり会「介護と憲法」を昨日開催。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございます。
わたしから、まず「介護と憲法」のこれまでをご紹介。昭和後期時代は憲法24条があるにも関わらず、いわゆるケア労働が女性の無償労働と見なされていたこと、
夫の実父母の介護が嫁の義務
とみなされていた(実際には義務はない)こと。しかし、そうはいっても介護の社会化を求める声から、介護保険が問題はあるにせよできたこと。
障がい者分野でも個人の尊厳を求める声から総合支援法を勝ち取ったことなど紹介。
他方でまだまだ女性の仕事と言うバイアスもあって現場労働者の給料が低すぎること、また老老介護、老若介護、ヤングケアラー、また男性介護者の増加など状況の多様化、
複雑化があることを紹介。
参加された方からは
「介護保険のお陰で自分はフルタイムで仕事ができるが、ツ綱渡り」
「遠方の母親が介護状態で介護保険は助かる。ただし、父親は弱っているが、介護状態まで行かない。こういう人への支援ももっと欲しい」
「家族が要介護状態になったときどうすればいいか?教えてくれる教室があったらいい。」
等のご意見をいただきました。
また、20代の方からも「母親と二人暮らしだが、母親も脚を痛めたりして通院している。いつ自分も介護をすることになるか不安だ。ただ介護保険があるのを知って少し安心した」
とのご感想をいただきました。
介護現場の女性労働者からは、入居者から暴力を振るわれるなどの実態が報告され、
20代の男性からは、「そんな大変な仕事なのに、他の業種より低い給料なんてあり得ない。」
との感想が出されました。
わたしからは、
「総合事業と言うのもあるが、仕事に対する報酬を介護保険の8割に設定しているのでやりたがる事業者が少ない問題もある」
等とお答えしました。
後半では、自民党改憲草案、また、改憲草案を先取りしている維新政治が介護にどういう影響を与えるかについてお話をしました。
自民党改憲草案の24条では「家族の尊重」が「両性の平等」より前に来ています。
さらに、憲法83条は財政の健全化を義務付けています。
これらをつなぎあわせれば、「介護など社会保障を切り捨て、ケアに関する労働を家族に押し込める」
ということです。
財政の健全化といいますが、財務省の標的になるのはいままでの経緯を見ても、社会保障です。
財務省は、人工透析の患者の方への訪問介護サービスが無駄だから削れ、という趣旨の圧力をかけつづけています。
いっぽうで、安倍晋三・昭恵さんが危うくならないよう、全力で忖度しているのです。
昔と家族のあり方も変わってきていますから、「嫁」だけでなく、男性や子ども・若者も大変なことになってきます。
こうした、自民党改憲草案を先取りしているのが大阪の維新政治です。
これまでの政治を「シルバー民主主義」と決めつけ、若者の味方のふりをして、高齢者や障害者の切り捨てを進めています。
だが、それによって、いわゆるヤングケアラーも実際には被害を受ける。
以上のような提起をさせていただきました。
これに対して、大阪府民の女性からは、「地下にトンネルを掘るなど大型の事業は熱心だが暮らしは切り捨てている。」
実態のご報告をいただきました。
また、障がい者の就労支援に従事する男性は
「支援対象者に『義務とは関係なく、権利があなた方にはあるんです。』と説明したら
みなさん、まったく何がなんだかわかっておられない様子だった。」と仕事での出来事を紹介。
「日本人には人権はうまれながらにしてある、という考えは薄いのではないか?ただ、介護保険の場合は『消費者として、保険料への代価としてサービスを受け取れる』という
意識は強まっていると思う」
と感想を述べられました。
また、20代の男性からも
「衆院選2021がおわったばかりで当面は政権交代はない。自民党に対して、介護などケア労働者の給料を上げていくよう、
維新とは正反対の方向から突き上げていくこともしていきたい。」
との提起をいただきました。
わたしからは、やはり、憲法とは国民が権力者を縛るツールであるということをもっと強調していくこと、
この20-30年で強まった新自由主義の洗脳は強いが、すこしづつでもそれを改めていくよう粘り強く
努力すること、とくに今年の参院選で維新に対抗軸をきちんと示す勢力をのばしていくことの重要性を
強調してまとめさせていただきました。

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